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NEA学習会 思考力、表現力を育てる新しい授業の作り方

2022-12-01

「国語の成績は観察力で必ず伸びる」著者
久松 由理氏 招聘講演
21世紀の新学力観にアップデートしよう 思考力、表現力を育てる新しい授業の作り方

「子どもたちの未来を輝かせる指導方策の拡充」「民間教育機関の持続的発展」を共創する業界プラットフォームの構築を目指す一般社団法人教育アライアンスネットワーク(NEA)。
好評を博した「令和の国語力・記述力セミナー」にてご紹介した『国語の成績は観察力で必ず伸びる』著者 久松 由理氏にご講演をご依頼し、令和の国語力・記述力育成について、塾の皆さまと考える学習会を10月11日(火)に会場とオンラインのハイフレックス方式で開催。講演内容の概要をご紹介する。

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■久松 由理氏
合同会社 イデア代表/イデア国語教室 主宰
元報道記者。若者の国語力低下に危機感を抱き、2010年、高知県高知市に「読書と作文」の個別指導教室を開設。独自の「読みグセ改善トレーニング」を開発し、国語偏差値40~ 50台の生徒が60~70台へ躍進。名だたる難関校に続々と合格するようになる。国立大学医学部総合型選抜では2021、2022年度入試で2年連続合格率100%。慶應義塾大学AO入試の合格率も開室以来100%と新入試への強さに定評がある。今春、東京・三田に新教室開設。著書に「国語の成績は観察力で必ず伸びる」

日本に混在する2つの学力観

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日本には、現在2つの学力観が混在しています。一つはテストで点数をつけることができる学力、数値化できる能力。「見える学力」といいます。もう一つは、従来のテストでは測ることができない思考力・表現力・判断力、学ぶ意欲、幅広い教養、発信力などの「見えない学力」です。日本では戦後、見える教育偏重で子どもを評価してきましたが、2010年以降、学習指導要領が大改訂され、見えない学力を含めて子どもを評価する方向に舵が切られました。
ところが10年以上経った今も、教育の現場では、未だに見える学力偏重の指導が続いているのが実情です。見えない学力をどう育てたらいいかわからない、非認知能力の評価方法がわからないという教育現場の混乱があるのではないかと推察しています。

見えない学力(非認知能力)を育てる3本柱

当教室は開設当初から、暗記詰め込み型の入試教育に背を向け、見えない学力の育成に専心していました。ところがオープン翌年、新学習指導要領が施行され、はからずも新入試に強い塾になったのです。これから重視される新学力「非認知能力」を私の教室では次の三本柱で育てています。
① 年間100冊目標の読書
② 作文指導(絵日記から小論文まで)
③ 読みグセを改善「観察力トレーニング」

国語の苦手な子の3タイプ

国語の苦手な子は、国語の得意な子にはない読みグセを持っています。その読みグセは大別すると次の3タイプになります。(1)飛ばし読みタイプ(文字の拾い読み)語彙力のなさから飛ばし読みする(2)主観読みタイプ(自分勝手な解釈で話を作り変える)内容を正しく受け取れない(3)文字通り読みタイプ(書かれていることしか読みとれない)行間が読めない。こうした読みグセを改善するのが『観察力トレーニング』です。

読める子書ける子を育てる観察力トレーニング

● 飛ばし読みタイプ(文字の拾い読み)の改善

まずは目の前の情報を見落とさず、きちんと見る「気づく目」を磨くことです。国語の苦手な子は世界をボーッと見ていますが、国語の得意な子は身の回りの事物をよく観察し、小さな違いを発見して、言葉で世界を分類整理することができています。気づく目を磨くと細かいところに目が向き、語彙力や一般常識力も身につきやすいため自然と読み書きも得意になるのです。
この目を養うには、目の前のことをきちんと見ないと書けない作文課題を出すことです。例えば、絵や写真を見せ、その中の人や動物が何をしているかを観察させ一文(いつ・どこで・だれが・なぜ・どんなふうに・なにをした)で書かせるのです。

● 主観読みタイプ(自分勝手な解釈で話を作り変える)の改善

この読みグセを持つ子は、主観が強く、広い視野で物事を見ることができません。自分の考えに固執するため、意見や価値観の違う人の話や文章を理解することが苦手。人に教わった新しいやり方に飛び移ることも難しく、学習ペースが遅くなる傾向にあります。
この読みグセの改善には相当な手間暇がかかりますが、パッと見るだけでは理解できない絵画を観察させたり、単純には読み解けないトリックのある文章を読ませたりして、主観を取るトレーニングをします。そうして、自分の「ものの見方」だけが真実ではないと気づかせることで、自分とは違う意見も受け入れられるようになりますし、物事を多面的に見ることができるようになります。視点の転換トレーニングを繰り返すと、一つの事象でも立ち位置によって見え方が変わり、見る人の数だけ正義があるということを経験的に学ぶのです。

● 文字通り読みタイプ(書かれていることしか読み取れない)の改善

物事の本質を捉えることができないこのタイプの子は「見えないものを観る目」が磨かれていません。つまり、行間を読むことができないため、文中に書かれていない筆者の真意や主人公の心情などを文章から読み取ることができないのです。この改善にも、いろいろなトレーニング方法がありますが、一つご紹介しましょう。

「ある時計台の歴史」 
杉 みき子 著 あらすじ

ある町に美しい鐘の音で人々を和ませる白い時計台があった。戦争がはじまるとその鐘を鳴らすことは禁じられ、空襲の標的になるからと真っ黒に塗り替えられた。
やがて戦争は終わるが、時計台は元には戻らず取り壊されることに。街の人々が別れの会を開いたその夜、時計台は12回鳴り、最後の力を振り絞ってもう1回鳴って永遠に沈黙した。

この文章を読んで、なぜ時計台が13回鳴ったのかを読み解かせます。普通に読んでいてもさっぱり意味が分かりませんから、時計台を建物ではなく、意識ある人のようなものだと思って深読みに誘導していきます。そうすると、物語のテーマがここに隠されているのがわかりますね。そう、平和という漢字は13画。こうした読みができるようになれば国語は怖いものなしです。

読み書きの力こそ生きる力

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新学力である思考力・表現力を伸ばすには、作文やスピーチなど、思考を言葉で表現させることが大切です。国語は五感のみならず、目には見えない人の感情や動物、物の意識にいたるまで、五感を越えて感じることのできる全てを言葉で表現する科目。だからこそ、感じて、考えて、書く、話す、この言語体験を重ねることが重要なのです。
21世紀を生きる子どもたちにとって、読み書きの力こそが「生きる力」です。知識を暗記することが勉強だという古い学力感を手放し、読める子書ける子を育てましょう。


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