
(株)日能研東海 2026年 第1回 中学入試研究会
東海地区入試結果 入試問題分析&大学入試情報
4月15日(水)、(株)日能研東海は塾関係者・教育関係者を対象に東海地区の中学入試動向を伝える2026年「第1回中学入試研究会」を開催した。選抜方法の多様化と年内入試が加速する中、大きな転換期を迎える大学・高校・中学入試の動向を概観。
前半では日能研東海が2026年度の中学入試概況と入試問題分析を、後半では河合塾が2026年度大学入試概況を解説した。
選抜方法の多様化と年内入試の加速
─変わりゆく大学・高校・中学入試
(株)日能研東海 代表取締役 野田 幹人 氏
会の冒頭、日能研東海代表取締役の野田幹人氏は日頃の感謝を述べたのち、2026年度の大学入試・高校入試・中学入試が大きな変化の波にあることを概観した。特に大学入試では、総合型選抜や学校推薦型選抜といった、いわゆる「年内入試」が進み、一般入試が一段と厳しくなっている点を指摘。高校入試でも推薦枠の拡大により専願が難化している現状に触れた。通学の利便性や環境を重視する層の都市部への流入に加え、充実したカリキュラムを背景に私立高校の志望者が増加。公立の中堅校が苦戦を強いられている状況を分析した。小4で私立中学受験を決めて入塾した生徒が小5で進路に迷った際にも、大学受験を見据えたスムーズな進路指導へ移行できる仕組みづくりの重要性も強調。私立中学受験の可能性をさらに拓いていきたいと述べた。
東海3県で広がる変化の波
金城学院中の日程変更が女子受験に影響
(株)日能研東海 企画情報部部長 藤原 康弘 氏
藤原康弘氏が、2026年入試の最新動向について解説した。愛知県では、延べ受験者数が10年連続で増加。全国的には男子難関校の受験者数が減少傾向にある。金城学院中(四科・英語利用)が入試日程を愛知1週土曜日から2週土曜日へ移したことで、南山中女子部と同日実施となった。この変更が影響し、愛知1週に実施された愛知中や愛知工業大学名電中では女子受験生が増加し、実質倍率が上昇した。
2年目を迎えた県立中高一貫校の入学者選抜は、新設校が三河地区中心であるため私立中学との併願は少なく、昨年より落ち着いた。また、県立中高一貫校の1次選抜に伴い、私立中学では適性検査型入試が増加した。金城学院中の入試日程変更が女子校および共学校に与えた影響は大きい。
岐阜県では、鶯谷中、岐阜東中、聖マリア女学院中、麗澤瑞浪中が受験者数を増やし、県全体の延べ受験者数が増加した。鶯谷中は昨年、三重県の高田中と同日入試であったが、今年は別日程となったことで愛知県からの受験者が増加した。
三重県では、鈴鹿中等教育、三重中、四日市メリノール学院中の受験者数が増加し、県全体の延べ受験者数も増加した。愛知県からの受験者も多い高田中は、岐阜県の鶯谷中と別日程になったものの、受験者数に大きな変動はなかった。
*日能研東海では日程別の受験者数を分析するため、例年、愛知県の中学入試が一斉スタートする1月3週の土日を愛知1週と定め、それより後を2週、3週と設定。愛知1週より早い成人の日を含む3連休での入試を愛知0週、共通テストの週を0.5週としている。県立中高一貫校の1次選抜、2次選抜が愛知0週、愛知1週の土曜日に実施。1月6日は愛知0週の前なので便宜上「愛知マイナス1週」としている。
東海地区の女子校・男子校・共学校の受験動向
名古屋葵大学中の共学化により、聖霊中は愛知県の女子校として最も早い入試日程となり、その影響で受験者数が増加した。椙山女学園中は、金城学院中の入試日程が昨年から遅くなったことを背景に、昨年に続いて受験者数が増加。名古屋市内の女子校の中でも早い日程で入試を行ったことも追い風となった。
男子校では、東海中の受験者数が昨年より減少。過去9年間は900名台を維持していたが、今年は873名となった。実質倍率は低下したものの、入試難易度へは影響していない。南山中男子部は名古屋市内の男子校で唯一志願者が増加し、受験者数は昨年からやや減少したものの根強い人気が続いている。昨年1500名を超えた名古屋中が、今年は一昨年並みの受験者数に戻ったが、入試難易度は昨年に続き難化した。海陽中等教育は、昨年に続いて首都圏・関西地区からの受験者が増加し、2年連続で受験者数合計が1000名を超えた。
共学校の滝中は過去3年間1800名超だった受験者数が今年は1710名に減少。ただし合格者数が微増したため、実質倍率は低下した。愛知中は金城学院中の日程変更の影響で女子受験者数が増加したが、合格者数が昨年より減少したため実質倍率は上昇した。愛知工業大学名電中も金城学院中の動きが影響し、昨年から受験者数が273名増加した。
中部大学春日丘中は受験者数がやや減少したものの安定した人気を維持し入試難易度に大きな変化はない。大成中は昨年大幅に受験者数が増加したが、今年はマイナス1週の日程に他の学校が集中したことで受験者が分散しやや減少となった。
東海地区入試問題の出題傾向分析
(株)日能研東海 教務部課長 近藤 真 氏
続いて近藤真氏が、2026年入試における37校38入試の分析結果を報告。出題分野・テーマ・形式・難易度、出題傾向から見た入試問題の特徴について解説した。
国語は漢字・文法の出題割合は昨年より若干減少し、説明的文章の出題が文学的文章よりも多かった。全国的な傾向として素材文の文字数が増加しており、かなりの長文を読ませる学校も見られる。
算数は、計算分野が約20%で例年と同様の傾向だった。細かく見ると、速さの出題が2025年と比べてやや減少し、立体図形は微増した。
社会は、地理・歴史・公民の出題分野に大きな変化はなく例年並みの傾向だった。理科も物理・地学・生物・化学の4分野がほぼ均等に出題され大きな変化はなかったが、植物分野の出題がやや多かった。
各教科で表現力を問う出題が増加しており、算数では表現力を問う問題が全体の約5%から9.8%へと伸びた。単に答えを出すだけでなく解法のプロセスを説明させる問題や記述式問題、選択肢を導入するなど、解答形式の多様化が進んでいる。
2026年度大学入試実施動向
河合塾教育研究開発本部主 席研究員 近藤 治 氏
最後に近藤治氏が、2026年大学入試の受験概況について解説した。受験人口・大学志願者数はいずれも前年並みで、18歳人口と大学志願者数の推移はこの3年間〝階段の踊り場〟のように横ばいであり、入試環境に大きな変化は見られなかった。
一方で、規模の大きな有名難関私大では定員増、都市部周辺の大学では定員減の動きがあった。また、有名難関私大では新たな学部・学科、学部・学環の設置が相次いでおり、今後さらに進む少子化を見据えて、女子大の共学化や、時代に求められる分野への学部再編が進んでいる。総合型選抜・学校推薦型選抜では、条件付きで年内の学力試験実施が容認され、一般選抜でもルール違反の是正として試験日を2月1日以降に徹底する動きが見られた。
共通テストは今年で6年目となり、出題傾向は安定してきたものの、平均点は前年より大きく下がり難化した。その影響で、出願段階では国公立大学から私立大学へ志望変更する受験生も多く見られた。学部系統別では、昨年は文理均衡から文系がやや盛り返す傾向があったが、今年は「文高理維持」。医療系は志願者が減少し、社会科学系の伸びが目立った。

































