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激動の時代を生きる日本の子どもたちへ〜公私の別なくこれからの教育を語り合う〜 未来型中高一貫教育シンポジウム 2017 開催

2018-02-01

昨年12月3日(日)、駒込中学校高等学校(河合孝允校長、東京都文京区)において、「未来型 中高一貫教育シンポジウム 2017」が開催された。
東京都立白鷗高等学校・附属中学校の善本久子校長と私立駒込中学校高等学校の河合孝充校長がそれぞれ基調講演を行ったあと、若泉敏氏(教育評論家・コンサルタント)がコーディネーターを務め、お二人の校長がパネリストとなった鼎談シンポジウムが開催された。

基調講演 東京都立白鷗高等学校・附属中学校 善本久子 校長

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最初に基調講演を行ったのは、東京都立白鷗高等学校・附属中学校の善本久子校長。善本校長は、教育に関して信念のように確信していることがあるという。
それは「時代の変化によって人間は変化するけれども、良くなったり悪くなったりはしない」ということだ。例えば家庭の教育力が落ちているとかモラルの低下が起きているという話を聞くと、果たしてそうだろうかと疑問を持つのだそうだ。
「最近の子どもはマッチも擦れないんですよ、という人がいますが、当たり前です。マッチがなくても火を付ける手段があるのですから。
マッチが擦れないことを子どもたちが劣っているかのように言うことはないと思います。
今から1000年前に書かれた『源氏物語』の中にも『今どきの子どもは…』という文章が出てきます。いつの時代も価値というものは少しずつ変化していきます。その中で、自分が生きてきた今までの価値観に合わないと、私を含めて誰もが戸惑いを感じたり、劣っていることのように感じますが、それは変化であって、劣っていることではないと思います。ですから保護者の皆様も、ご自分の子育てに自信を持っていただきたいし、教育においては〝不易流行〟を考えることがとても大事だと思います」。
育てたい生徒像は、「自己のアイデンティティーを確立し、ダイバーシティ(多様性)尊重を基盤に、国際的な『競争』と『協働』の両方ができるリーダー」。
課題探求型学習の推進、ダイバーシティ教育の充実、日本の伝統・文化理解教育の充実──の3つの柱で世界で活躍できるリーダーを育成することが白鷗の目指す教育だ。とはいえ、言葉で言うのは簡単だが実際に行うのは難しいのも事実。具体例を挙げながら詳細にその教育の実際について善本校長は語ってくれた。

会場には保護者のほか教育関係者が大勢集まった

会場には保護者のほか教育関係者が大勢集まった

基調講演 私立駒込中学校高等学校 河合孝允 校長

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次に基調講演を行った私立駒込中学校高等学校の河合孝允校長は、「激動の時代を生きる日本の子どもたちへシリコンバレーにおける『対日戦略』の衝撃と日本の教育改革課題」というテーマで講演。
いま教育界で注目されているAI(人口知能)は、動物同様の単純な「反射による意思決定」を得意とする。しかし、「コンテキスト(文脈・物語)」を生み出したり把握することは極めて困難な作業となるという。「ネコは明日ネズミが捕れるかどうかを心配してふさぎ込んだり自殺をするようなことはありません。
ネコに明日はないのです。同様にAIも明日を思い悩むことはありません。言い換えれば、人は自分の人生のコンテキスト(物語)を自由に生み出し、明日を期待したり、思い悩めるからこそ人である言えるのです。将来AIの時代が来ても、人が最後まで持つべき能力とは、自己の人生の文脈(物語)を自由に編集する能力です」。
AIは、もともとは「電子ゲームにおいて妨害する敵」のことであった。こちらの動きに瞬時に「反射」で応える「能力」を示したからだ。
この先AIがゲームの妨害者のように「人類の敵」になるかどうかは、人々の「コンテキスト」の「作り方」とその選択肢にかかっていると河合校長は述べる。「デストピア(=暗黒時代)を招来させないための常識として次世代に生きる子どもたちにこのことを正しく教えておくことが何よりも大切です」。

駒込学園では、21世紀後半のシンギュラリティ(AIが人類智を超える技術的特異点)の時代を生きる生徒たちのために「理系先進コース」を立ち上げた。このコースでは、アメリカが国家戦略として打ち出している「STEM教育」を導入し、2017年度から埼玉大学と連携して高大接続の授業を行っている。
独自のグローバリゼーション教育も実施しているが、建学の精神『一隅を照らす』は創業以来一貫していて、高1での比叡山研修をはじめ、中学での食育(命を頂くことへの感謝)、朝礼時の「般若心経」の唱え、「協力共同こそ慈悲の心である」という学園づくりなど、命あるものへの気づきを促している。

鼎談シンポジウム 大学入試改革と高大接続

鼎談シンポジウムでコーディネーターを務めた若泉敏氏

鼎談シンポジウムでコーディネーターを務めた若泉敏氏

基調講演のあとに行われた鼎談シンポジウムでは、大学入試改革、高大接続について、善本校長は「大学教員と高校教員がある程度連動して一体感を持った改革になりつつあるのではないかと非常に期待しています」と述べる一方で、「eポートフォリオ(※参照)は調査書を作成する教職員の力量が問われることになる上、生徒からみれば力量差があってはいけないので、どのようにその力を育成するかを考えているところです」と語った。
河合校長は、「高大接続でいま一番問われているのは、大学で行うディープラーニングを高校でやるべきだということです。本校では『国際教養コース』『理系先進コース』で行っています。基本的には世界標準のカリキュラムを導入することで各教科改革を行っています」と語った。
コーディネーターを務めた若泉敏氏は、全国の学校を訪問していると大学入試改革・高大接続の動きについては、東京よりも関西の方が早いと語る。

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「関西では公立中高一貫校でも多様な能力の子どもたちに入ってもらうために、すでにeポートフォリオを活用して記録しています。実際にやってみると意外に簡単ですし、様々な発見があり、いろいろな指導がまとまって行えます。先生方がそれを見ると、さらに部活での活躍など多面的な評価を加えたりしています。生徒たちもそれを見ながら自身の課題に取り組んでいます。
また大阪大学の調査によると、AO入試で入った学生の方が一般入試で入った学生より意欲はずっと高く、積極的、自発的に行動するという結果が出ています。そしてこれらのデータはAIが処理しています」。
善本校長、河合校長、若泉氏は、会場からのいくつかの質問に答えて、鼎談シンポジウムは終了した。

※【eポートフォリオ】
学力の3要素のうち「主体性」を適切に評価するため、大学が教育委員会や高校と連携し、「『主体性等』の評価尺度・基準の開発」「高校段階でのe ポートフォリオとweb 出願ポータルサイトとの連携システムの構築」を進めている。
主体性の評価基準については、全国の大学を対象に実施した調査の「大学は調査書の意義は認めつつ、より客観的な記載でないと選抜には活用できないと考えている」との結果から、e ポートフォリオには調査書の記載項目を補完するための情報を蓄積できるようにする。


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