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さくらんぼ教室 35周年記念イベント
特性・個性を生きる力に

2025-11-04

発達特性をもつ生徒のための教室「さくらんぼ教室」の35周年を祝う記念イベントが、10月5日(日)、東京・日本教育会館一ツ橋ホールにて開催された。第1部は特別メッセージとして、信州大学医学部教授の本田秀夫氏と、中京大学現代社会学部教授の辻井正次氏が登壇。第2部は代表生徒による個性輝くプレゼンテーションが披露された。

(株)Grow-S さくらんぼ教室 代表取締役 伊庭 葉子 氏

(株)Grow-S さくらんぼ教室 代表取締役 伊庭 葉子 氏

発達障害教育のパイオニアとして、東京・千葉・神奈川で14教室を展開。幼児から社会人まで3500人が通う「さくらんぼ教室」(運営:株式会社Grow-S)。
代表の伊庭葉子氏は、「さくらんぼ教室が始まったのは1990年。養護学校に学ぶお子さんに文字や数字を教えてほしいという願いを受けてスタートしました。さくらんぼという名前は、お子さんの手を引いてやってくる、親子のつながりからイメージしています。

[左](株)学研ホールディングス  取締役 上席執行役員 五郎丸 徹 氏 [右](株)市進ホールディングス  代表取締役会長 下屋 俊裕 氏

[左](株)学研ホールディングス 
取締役 上席執行役員 五郎丸 徹 氏
[右](株)市進ホールディングス 
代表取締役会長 下屋 俊裕 氏

当時は貸し会場で手作りのプリントと赤ペンしかありませんでした。それでも、できることが増えていくと、親子が幸せになる。こんな喜びが生まれる場所をもっと作っていきたいと思ったのが原点です。発達上の個性が際立つ子ども達は、その強みを大切に立派に成長していきます。それには良い教育や医療、サポート、仲間そして応援をしてくれる人の存在が大事です。本田先生、辻井先生は専門家のトップリーダーで、多くの人達の生きるに寄り添ってこられた先生方です。今日は一番大切なことを教えていただきましょう」と挨拶。
この他、来賓として株式会社市進ホールディングス代表取締役会長の下屋俊裕氏、株式会社学研ホールディングス取締役上席執行役員の五郎丸徹氏が登壇した。

【第1部 特別メッセージ】
みんなに知ってほしい いちばん大切なこと

「学校生活を楽しく過ごすために」
信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授 本田秀夫氏

信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室  教授 本田 秀夫 氏

信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室
教授 本田 秀夫 氏

「自立」という言葉がありますが、自立している人は、なんでも自分でできる人ではありません。自分で考え決められる力はとても大事ですが、人に相談するということもとても大事なことです。両方の力をどうやったら、子ども達が身に付けていけるか。私はいつも考えています。
子どもが何かを学ぶときに大切なのは、安心して生活できること。周りの世界が自分にとってよく理解できること。興味があるものを見つけられること、です。興味を持ったものに意欲を持って取り組み、うまくできた時に「できたぞ」という達成感を持てる。私達は子ども達が達成感を感じているかどうか、しっかり押さえていく必要があると思います。
健康的な自己肯定感というのは、子どもの達成度が親や先生の期待を上回ったときにしか育ちません。親御さんや先生が「せめて、これぐらいはできないと」と思っていると、それが子どもに伝わり、健康的な自己肯定感は育たなくなってしまいます。一つひとつできたことを見つけ、「すごいね」「よくできたね」と褒めていくことが重要だと思います。
さくらんぼ教室で重視されているのが、目に見える情報を使ったコミュニケーションだと思います。一人ひとりに合わせて、見てわかりやすい伝わり方を考えていく。子どもが楽しく過ごしているうちに、気が付いたら色々なことが身に付いている。そうしたサポートをすることが私達の役割だと考えます。

新入社員の皆様

新入社員の皆様

私は「我慢」は2通りあると思っています。良い我慢は「やりたいことを諦めないために我慢すること」。でも、今の日本の子ども達は「やりたいことを諦めさせられ、やりたくないことや苦手なことを我慢してすること」を強いられています。
ですので、適切な我慢ができる環境づくり。本人が目標を持ち、頑張っていこうという気持ちを育てることを、大人の皆さんには意識してもらえたらと思います。時々、子どもに「我慢しないと、将来誰も助けてくれないぞ」いう人がいますが、そんなこと全然ないですよね。さくらんぼ教室をはじめ様々な学校がサポートしていますし、社会人になってからの支援もずいぶん充実してきています。
将来も支援を受けていくには、自分の好きなこと、苦手なことをきちんと言えるようになることが大事です。そうしたことを伝えられると、合理的配慮という対応をしてもらえます。本人にも意識を持っていただきたいし、親御さんも、我が子が先生に対して、自分のことを説明できるような力を付けていただきたいと思います。

「幸せな大人になるために」
中京大学現代社会学部 教授 辻井正次氏
NPO法人アスペ・エルデの会CEO 統括ディレクター

「幸せな大人になるために」ということですが、幸せになることは難しいですし、大人になるということも結構難しいですね。
まず、仕事はしないよりした方がいいです。自分が誰かのために何かをすることは大事です。そして、自分の生活の基本となる「衣食住」を整える。親御さんが亡くなった後を考えると、食事を作れることや、自由でゆっくり休める空間があることはとても大切です。
もう1つ、誰かとつながって困った時に「困った」と言え、誰かに助けてもらえることも重要です。さくらんぼ教室の生徒は言えそうかな?小さい時から支援を受ける経験をしている人達は、困った時に「困った」とか「わからない」と言えるので、それがすごい強みになります。

中京大学現代社会学部 教授 辻井 正次 氏

中京大学現代社会学部 教授 辻井 正次 氏

幸せになるには、気分を安定させることも大切です。不安や突然の変化でパニックになることもあるでしょう。気分の調節と不安・心配の調節を覚えていくのが大人になるには必要で、安定した生活をおくる上で大事なことです。
落ち着かなくなったら深呼吸しましょう。息を吸って5秒かけて細く吐きます。3、4回程度行います。嫌なことを思い出して不安になった時は、タッピングといって、自分の肋骨のところを20回ぐらい指でタップし深呼吸すると落ち着いてきます。
幸せな大人になるのは、楽しいことを誰かと共有するのも良いです。趣味があること、推しがいることは、とても価値のあることです。マニアックで恥ずかしいからといって、親御さん達は潰さないでください。好きなことや推しは、その子の気持ち的に厳しい時を救います。
大人になる上で、生徒の皆さんに気を付けてほしいことがあります。犯罪に当たる行為をしてはいけません。特に気になる女性がいても追いかけてはだめです。あと、やっていけないことをして「ごめんなさい」で許されなくなるのが大人です。ダメと言われたことはダメ。一度行動をストップできるということが大事になってきます。
親御さんに向けてお伝えしたいことがあります。いわゆる8050の問題、80代の年金生活の親御さんが50代の引きこもりの子どもの面倒をみているという相談を受けるようになりました。親がいなくなった時、子どもはどう生きていくか。それは親が決めるのではなく子どもが決めていくことです。
親御さんが元気なうちに、1人暮らしをするのか、実家で家事を分担しながら生活するかチャレンジしてほしいと思っています。本人が自己決定できるようにしていくことが、大人になってからの支援になります。

第2部 代表生徒プレゼンテーション

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さくらんぼ教室の生徒3500人を代表する生徒が「学び」「好き」「自立」をテーマにそれぞれプレゼンテーションを行った。会場となった日本教育会館1階の一ツ橋画廊では「さくらんぼアート展」を開催。さくらんぼ教室が監修を担当したTBSドラマ「ライオンの隠れ家」に協力したアーティストの作品も展示された。


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