
AJC(全国学習塾協同組合)森貞孝理事長の最新教育情報 第105回
塾長先生方は、未来の日本のあり方をどうすればいいと考えているのか?
4月の入社式、入学式が終わって今話題になっているのが入ったばかりの新入社員がやめていく、人手不足の折から戦力として採用した社員が極端な場合は入社当日にやめていくケースまであるという。どうしてやめるのか聞いてみたら簡単な仕事だといわれていたが今日説明を受けたらこんなにやることがあるとは思ってみなかった。とてもできません、やめますという。テレビのワイドショーではそのような信じられない話題が語られている。
一方では80―50問題も日常のごく当たり前の話題になり始めた。80―50とは80歳の親の年金で、自立した生活が出来ない50歳の子どもの生活費を見ている家庭がある話だ。
不登校が話題になり始めて30年以上経った。そして社会生活になじめない子どもたちが成長して、大人になっても一日中家に閉じこもり、50代になっても自閉症、躁鬱病など精神的に病んでいる人が増えている。
小学校や中学校でちょっとした人との会話やいじめがきっかけで不登校は起こるのだが、10万人を超えたと話題になったものが今では30万人を超えている。
不登校がきっかけで社会になじめず、親や周りの人たちが手をつけかねている中で年々そのようなケースが増えていく。
仕事も出来ず結婚もしないまま収入もほとんどなく孤独な生活で人生を終える人たちがこれからも増えていくのだろうか。
個人的な意見を言わせてもらえば、不登校という集団生活から隔離された形になった生徒は、多くの人と一緒に生活することを避け、それが集団で一緒に行動が出来なくなる習性につながっていく。無理して学校に行かなくてもいいとはよく言うことだが、精神的に追い詰められていくことはそれで防げても、人並みに社会生活が出来ない性格が形作られていく。10代の終わり頃にはもう一度みんなと同じ生活に戻りたい気持ちが強くなっても、抵抗なく溶け込めなくなってしまっているのではないか。
昔のように大家族で兄弟も多く一つの家庭内で発言や行動をすることで小さな社会生活の訓練が出来ることがなくなって、両親も子育ての経験がほとんどなく、自分の生活に追われてわが子のことまで手が回らない。仲良しの友だちがいない、相談相手がいない。親を頼りにできない。自分の行動をどうしていいかわからない。
今全国的に不登校児が増え続けている時に、東京の板橋区では、不登校児の対策として、不登校生徒が安心して過ごすことが出来る別室を計画的に整備し、不登校・ホームエデュケーション保護者会を作って保護者の教育を始めたところ不登校の生徒のかなりの生徒が再び通学が出来るような効果が出てきたという。つらい思いをしてまで無理に学校に通わせることはないという言葉の一方で、社会生活から隔絶された人生を送るような方向に行くことは避けてやりたい。
そのほかにも今の社会は、高年齢の夫婦が施設に入る資金の余裕もなく非課税世帯として助け合っている老々介護や、祖父母の世話や認知症の親の世話を小中学生の子どもがしながら学校に通うヤングケアラーという問題も起きている。次代の日本を背負っていく子どもたちを育てている塾長の諸先生方は未来の日本のあり方をどのようにしたらいいと考えているのか。

































