
Lepton 第6回 全国加盟校大会 開催
子ども英語教室Leptonを展開する株式会社FREEMIND EVANカンパニー(北田秀司社長、京都市)は5月14日、第6回全国加盟校大会をホテルグランヴィア京都にて開催した。北田社長による講演のほか、基調講演、加盟校による成功事例報告、成績優秀校の表彰などが行われ、全国から100名超が参加した。
万里一空の精神
開会の挨拶に立った北田社長は10期目に当たる今期の方針を「万里一空の精神」と表明した。6期目より黒字に転じた同社だが、その分は様々な形で加盟校へ還元している。その一つが体験型英語教育施設のOSAKA ENGLISH VILLAGE だ。ここではレストラン、航空会社、銀行、テレビ局などアメリカの日常や歴史、文化をテーマにしたシチュエーションルームが用意され、それぞれ英語で体験することができる。教室で学んだ英語がアウトプットでき、手軽に留学気分が味わえるのが特長だ。その中にもLepton教室が開講した。会員向けの会報誌『The Lepton Times』には入場無料チケットを付け、会員への積極的な利用も呼びかけている。
また、今年よりサービスを開始したLepton ReadingFARM も「英語に触れる機会を増やす」という点で大きな役割を果たしている。これはアメリカナンバー1の教科書ブランドHMHの教材を使ったeラーニング教材で、約1000冊のe – Bookはネイティブの音声付き。本物の英語の発音とスピードに触れながら、ネイティブの先生に授業を受けているような感覚で学習でき、インプット系の能力向上に役立つ「多読+多聴」を可能にしてくれる。いずれもアメリカの小学校で広く使われている教科書や教材が揃っており、その質の高さはさることながら、現在の英語レベルに応じた教材を選ぶことができる。
Leptonの認知度を高めるための広報も積極的で、新しいTVCMの制作やリスティング広告、一般社団法人日本青少年育成協会が実施するフリー・ビブスプロジェクトへの協賛、漫画家とタイアップしたオリジナルの絵本を作るなど多岐にわたる。冒頭の「万里一空」は宮本武蔵の著書にある言葉で「ひとつの目標に向かって精進する」との意。子どもたちの英語教育のため、Leptonの普及と加盟校・会員へのサービスの向上を目指す同社の想いの表れだ。
基調講演「英語教育から英語学習へ」 京都造形芸術大学 本間正人 副学長
英語の運用能力は英語との接触時間に比例するそうだ。つまり英語が苦手な人は単に練習不足なだけ。十分な運用能力を身につけるには2000時間は必要だ。中高の6年間で英語の授業は約700時間。その授業でさえ、英語と接する時間だけ厳密に抜き出すと時間数はさらに少ないのだから当然の結果だろう。
長文の読解や和訳、文法等インプット中心の英語教育が行われてきたことにも、多くの人が英語を苦手とする大きな原因がある。英語は教わるものではなく、自ら学ぶもの。楽しく続けられる自分に合った学習法を発見することが何よりも大切だそうだ。方法は人によって違うが、心が動くこと、楽しいことならば学習効果は絶大だ。近年提唱され、実践されつつあるアクティブ・ラーニングに、そのヒントはある。そもそも人は生まれながらにしてアクティブ・ラーナーだ。外界を認知し、興味を持ったものを手で触り、口に入れ、舐め、そして音や動作を真似ることで様々な学習を重ねてきた。アクティブ・ラーニングこそが英語上達の突破口となるとのことで、実際に参加者らにグループワークを3 つ体験してもらった。
1つ目は「二文字目しりとり」。文字通り、英単語の二文字目にあたる文字をとり、次につなげていくというもので、Apple → Power → Orange → Railway → といった具合。単なる「しりとり」だと、eやrやyで終わる単語が多く、単語に偏りが出てしまうからだそうだ。2つ目は「いろはに金平糖」や「マジカルバナナ」でお馴染みの「イメージ連想」ゲーム。こちらは例を挙げるとApple → Red → Blood → Hospital →といった具合だ。スペルを考えることとイメージを膨らませること、それぞれのゲームが右脳、左脳を使うようになっており、これらを組み合わせることで脳をバランスよく使うことが可能になる。最後の1つはイメージ連想を少しアレンジしたもので、例えば「英語と言えば何色?」といった具合に自らがイメージする単語をグループで同時に発言するといったもの。その後は一人ひとりが順番になぜそう考えたのか、「I think ○○ is ×× because 〜」の形式で答えていく。自分の意見を言う練習にもなる上、この定型文は外国人とのディベートや普段の会話でも使える非常に実用的なものだ。
3つのグループワークを経て改めて参加者らを見渡すと、皆、真剣に取り組んでいたが、どのグループにも笑顔があふれており実に楽しそうだった。まさに「楽しみながらの学習」だ。いずれも各教室に持ち帰り、すぐにでも実践できるものであった。
表彰校による事例報告
同社では生徒の在籍数など様々な部門において成績優秀であった加盟校を毎年表彰している。基調講演のあとは表彰校の中より3社の担当者にその成功事例を報告してもらった。
「年間低退会率」部門で1位となった株式会社れんせいでは、授業の初めに教室内での決まり事を全員に唱和させ、連帯感や緊張感を持てるよう工夫している。また、外国人のチューターを採用し、英語が使えているかどうかのチェックやアウトプットの場を増やしている。大きな声で英語を口に出すのを恥ずかしがる子どももいるため、きちんとできた子にはシールを追加するといったご褒美も忘れない。自立学習とは少し違った感じで、クラス指導の良いところも取り入れているといった印象だった。
「週2回以上の受講生徒比率」部門で1 位だった株式会社さなるでは、某ベストセラー海外書籍発売の際にも使われたマーケティング手法を利用している。残席数を告知することで稀少感を出し、人気をアピール。体験会では全てを見せるのではなく、「ちょっと物足りないな、もう少しやりたいな」と思わせる程度にとどめておき、入会へと繋げているという。
「年間在籍生徒数」で2位となった株式会社スクール玉野では、ハロウィンに先生達が本気の仮装をしたり、クリスマスも全力で楽しんだりイベントにかなり力を入れている。仮装のままのレッスンや保護者宛のクリスマスカード作りは保護者にも生徒にも大好評だとか。また、「悪い口コミを作らない」ように常に意識しており、「体験や面談後は入会する場合だけ要連絡」を徹底している。「誰しも断りの電話はしにくいでしょ」とのことだが、そのちょっとした気遣いがファンを生んでいる秘訣かも知れない。
大会後に行われた懇親会では、事例報告を行った3社を含む表彰式が「年間在籍生徒数」「週2回以上受講生徒比率」「年間低退会率」「春の入会キャンペーン入会者数」「中学生受講者数」「JET受検者数」の6部門に対して行われた。