
AJC(全国学習塾協同組合)森貞孝理事長の最新教育情報 第90回
塾運営のためにビッグデータの活用を
ICTが今ほど身近に感じられる時代は過去になかった。というよりどんどん生活の中に入り込んできて、知らず知らずのうちに使っているケースが増えてきているのだ。そのような時代の移り変わりの激しさは戦中派というか昭和12年に生まれてアメリカのボーイングやロッキードの爆撃を見、疎開して戻った時の新宿の焼け跡などを見てきた私などには、全くの別の世の中がどんどん迫ってきて、もうお前なんかの時代ではない、さっさと消えろと言われているように思えるほど変化が激しいのだ。
そんな大きな時代の変化を目の当たりにしながら、実はこの3月5日と6日に、生産性向上支援訓練の講座で私はビッグデータについて話をすることになっている。
今から6、7年くらい前に日本中の小学校・中学校の生徒数を学校別学年別に見つけた時はびっくりした。こんなものは見てはいけないのではないか、何かのはずみでうっかり出てしまったのではないかと、恐る恐る見たものだ。
5年ほど前には各市町村の子どもの出生数を年度毎丁目別にまとめた統計を見つけてこれも必要なところはデータとして利用させていただいた。塾をやっている身にとっては今から5年後、10年後、15年後の塾の近くの生徒数の予測が出来る。猛烈に増えている地域もあれば、団地で子どもがほとんどいなくなっているところもあるのが一目瞭然なのだ。
今コンピュータの活用がどんどん進んで世界中であらゆる分野で作られたデータを基に高精度な予測や分析が進んでいるのだ。
私が見つけたと言っているのは、実は国や地方公共団体が提供するオープンデータで、誰でも特定のデータが一切の著作権、特許などの制限なしに自由に利用加工できる、官民データ活用推進基本法があってオープンデータに取り組むことが国や公的団体に義務付けられているのだ。
残念ながら語学力さえあれば、今世界中のあらゆるデータが手元に届く時代になっている。調べようと思えば何でも調べられる時代なのだ。
こんなビッグデータが利用できるようになって6年経った。テレビでMLBのドジャースの試合を見ていると、ツーシームだとか、フオーシーム、カットボールなど本当によくわかるものだと思ったりする。初めはプロ野球の専門家が傍にいてアドバイスを受けているのかなと思ったりしていたがホームランは初速174キロ、角度35度飛距離128メートルなどと話している。すべてビッグデータが瞬時に算出するもののようだ。時代とともにテレビの見方も変わってきているのだ。
さらに足の位置、腰の角度など徹底的にデータを取り出して解析する時代が来るような気がする。それはそうとビッグデータ5年を過ぎていろいろな分野で過去の実績から新しいものが生まれつつあるようだ。
教育の世界も学習塾の世界も積極的に活用して生徒たちのために、成績データを作るために、将来の塾経営に役立てるために、可能性を探っていきたい。
そんなことを考えて、3月5日からの生産性向上支援訓練で、どんなビッグデータかあるのかを抜き出しながら、新しい時代の流れを考えていきたい、いいアイデアか浮かぶとか、オープンデータに思いもかけない資料があれば最高なのだが。