
「教育コーチングをベースとしたアクティブラーニング実践フォーラム2016」開催!
「教育コーチングをベースとしたアクティブラーニング実践フォーラム2016」開催!
一般社団法人日本青少年育成協会(増澤空会長)は10月23日、「教育コーチングをベースとしたアクティブラーニング実践フォーラム2016」を京都大学にて開催した。講師にはアクティブラーニング研究の第一人基調講演/京都大学・溝上慎一 教授基調講演を行った京都大学の溝上慎一 教授者で京都大学教授の溝上慎一氏をはじめ、同協会の教育コーチングS級トレーナー・小山英樹氏、産業能率大学教授の鈴木建生氏ら「より以上の教育」を探究・実践し続ける業界のトップランナーが多数集結。ペアワークやグループワークを取り入れながら実践に役立つ技術を学ぶ絶好の機会となった。
基調講演/京都大学・溝上慎一 教授
一昨年より桐蔭学園教育顧問に就任し、アクティブラーニング(AL)を取り入れているが、まず「生徒に〜させる」という考え方を教員に捨ててもらうことが一番の正念場だった。「教員から生徒へ」ではなく、学習は生徒中心。知識は教員から伝達されるものではなく、構成され、創造され、獲得されるものであると改めることだ。
子どもたちが主体的に学習するようになるには教員は何をすべきか?まず、授業には全員が到達できる最低限の到達目標を設定し、到達したかどうかを随時チェックすること。「表現する」ことを意識し、ALを導入していれば自ずと「習得すべき知識・技能」という到達目標を超えたところに子どもたちの「個」が現れる。子どもたち本人はその「個」が学習においてどれほどの価値を持つのかわかっていないため、教科の専門家としてその「個」が持つ価値を子どもたちに伝えることが教員の役割となってくる。
4つの分科会に分かれての実践講座
基調講演の後、参加者らは4つの分科会に分かれ、それぞれ違うテーマの講座を受講した。講座はALを取り入れている学校や塾の代表によるパネルディスカッションと実践的なALが学べるAL体験型セミナーの2 種類。同協会の認定コーチらの下、参加者同士のディスカッション等を通してAL型授業を体験した。
昼食を挟み、再び行われた全体会では産業能率大学教授の鈴木建生氏が登壇。ここでは講義中心から学習中心へと転換を図り、より効果的な授業となるべく「振り返り(リフレクション)」を取り入れることやその効果などについて参加者同士で学び合った。参加者らでつくられた1組4人のグループは、先の4つの分科会でそれぞれ違う講座を受講したメンバーが入るよう構成されるという主催者側の工夫も。
日本教育コーチング大賞 優秀賞プレゼンテーションと授賞式
体会ではこのフォーラムに先立ち行われていた日本教育コーチング大賞の金賞受賞者と優秀賞受賞者の発表も行われた。優秀賞に選ばれた4名のコーチはこのALフォーラムの会場で最終審査となる実践成果プレゼンテーションが行われ、大賞が決まる。協会選出の審査員のほか、参加者からの票も加味され、最終的に選ばれた大賞を獲得したのは栃木県日光市立落合中学校の教諭・高野貴亜紀氏。
生徒に「志」に根ざした生き方をして欲しい! という思いから、生徒の「志」を明確にすることを決意し、毎日の学校生活の中で一人ひとりの「志」を相互承認し、さらには「志」からくるその日の生活目標を相互承認する場づくりを行った。クラスが肯定的変容を遂げていったその様子を映像を交えて紹介した。
また、大学生でありながらアルバイトの塾講師として自分にあきらめの感情を抱いていた生徒に関わり続けた斉藤栞さんには、審査員長特別賞が贈られた。