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    荻原俊平氏インタビュー
    価値を生み続け、人を活かす

(株)市進ホールディングス新社長就任
荻原俊平氏インタビュー
価値を生み続け、人を活かす

2026-07-01

2025年に創業60周年の節目を迎えた、株式会社市進ホールディングス(下屋 俊裕代表取締役会長/千葉県市川市)。今年5月末の定時株主総会を経て新たな役員体制が決定し、代表取締役社長に荻原 俊平氏が就任した。
少子化や働き手不足、生成AIの進化など大きく時代が変容する中でも、市進グループは「人が人を理解し、人が人を支える価値」を重んじる姿勢を貫いていく。荻原氏は次の60年に向けて組織を再構築するべく、時代に合わせて新たな成長ステージへと切り拓いていく決意を語った。

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株式会社市進ホールディングス 代表取締役社長 荻原 俊平 氏
1993年入社、2020年取締役、2025年副社長、(株)ウイングネット社長などを歴任し社長に就任した。(株)学研ホールディングス 常務執行役員、(株)文理 代表取締役会長CEOも務めている。

時代と地域に必要とされる企業体として進化、深化へ

1965年の創業以来、5代目社長に就任した荻原氏。5代目を数える民間教育機関において、内部昇格(社員承継)による社長就任の継続は風通しのよさと理念が代々受け継がれている証だ。地域に対する恩返しとして、地域に還元する姿勢は終始一貫変わらない。
「千葉を中心に茨城や東京、埼玉など私たちの基盤となる地域への貢献をいま一度見つめ直し、進化する部分と深めていく部分の実現に向けて、より一層邁進していく所存です。時代に合わせた企業体を次なる形へと丁寧に整えていきたいと考えています」(荻原氏)
市進グループは教育や介護、日本語学校、コンテンツ事業などを通じて人の人生に長く寄り添い続け、生涯にわたって価値を提供する企業グループを目指している。
「学習塾部門は教育理念である『めんどうみ合格主義』を軸に、生徒自身の『わかった!』『解けた!』を尊重しながら、一人ひとりの個性や性格を理解して学習環境を整え、将来への可能性を広げることを追求しています。本当の成果とは生徒が望む進路を実現し、その後の人生を前向きに歩んでいくことに他なりません」
小学校低学年から高校生までの一貫指導によるLTVの最大化で信頼を築き上げ、さらに創業当時の中学生が親となり、やがて高齢者となって介護施設を利用する。
「この信頼の循環こそが、私たちの最大の財産です」と荻原氏は強調する。

人が育つ環境の充実が先決
その上で人を育て、活かす

この先、働き手不足の深刻化が確実視され、従来型の労働集約型モデルだけでは持続的な成長は難しい。しかし、AIやDXを活用して効率化した分、人と人の関わりは増えていくとの見解を荻原氏は述べた。
「学習塾において映像授業やオンライン授業、生成AIの活用はさらに進みますが、人が担うべき仕事はこの先も決してなくなりません。人がやるべき仕事に集中し、人とのコミュニケーションに時間を費やすことが絶対に必要です。
生徒の表情を読み取り、伝達した情報を理解したことを評価し、励まし、時には叱り、やればできるという自信や人間力を育み、成長を支えていくのが市進の教育の真髄です」
社員教育も同じく、人を育てる前にまず「人は自然に育つもの」というスタンスに立って〝育つ環境を作る〟ことが大切だと荻原氏は話す。
「企業の未来を決めるのは人材です。組織が個を支え、組織は個に支えられています。一方的な情報伝達ではなく、その人が発信元になって行動してもらうためにはコミュニケーションによって〝影響〟を与えなければなりません。情報と影響はまったく異なります。社員にも保護者や子どもにも〝影響〟を与えるような具体的なコミュニケーションが不可欠です」
社員のライフプランの構築にも力を注ぎ、グループ全体で多様な人材の活躍の場を創出し、教育から介護へのキャリア転換を含めて、社員が長く働ける環境づくりを進めている。
「私たちの仕事は、教室運営や施設運営を通じて生徒や保護者、利用者やご家族の不安に寄り添うことであり、今後、人間だからこそできる仕事により多くの時間を使って地域を支える組織へとさらに転換していきます。
離職率を低い水準で維持していることも、その成果の一つです。評価面では、実績と挑戦を重視し、男女問わず様々な世代を積極的に登用して組織の新陳代謝と改革を進めます」

質を上げ、守りながら勝つ
地域社会の未来共創に貢献

学習塾部門は小6生や中3生など授業料の高い受験学年に集中し過ぎることなく、「次年度の受験生も見込んだ経営資源の見通しが必須」と荻原氏は話す。
「いわゆる〝ブランド力〟の構成要素はヒト、モノ、カネ、ジョウホウですが、重要なのは経営資源の質をグレードアップさせて、地域社会に貢献するために経営資源を豊かに保つことだと認識しています。利益は社会的責任を果たし続けるための〝体力〟です。創業時からお付き合いしているパートナーシップや企業連携を続け、ともに発展していきたいと考えています。
学習塾は子どもたちの居場所であり、成績を上げること、志望校に合格させることが本懐です。人口動態も変わっていく中で、時代に即したヒューマンタッチな居場所を整備し、必ずしも駅前集客のみならず従来の拠点展開とは異なる展開が求められていると捉えています」
昨今、創業の地である千葉県市川市において、地元の大学(千葉商科大学、和洋女子大学、東京科学大学、昭和学院短期大学、東京経営短期大学など)が形成する「大学コンソーシアム市川」と協働パートナーとして、産官学連携で学生のキャリア支援や地域活性化に共同で取り組んでいる。
「これからの時代は地域から必要とされる企業だけが生き残る時代です。創業以来積み重ねてきた地域との関係や、卒業生・利用者からの評価は一朝一夕に築けるものではありません。現場の声を大切にしながら、誠実な経営を続けることで地域社会との信頼関係をさらに深めていきたいと思います。
派手さより信頼、短期利益より継続、拡大より地域との絆を大切に、教育から介護まで人の一生に寄り添う企業グループとして地域社会の未来づくりに貢献してまいります」


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