「日本教育士検定」「全国名教師授業大会」のポスター

教育に情熱をかける教師よ、集え！

5月28日（日）大阪偕星学園高等学校（大阪市）において、一般社団法人 全国教育指導者育成協会主催、2017年「日本教育士検定」および「全国名教師授業大会」が盛大に開催された。

「日本教育士検定」とは、主に学習塾の教師の教育力を高めるため、授業力を含めた審査基準に達した教師に「プロフェッショナル」（教師として生徒たちを指導し、プラスの方向に導くことができる教師）、「エキスパート」（校舎運営者として、生徒および保護者の前に立ち、指導理念を伝えることができる教師）の認定を与えるもの。塾業界全体の授業力・教育力を高めることにより、塾業界のさらなる発展、ひいては日本の教育力向上を目指している。

大会委員長を務めた
（株）成学社太田明弘 代表

次回の大会委員長を務める
eisu group・山本千秋 CEO

授業の力でイノベーションを起こしたい

開会宣言をした（株）成学社・向孝典部長

午前10時から始まった開会式では、（株）成学社・向吉孝典部長が開会宣言をし、審査員（マイスター）が紹介された。

マイスター代表の詞を述べたeisu group・伊藤奈緒 COO

マイスター代表の詞として、ｅｉｓｕ　ｇｒｏｕｐ・伊藤奈緒ＣＯＯは「塾の使命は子どもの向上心を喚起し、本物の学力を身に付けさせ、志望校に合格させること。何より教師本人が強い成長志向を持ってほしいと思います。子どもの向上心に火をつけるような授業を行って、私たちでイノベーションを起こしましょう」と力強く語った。

教師宣誓が終わると、日本教育士検定二次（実技）審査が始まった。教室ごとに受検者が15分以内の授業を審査員の前で行い、それを審査するというものだが、他者との授業の優劣の順位を競うのではなく、いくつかの項目についての授業の質の高さを絶対評価で判定するのが大きな特徴だ。

審査員は、それぞれの受検者に対して次の項目をそれぞれ5段階で評定する。

●授業内容
・知的好奇心を沸き立たせるか
・教師の知的背景を感じるか
・説明内容が適切か
・重要なポイントが明確か
・成績向上につながるか

●授業の雰囲気・形態
・熱のある授業か
・生徒を惹きつけるか
・楽しさが伝わるか
・雰囲気づくりができているか

●人間性・信頼感
・やる気が湧き上がるか
・温かみが伝わるか
・その人に信頼を感じるか
・親しみを感じるか

塾業界全体の授業力をさらに高めたい

審査が終わると昼食休憩に入ったが、その間に審査員（マイスター）は審査内容をもとに教育士検定の合否を決定。また合否審査と並行して、午後の「全国名教師授業大会」の代表教師も選出した。

大会に参加した塾の代表の方々

太田大会委員長から特別賞「学び空間グッドデザイン賞」を授与された（株）ホットライン・北村昌弘代表

そして始まった午後1時10分からの「全国名教師授業大会」。大会に先がけて特別賞「学び空間グッドデザイン賞」が、特進館学院を運営する（株）ホットラインに授与された。これまでない空間デザインを導入することで、地域やマスコミの注目を集めるとともに、その様子を積極的に公開し、学習塾業界に新たな可能性を示したことが特別賞授与の大きな理由だ。

（株）ホットラインの北村昌弘代表は、受賞の喜びを語るとともに、「授業が光るような環境づくり、空気づくりも塾にとっては重要です」と述べた。

その後「日本教育士検定」合格者が発表され、「全国名教師授業大会」が開催された。代表に選ばれたのは、成基学園・岩野英代先生、英進館・大野由佳先生、ｅｉｓｕ幼小中部／鈴鹿英数学院・国武明宏先生、仙台進学プラザ・湯浅皓介先生（以上プロフェッショナル部門）、開成教育グループ・安藤隆晃先生、木村塾・植村祐樹先生、中萬学院・鈴木啓道先生、佐鳴予備校・原里美先生（以上エキスパート部門）─の8名。その8名の先生方が順次壇上に上がり、模擬授業を披露。会場はいっきに熱気と感動の嵐に包まれた。

「全国名教師授業大会」で代表に選ばれた８名の先生方

文科省の「トビタテ！留学ＪＡＰＡＮ」
を紹介した船橋力 氏

来賓の船橋力氏（文部科学省・トビタテ！留学ＪＡＰＡＮ プロジェクトディレクター）は、塾の先生方の授業が上手なことに本当に感動したと語り、自身の仕事である文科省の「トビタテ！留学ＪＡＰＡＮ」を紹介。給付型の奨学金で海外留学できるので、生徒の背中を押してあげて、ぜひとも応募して欲しいと述べた。

2017年度大会委員長である（株）成学社（開成教育グループ）・太田明弘代表は、すばらしい授業を行った受検者の名前を挙げて、それぞれの長所を賞賛したあとに、「それぞれの授業をランク付けするのではなく、個性を活かした質の高い授業を行っている先生を認証し、業界全体のレベルをアップさせたいという、（株）さなるの佐藤イサク社長のお考えに賛同し、第１回の大会委員長を務めさせていただきました。この大会での経験と成果が今後に生きることを期待しています」と語った。

ｅｉｓｕ　ｇｒｏｕｐ・山本千秋ＣＥＯは、「私どもの教師たちも20名が受検しましたが、彼らも、他の塾の先生方の授業も本当にすばらしかった。感動しました。塾の授業は、情熱、信念、誠意、愛情が必要です。次の大会委員長という大役をお引き受けしましたが、今日の大会に負けないようにスタッフと一緒に頑張ります。皆様のご協力、どうぞよろしくお願いいたします」と述べた。

各塾代表と代表に選ばれた先生方

感動の渦の中で閉会した同大会のあとは懇親会が開かれ、先生方は普段会えない者同士で情報交換などの会話に花を咲かせていた。

たくさんの人が集まった会場