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サイタオープンカレッジ 親が知らない令和の教育事情 目標を作らなくてもいい?

2022-05-02

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○ファシリテーター○
株式会社サイタコーディネーション
サイタコーチングスクール 主宰
代表取締役 江藤 真規 氏

○登壇者○
石川 一郎 先生
関谷 昴 さん
前田 智帆 さん
○主催○ 株式会社 サイタコーディネーション
○共催○ 株式会社 塾と教育社
○後援○ 一般社団法人 教育アライアンスネットワーク

保護者コーチングで知られる株式会社サイタコーディネーション(江藤真規代表、東京都新宿区)は、子育てや教育をともに考える場づくりを通して、“ 教えあい、学びあい、伝えあう” 活動を実践している。その一つ「サイタオープンカレッジ」を、今年1月に新春イベントとして開講。大好評につき、第2回目を3月31 日(木)、オンライン形式で開催した。
子育て中の保護者の方、教育機関で仕事をされている方、講師として子どもを指導している方などが一堂に会し、チャット機能も活用しながら意見を交わし豊かな時間を共有した。

[基調講演]
2022年 大学入学共通テストと高校入試から見る社会変容
石川 一郎 氏 (聖ドミニコ学園カリキュラムマネージャー)

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現在、大学入試に注目しながら、いろいろな学校の教育改革に携わっています。順天堂大学医学部(一般A方式 小論文)では『2億5000万年後の地球は、このような一つの大陸になると予想されているが、ここではどんな世界が広がっているだろうか?』という問題が出題されました。「正解は何だろう?」と考えがちですが、地理や地学の時間に学んだ大陸移動説のメカニズムや国境の概念など、すでに教わった知識をどう活用するかがこの問題のテーマ。知識をどう使うか、知識をどういう背景で与えられたか、それが入試改革で問われているのです。
大事なのは、日常の事象に対する課題を発見していく学びとプロセス。資料やデータを読み解き、意味付けをする。現代の大学入試は、テストで終わるものではなく、世の中に出ても通じる、社会の変化を意識した問題を扱っています。
教科別に見てみると、例えば英語では、情報処理や考える力が問われており、数学では、世の中の事象を数学的に解釈する力が求められています。社会では、あふれんばかりの情報の中で、自分の頭で考え読み取る、その過程が問われています。高校入試でも世の中の事象を意識しています。ベースとなるのは学校の授業。そしてこれらがリンクしている日常です。
トレーニングに効果的なのは「明日の学力」診断(「あすがく」)。考えるプロセスについて、足りてない箇所を見える化する問題になっています。考えたり迷ったりする過程も含めて、子どもが自己肯定感を下げないよう、受け容れてあげてください。

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[スペシャルセッション]
●関谷 昴 氏

東京外国語大学言語文化学部英語専攻卒業。在学中にフィリピンでの教育支援活動や世界一周の旅、世界青年の船などグローバルに活動。ローカルの重要性に気づき現在東京府中市でまちづくり会社や多文化共生施設のコーディネーターを務める。多角的な視点で街や学びの場を模索している

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●前田 智帆 氏
AO入試で津田塾大学学芸学部国際関係学科入学。
卒業後JICAを通じて2度に渡り(2年8カ月)セネガルに赴任。
大学3年生でセネガルに訪れてからアフリカに魅了され数々の活動に従事。現在大阪の太平洋人材交流センター勤務。NPOにて途上国の人材育成事業に関わる

江藤真規氏(以下 江藤氏) 入試が変わることに対してどうお考えですか?
前田智帆氏(以下 前田氏) 試験問題が変わるというのはものすごく大変だと思いますが、テストに向き合う過程でいろいろな勉強をし、興味を深められる。その過程が次の高校、大学につながると思うと羨ましいです。
関谷昴氏(以下 関谷氏) 今までは公式を覚えないといけない、正解を知っていないといけない圧力みたいなものがあったと思う。それが、より好奇心を湧かせる学びに変わってきている。正解があるんだと思い込み、価値観の転換ができないと苦しいかもしれません。
江藤氏 私自身、仕事をさせていただく中で、上手な目標の作り方を書いたり取材を受けたりします。やる気を高めるために目標って必要ですか?
石川一郎氏(以下 石川氏)ゴールポストは、変わってもいい。一人でやれることは限られているから仲間と集まり、今回はこういう目標を持とうとか。テストで何点以上! とかあるけど、そういうことではなく、学んでいって結果が出てきたという話なんじゃないかな。
関谷氏 自分の内的なものがあって初めて、目標が浮かんでくる。みんなが富士山がいいっていうからとりあえず富士山に行ってみるというのでは、なんで富士山に行くのかわからない。それよりも自分が好きな鳥がいる森に行ってみたい、見てみたいとなればその森は目標になる。
江藤氏 内的なものを大切にするのはすごくわかりますが、なんの景色も見ない、見ることすら思いつかないこともあるのが現代社会。親はどんな声かけをすればいいんでしょう?
石川氏 なんでもいいから、ちょっとでも興味を持ったことを広げてあげる。親の役目とは愛すること。何かあったら私のところへ来なさいと。無理やりやらせるのではなく、子どもが興味を持ったことを口に出して言えるところから始めてほしい。

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江藤氏 探求してみる、親子でディスカッションしてみるなどですね。前田さんと関谷さんは、どのようにして今のエネルギー源となる目標を見つけられたのですか?
前田氏 私はもともと、「こうだったらいいなあ」という妄想が得意。それをSNSに書き、誰かに話すことで「もっとこうしてみたらいいんじゃない?」と形にしてくれる人、筋道をつけてくれる人がいる。子どもに合わせて親や学校の先生、塾の先生がサポートするために声かけしてその子の考えをつくっていく、導く、積み上げていくのが必要だと思います。
関谷氏 「散歩型人生」と言っているのですが、どこかを目指すのではなく、とりあえず今行きたい方向に歩き出してみる。その中で見えてくるもの、聞こえてくるものが必ずある。その中で、自分がより好きそうな方向に歩いていく。その先に見えてくるものが目標になります。
江藤氏 新しいことを始めるには、リスクとチャンスがある。そのあたりはどうですか?
石川氏 子どもたちは、それなりに自己修正力を持っている。小中学時代はできないことが多いし、リスクを伴った経験というのはむしろできない。そのぐらいやってもいいよとドンと構えているくらいでいい。そこで自己判断できるということは大切だし、本当に煮詰まっているときは、何をもってしても助けてあげるのが親。そのくらいの感覚でいいと思います。
江藤氏 親子関係は固定化してしまっているので、塾や学校の先生、年齢の近い先輩のほうが話し相手にはいいですよね。子どもが成長するプロセスの登場人物は多ければ多いほどいい。教育機関の方々が入ってこられると豊かになりそう。
石川氏 学校には限界がある。一人ひとりの本音を常時聞き出せるかというと、そういう場でもないし、親御さんとしては限られた情報しか出せない。塾は子どもの姿がよく見える場所、親御さんと先生の距離も学校より近い。
江藤氏 親の役割は、ただ受けとめるだけでいいのかというとそうでもなく、子どもに伝えていく役割はあるんじゃないか。心理学者の内田伸子氏は「強制型しつけ」「共有型しつけ」、2つの概念でとらえています。社会が変わり、みんながのびやかに生きていける時代になったのだと親世代も受け止めていったほうがいいのかもしれません。
世代を超えて話すこと、そしてチャットでみなさんがアウトプットしてくださった課題や悩みも共有でき、立体的なセミナーになったと思います。楽しい時代に生きていることに感謝しつつ、未来を向いて〝教えあい、学びあい、伝えあう〟時間を今後も設けてまいります。本日はありがとうございました。


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