
AJC(全国学習塾協同組合)森貞孝理事長の最新教育情報 第95回
性犯罪から子どもたちをどう守るのか?
日本版DBSが実施に向かってカウントダウンに入ってきた。こども家庭庁が積極的に動いて性暴力についての考え方や法律がまとまりつつある。
ところで具体的になるにつれて首をかしげざるを得ない問題点が生じ始めているように思えてきた。
もともとDBSとはイギリスで行われている「子どもに性犯罪を行った大人が、以後子どもたちの集まる学校等で職業に就くことが出来ない」というものだと理解している。ほかの犯罪と違って、性犯罪は再犯の度合いが非常に高いといわれて、日本でもいろいろな形で犯罪防止に取り組んできた。例えば県によっては、性犯罪者はコンピューター上で現在地が確認できたり、電車にも女性専用車があったり、車内広告の中に「痴漢行為は犯罪です」というものがあったりしている。今回の日本版DBSはそうした問題点をすべて払拭できるものとはいいがたいのではないか。
現在での試案では、性犯罪で有罪になった場合であっても、即やめさせるのではなく、いとま特約というものを考えて後任が決まるまで、あるいは一定の期間スムーズに移行できるまではそのまま続けるという。さらに有罪になっても判決の内容によって、期間を定めて、以後は平常に勤務できるようにするらしい。
もっと言えば有罪にならない場合はそのまま野放しでいいのか。痴漢行為をしても平謝りに謝って、学校でも悪いイメージを持たれたくないため、隠したり、無かったことにしたりするケースが過去にはいくつもあった。そう考えると、犯罪行為をした本人の人権の問題もあるとは言うものの、痴漢や盗撮、のぞきなどの行為は判決まで至らないで、厳重注意程度であれば、そのあと野放しになるのではないか。
今までかなり厳しく注意し子どもたちの周りからそのような行為をする大人たちを遠ざけようと考えてきたのだが、今後どうしていけばいいのか戸惑っている。
当組合は一般的な塾団体とは別に、厚生労働省に申請して、無料職業紹介所の資格を取得し、現在塾の講師をしたい方に斡旋をしている。
そのような関係で、ハローワークの主催で研修会が4月にあって参加したところ「採用と人権」という小冊子を配布して募集する際にしてはいけないことをいろいろ話されたのだが、そこに「LGBT」という言葉が出てきた。今の時代女性同士、男性同士が婚姻の届を出して世帯を持つことが認められて、そのことを採用の際の採否の条件にすることは人権の問題として、してはならないことになっている。東京都の場合、半数近くの区がそのような形での婚姻を認めているようだ。従来女性同士や男性同士が一緒に暮らしても一つの所帯として認められず、相続や扶養手当が認められなかったものが届を出すことによって認められるようになったことは大きな進歩かもしれない。一方でそういう性に関することが採用時の人権問題となった場合、日本版DBSでの扱いはどうなるのか。
実際に生徒たちを指導する人がそのような性向である場合、親が知ったらどのような行動をとるだろうか。
決定したわけではないが子供たちをどのように守っていくかについての対処法に頭を悩ますことになりそうだ。

































