
野田塾 主催 全国模擬授業大会 in 名古屋
全国の教師たちがチョーク一本で熱く競い合う
![[左] 会場校挨拶を述べる、名古屋中学校・高等学校の学校長 永田久喜氏 [中] 主催者挨拶を述べる、野田塾取締役塾長 三輪宏氏手にしているのは、模擬授業大会の歴史などが記載された冊子「真の教育」 [右] 全国模擬授業大会 大会委員長 井上淳司氏による開会宣言](http://www.juku-kyoiku.com/wp-content/uploads/2025/12/2025_12_p58_3speech.jpg)
[左] 会場校挨拶を述べる、名古屋中学校・高等学校の学校長 永田久喜氏
[中] 主催者挨拶を述べる、野田塾取締役塾長 三輪宏氏手にしているのは、模擬授業大会の歴史などが記載された冊子「真の教育」
[右] 全国模擬授業大会 大会委員長
井上淳司氏による開会宣言
「チョーク一本で教育改革を」。この言葉をスローガンにして、日本一の教師を決める恒例のビッグイベントが今年も開催された。10月26日(日)に行われた「全国模擬授業大会in名古屋―教育の力 2025―」だ。全国の塾や学校の教師たちが授業での「話法表現力」「板書」「指導内容」「論理展開」「工夫」「納得感」を競い合う大会である。会場は例年通り、学校法人 名古屋学院 名古屋中学校・高等学校だ。今回で13回を迎える同大会に参加した団体は13で、出場者は40名。
こうして名古屋に集まったプロ教師たちが全国の塾の代表を始めとする審査員を前に、約15分の模擬授業で指導技術力を競い合いあった。
生身の人間が生徒の前で
熱い授業を行うことの大切さを
今年の大会はAIを駆使したオープニング映像の上映で幕を開けた。開会式の会場となったチャペルのスクリーンに、全国模擬授業大会の模様をドラマチックに表現した映像が映し出されたのだ。期待と緊張が高まる中、大会委員長を務める野田塾・井上淳司氏が開会宣言。続いて野田塾取締役塾長の三輪宏氏が次のように主催者挨拶を述べた。
「名古屋で第1回全国模擬授業大会が開催されたのが2011年でした。今年は15年目にあたります。この15年間、教育業界には様々な変化がありました。ICTやタブレットによる指導、AIを活用した教材が急速に普及しています。こうした中、生身の人間が生徒の前で授業を行うことの大切さが再確認できていると思います。教師が生徒の前で熱い授業を行い、その授業で生徒がやる気を出して着実に学習を進めていく。今日はそんな熱い授業をぜひみなさんに見せていただけたらと思います」
次に会場となった名古屋中学校・高等学校校長の永田久喜氏が「教育とは、生身の人間と人間とのぶつかり合いではないでしょうか。今日は私も教育の原点に戻れることを楽しみにしております」と挨拶。そして、来賓や審査員の紹介、審査方法などの説明が行われた後、麗澤瑞浪中学・高等学校の中村洋巳先生が、登壇した出場者全員を代表して選手宣誓。「われわれ教師一同は、塾と学校の垣根を越えて今日一日、熱い授業を展開することをここに誓います」と力強く述べた。
全国模擬授業大会in名古屋
教育の力2025
(主催・野田塾)
各賞受賞者(敬称略)
■個人賞■
【グランドチャンピオン】eisu 津駅前校 稲垣 伸樹(理科)
【準グランドチャンピオン】野田塾 増本 慈哉(数学)
【部門別チャンピオン】
eisu 津駅前校 石井 優志(国語)
野田塾 伊藤 豊和(英語)
野田塾 牧野 裕二(社会)
【ルーキーチャンピオン】開成教育グループ 吉田 涼乃 (英語)
■団体賞■
1位 野田塾(愛知県)
2位 eisu 津駅前校(三重県)
3位 洛西進学教室(京都府)
各部門のチャンピオン5名がパワフルに模擬授業を展開
開会式を終えると会場を校舎に移して、部門別予選と部門別チャンピオン決定戦へ。英語・国語・数学・理科・社会・ルーキー(新人)の部門ごとに教室に分かれ、模擬授業を行った。この授業を全国から集まった教育関係者らで構成される審査員が採点。部門別チャンピオン決定戦出場者を決める。
午後1時55分からはチャペルで、厳しい審査を勝ち抜いた各部門のチャンピオン5名が、グランドチャンピオン獲得に向けて個性あふれる授業を繰り広げた。
国語部門のチャンピオンは、eisu津駅前校・石井優志先生。扱った単元は「短歌」(小5)である。柿本人麻呂の代表作を例に出して、枕詞や序詞を始めとする和歌のしくみや、和歌が詠まれた時代背景についてわかりやすく伝えた。
数学部門は、野田塾・増本慈哉先生。単元は「補助線の攻略」(中3)だ。ラ・サール高校の過去問のように一見難しそうに見える図形の問題でも、その問題の意図や狙いがわかれば補助線を引くことで攻略できることをテンポよく解き明かしていった。
英語部門は、野田塾・伊藤豊和先生。単元は「形式主語」(中3)である。なぜ、形式主語の「it」を用いるべきなのか。英語は大きな主語を使わないことで、英文全体の構造を見えやすくするためであると解きながら、書き換え問題について説いた。
社会部門は、野田塾・牧野裕二先生。単元は「アメリカの農業」(中1)だ。アメリカが小麦やとうもろこし、綿花などの農作物を生産し、海外に輸出して「世界の食料庫」と呼ばれている理由をユーモアを交えて解説した。
理科部門は、eisu津駅前校・稲垣伸樹先生。単元は「血液」(中2)である。同校の教師たちが健康診断で高血圧といわれたエピソードから授業を開始。血液の成分や働きについて説明し、なぜ、高血圧の人は塩分を控えなければならないかなどを解き明かした。
「悔しい思いを糧に、研鑽ができました」
![[左から] eisu 津駅前校 稲垣伸樹先生(理科) 野田塾 牧野裕二先生(社会) 野田塾 伊藤豊和先生(英語) eisu 津駅前校 石井優志先生(国語) ルーキー部門のチャンピオンに輝いた開成教育グループ 吉田涼乃先生による英語の模擬授業](http://www.juku-kyoiku.com/wp-content/uploads/2025/12/2025_12_p59_5teachers-1024x207.jpg)
[左から]
eisu 津駅前校 稲垣伸樹先生(理科)
野田塾 牧野裕二先生(社会)
野田塾 伊藤豊和先生(英語)
eisu 津駅前校 石井優志先生(国語)
ルーキー部門のチャンピオンに輝いた開成教育グループ 吉田涼乃先生による英語の模擬授業
結果発表を待つ間、ルーキーチャンピオンに選ばれた、開成教育グループ・吉田涼乃先生が英語の模擬授業を披露。単元は「存在を伝える文」(中1)。
そして、いよいよ結果発表へ。グランドチャンピオンの栄光を手にしたのは、eisu津駅前校・稲垣先生(理科部門)。発表を知った瞬間、稲垣先生は、涙をこらえるかのような表情を見せた。なお、稲垣先生は2023年、同大会に社会部門で出場し、グランドチャンピオンに輝いている。準グランドチャンピオンを獲得したのは、野田塾・増本先生(数学)。司会を務めた野田塾千種校校長の鈴木智規氏が受賞後、2人にコメントを求めると次のように答えた。「私は昨年度も理科部門でこの大会に出場させていただき、予選で敗退しました。その時の単元が今日と同じ『血液の成分』です。非常に悔しい思いをしたので、この授業を組み立て直し、本大会に臨みました。こうして研鑽できたのは、模擬授業大会のおかげであり、素晴らしいイベントだと思っています」(稲垣先生)。「私は今年45歳になります。年齢を重ねたぶん、授業でしっかりと生徒を引っ張っていけるように、これからも精進したいと思います」(増本先生)。
次に団体戦の結果発表へ。1位は野田塾、2位はeisu津駅前校、3位は洛西進学教室だ。表彰式に続いて閉会式が行われ、野田塾の三輪氏が主催者挨拶。その後、愛知県私塾協同組合理事長の山田真司氏が次のように総評を語った。
「今日、グランドチャンピンを受賞された稲垣先生の授業を見ていると、どこまでも突き詰めて完成させたことが伝わってきました。私の中でも一番の授業でした。
私たちの仕事に定年はありません。稲垣先生が授業の中で高血圧について述べていましたが、この仕事を続けるには健康であることが重要です。第1回全国模擬授業大会が開かれてから15年が経ちました。私も歳を取りました。しかし、現役で授業を行っています。それは、この大会で学んだことを生徒たちにフィードバックしていきたいという思いがあるからです。私はこの仕事を天職だと思っています。今日、参加されたみなさんも、誇りを胸に、いつまでも子どもたちを教え続けてください。それが私の願いです。来年もこの大会を楽しみにしています」













![[左] 野田塾 増本慈哉先生(数学) [右] グランドチャンピオンの栄光を手にした稲垣先生](http://www.juku-kyoiku.com/wp-content/uploads/2025/12/2025_12_p59_masuita.jpg)



![[左] グランドチャンピオンの栄光を手にした稲垣先生を囲む eisu 津駅前校の教師たち [右] 団体部門優勝を果たした野田塾の教師たち](http://www.juku-kyoiku.com/wp-content/uploads/2025/12/2025_12_p59_2photos.jpg)





















