学校・学習塾へのオンライン英語システム提供をスタート

サテライトネット
飯島剛介 代表

小中高校生を対象に教育サービスを提供する株式会社サテライトネット（埼玉県熊谷市）と、オンライン英会話を運営する合同会社WiLLies　English（神奈川県川崎市）は、新たに英語4技能学習システム『WiLLies　ENGLISH（ウィリーズイングリッシュ）』の提供をスタートする。
そこで、サテライトネット代表取締役の飯島剛介氏と、システム開発者であるWiLLies English代表取締役の田中茂氏の両名を取材。英文法を指導する予備校や塾とも、会話を楽しむ英会話教室とも異なる、英語4技能学習システムの概要や今後の展望などをうかがった。

受験・検定・先取り学習に特化した英語4技能専門塾

2009年にスタートしたサテライトネットは〝進学塾のデパート〟をコンセプトに、埼玉県・新潟県・長野県内で21教室を構える。代ゼミサテライン予備校をはじめとして、個別指導塾やプログラミング教室など4つのブランドを展開している。
「英語4技能対策に特化したコンテンツの導入を検討する中で、WiLLies　Englishのメソッドに出会いました。サテライトネットの学習形態に合わせてコースやカリキュラムを独自に最適化し、英語4技能専門塾『WiLLies　ENGLISH』ブランドを新たに確立しました」（飯島代表）
受験や外部検定試験で圧倒的な結果を出す〝専門塾〟の展開を飯島代表が提案したところ、田中代表はこれを快諾。将来的な経営統合などを見据え、英語4技能学習システム『WiLLies　ENGLISH』を学習塾や学校に提供する共同事業の推進を目的に、今年6月に業務提携を行った。満を持して、2023年春から学校・学習塾への提供が本格稼働する。
WiLLies English社はもともと、大手企業にもサービスを提供している。サテライトネットとタッグを組むことにより、学校や学習塾業界への展開ルートの拡大が狙いだ。一方、サテライトネットはこれまで自社で培ってきた英語4技能専門塾のノウハウを活かし、学習塾における運用のサポートを行っていく。

〝私の生徒〟と呼ぶ担任制6つの領域を養うメソッド

フィリピン・セブ島の講師陣

『WiLLies ENGLISH』はフィリピン・セブ島の講師陣とオンラインでつなぐ英会話授業システムだ。研鑽を積み重ねたハイレベルな講師による担任制が最大の特長だと、田中代表は強調する。
「〝いつもの先生〟が生徒の成績向上を〝点ではなく線〟で把握し、指導します。毎週決まった時間に担任の先生に宿題の成果を見せるなど、英語の習慣づけに最適な環境です」（田中代表）
講師一人ひとりが、〝私の生徒〟という高い意識で生徒に向き合っているという。
世に数多あるオンライン英会話を導入する学習塾や中学・高校は増加したものの、期待された効果が上がっていないのが現状だと、田中代表は指摘する。

WiLLies English　田中茂 代表

「『WiLLies　ENGLISH』は4技能を高めるために、インプットをしながらアウトプットを実践するメソッドです。インプットは音声認識力、文章認識力、意味理解力、アウトプットは要約力、発話力、文章力の6つの領域を鍛えていきます。こうしたメソッドは他に類を見ないと自負しています。レッスンでのインプットと定着化トレーニング（音読）を継続することで、英語を英語のまま理解し、試験時間の中で膨大な量の英文を理解して適切に処理する英語脳を養います」
実際、サテライトネットに在籍する高校生に対して、模試や共通テストでのリスニングテストの成績追跡を実施したところ、半年以上『WiLLies ENGLISH』を受講した生徒は、非受講生に比べて2倍以上得点が向上し、成績の伸びが顕著だ。また、1年以上継続した生徒は安定的に高得点を獲得するという成果も出ている。

他のオンライン英会話と一線を画すカスタマイズ性の高さ

授業風景

『WiLLies ENGLISH』は各学校・学習塾のニーズに合わせて完全オーダーメイドが可能だと、飯島代表は自信を見せる。
「レッスン時間は15分以上50分以下と可変性が高く、自由に設定できます。単なる英会話レッスンではなく、大学入学共通テストや高校入試、英検、GTEC、TOEICなどにも対応しています。学校であれば留学前の会話力強化にも効果的です。標準的なのは4技能養成コースですが、生徒の学習目的に合わせてコースを選定したり、時には要望に応じた新コースを開設したりすることが可能です。また文法対策の対面指導と組み合わせた授業を展開するなど、カスタマイズ性が非常に高いことが最大の特長です」

提供するのはオンライン授業だけではない。授業外での課題をスムーズに行えるよう提供しているシステムが、「シャドーイング」アプリと「英作文道場」だ。
「毎日の音読を促す『シャドーイング』は、音声認識AIシステムでネイティブの音声と生徒の音読を比較して採点します。『英作文道場』は外国人講師が精度の高い英語力で英作文を直接採点するサービスで、入試前や検定試験前に効率的だと生徒に好評です」（田中代表）

シャドーイングアプリ画面

さらに、飯島代表は付け加えた。「オンライン英会話システムで宿題や授業外の学習コンテンツなどを提供しているところはほとんどない。効果を実感できることが生徒の成功体験につながると思う」
『WiLLies ENGLISH』の導入にあたって、各塾のブランド名を冠することができる。レッスン時間や金額も自由に設定可能だ。加盟金・教室登録料・初期研修セット・月額システム費用は無料。レッスン料金は25分×月4回で3200円、50分×月4回で4800円と良心的な価格設定となっている。
現在、小学生向け「WiLLies ENGLISH」オリジナル教材も刷新中だ。学校における外国人講師との対面集団授業を補い、一人ひとりの発話量を増やすことができるため、小学校での導入にも有効なコンテンツとして期待ができる。
最後に、飯島代表は意気込みを語った。「『WiLLiesENGLISH』を国内シェアナンバー1にして、やがては非英語圏の世界に広めていきたいと考えています」