
中・高校生対象「プログラミング講座」
ベネッセが学習塾向けにリリース
プログラミング的思考の育成から共通テスト「情報Ⅰ」対策まで
小・中学校では「プログラミング」、高校では「情報Ⅰ」が必修化され、2025年度からは大学入学共通テストに「情報Ⅰ」が出題されるなど、デジタル技術の知識・スキルのニーズは急増している。
株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山県岡山市/代表取締役社長岩瀬大輔氏)は、2021年度より小学生向けにプログラミング教材を提供し、今年4月には中・高校生をメイン対象とした講座を開講した。
さらに、7月には学習塾向けに中・高校生版のプログラミング講座をリリースする。短時間設計で楽しく取り組めるレッスンはそのままに、より本格的かつ実践的なスキルが身につく講座として注目が集まっている。開発担当者らを取材した。
理論と実践の2軸で学ぶダブルカリキュラムが特長
プログラミング学習は情報活用能力と論理的思考力を育み、各教科の学びをより確実にするものとして、従来の小学生版のみならず中・高校生にも必須だと言える。これを見据えて、中学生をメインターゲットとする「プログラミング講座 アプリ開発」と高校生をメインターゲットとする「プログラミング講座 Web制作・AI入門」の2講座が、学習塾向けに開講される。
「2講座いずれも、プログラミングの実学にあたる〝実践的な学習(プログラミングレッスン)〟と、情報セキュリティやビッグデータの活用、プレゼンテーションなど『情報Ⅰ』や『情報Ⅱ』にあたる〝理論的な学習(情報レッスン)〟のダブルカリキュラムが特長です。
中学生向け『アプリ開発』のプログラミングレッスンは、1回約10分で動画を見ながらノーコードツールを使ってアプリを開発します。目的に合わせて画面の順番やボタンの位置を変えるUI・UXなど、コーディングなしでデジタルプロダクトの構造自体を学習します」
概念や設計の部分を理解した上で、2年間で8つのアプリを作り、講座終了後も続けたい場合にはそのまま活用できる実学寄りのツールだ。
一方、中学生向け「アプリ開発」の情報レッスンは、身近なテーマをもとに用語の意味や背景をキャラクターが説明し、初学の場合でも「情報Ⅰ」の先取り学習に取り組むことが狙いだ。
「『新しい社会/情報の特性』のステップ1から始まり、『文字のデジタル表現』、『情報の暗号化/情報システム』など『情報Ⅰ』の内容を段階的に習得しながら、アプリ開発のベースになる考え方が身につきます。
数学・理科・社会で学習する統計やビッグデータによる課題解決など、『総合的な探究の時間』の要素も組み合わせて、教育ソフト会社ならではのベネッセの強みを発揮しています」
「情報Ⅰ」を学ぶ高校生向けニガテ集中対策や予想問題
高校生向け「Web制作・AI入門」のプログラミングレッスンでは、1回約15分でWebサイト制作の基礎となるHTML・CSSの理解とプログラミング言語「JavaScript」やAIの基礎となるプログラミング言語「Python」コーディングスキルを実践的に習得する。
「入試対策に留まらず、将来的にも役立つコーディングの体験ができます。Webサイト制作の基本を学ぶと、正規のサイトをコピーしてフィッシングサイトが作れてしまう理由が感覚的にわかるようになります。ユーザーとして仕組みを理解しているかしていないかでリスクの分かれ道になるため、自分の身を守るとともに、デジタルが便利なものであることももちろん学んでほしいと思っています。
高校生向け「Web制作・AI入門」の情報レッスンは、定期テスト対策や大学入学共通テスト対策ができるカリキュラムだ。
「ニガテ集中対策をはじめとして、『情報Ⅰ』の入試分析を含めた確度の高い演習問題や予想問題を用意しています。また、高1で『情報Ⅰ』を履修した生徒が、本格的に入試対策を始める高2の後半頃に中学生版の「情報レッスン」から学習して振り返りをする方法もあります」
主に中学生版はインプット、高校生版はアウトプットの形で『情報Ⅰ』対策ができる。さまざまなニーズに応えるべく全レッスンがどこからでも始められ、小・中・高校の垣根を飛び越えてスキップも可能な設計となっている。
教科成績の伸び幅が拡大 発達段階に合わせた3講座
「進研ゼミ小学講座『プログラミング講座』受講者を対象に行った、教科成績への影響や相関の調査によると、受講期間が長いほど4教科総合成績の伸び幅がより拡大するというエビデンスが出ました。プログラミング学習のステップは勉強の組み立て方と類似しているため、他の教科にも興味を持ち、成績が上がることが推測されます。
開発チームのこだわりは、あくまでも子ども用に作られた講座である点です。ゲームだから楽しいのではなく、各界の専門家の監修のもと発達段階に合わせてブレイクダウンして、小・中・高校生の知的好奇心に落とし込んでいます」
まさに、子どもたちが〝自分ごと化〟できる教材によって、大人の想像を超えるほどどんどん自走していくのだという。
「プログラミング講座を4年間学んだ小学5・6年生に、共通テスト『情報Ⅰ』の問題を解いてもらったところ、論理的思考力が着実に育まれていることが明らかとなり、目の前の情報を使って自分なりに答えを出すことを厭わない粘り強さも身についていました。
また、『プログラミングレッスンと情報レッスンのどちらが好きか』というアンケートの結果は、ほぼ半々でした。つまり、学習塾にとって市場が2倍になる可能性があると言えます。先生方の専門知識は不要で開講が可能です。体験会では、ぜひ保護者の方も含めて体験していただくのがおすすめです」
今後は、ベネッセの強みである「アセスメントの結果を効率的に学習に活かしていきたい」と意気込みも語られた。
例えば、誰もが使いやすいアプリを開発して、ユーザーの生産性をあげる提案ができるような、日本を牽引する逞しい子どもたちが育っていくことを願っています」
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