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2021年NEA後期学習会「2021年度 高校教科書解説」

2022-01-05

高校新学習指導要領の変化を高1継続への起爆剤へ!

■講師■
株式会社 エデュケーショナルネットワーク
R&Dセンターチーフアナリスト 上野 伸二 氏

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2022年度から導入される高校の新学習指導要領の変化に伴い、高校教科書が改訂される。NEA教育アライアンスネットワーク(下屋俊裕理事長)では、教科書の改訂と大学入試改革とともに動いていく現時点での最新情報をNEA会員塾関係者と共有。
中3生のみならず、中1、2生、あるいは小学生の保護者などに向け、発信できる価値ある情報を株式会社エデュケーショナルネットワークR&Dセンター チーフアナリスト 上野伸二氏が解説した。

教科書改訂のスケジュールと本格的入試改革への流れ

大学入試改革を推し進めるにあたり、学習指導要領に合わせて入試問題を変えた方がいいのではないかという議論がされるようになった。2022年度には、高校の学習指導要領が大きく変更されるため、現在の中3生が大学入試改革を迎える最初の学年である。そのことをしっかりと保護者、生徒に伝えることが重要だ。小学英語の必修化や今年の中学校教科書改定などの流れが、大学入試改革につながっていくことを改めて確認する必要がある。

高校学習指導要領 各教科の変化のポイント

[国語]

今回の改訂では、「言語能力の確実な育成」が重要な改善点としてあげられており、科目構成が全面刷新される。現行の「国語総合」「国語表現」「現代文A」「現代文B」「古典A」「古典B」から、「現代の国語」「言語文化」「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」に変更。必修科目が「現代の国語」と「言語文化」の2単位ずつであるため、高1はこの2つ。高2、高3は「論理国語」「文学国語」「古典探究」がそれぞれ4単位。
「現代の国語」では、評論文と実用的な文章が入っており、実社会や実生活で生かせる国語の能力を育成。「言語文化」は、上代(万葉集の歌が詠まれた時代)から近現代につながる、我が国の言語文化への理解を深める文学的文章、古典、漢文で成り立っている。

[社会]

現行の「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」から「地理総合」「地理探究」「歴史総合」「日本史探究」「世界史探究」に変わる。現行では世界史が必修、かつ日本史・地理のどちらかをとって必修4単位だったが、新課程では「地理総合」と、日本と世界の近現代史を学ぶ「歴史総合」の計4単位が必修になる。
「歴史総合」は、近現代の日本史と世界史という視点で、日本史と世界史を融合した科目となっている。従来、通史として学んでいた日本史、世界史だが、近現代の学習が手薄になりがちだったのに加え、文系の生徒であっても日本史を履修しないケースもあり、改善を求める声が出ていた。新設される必履修となった「歴史総合」は18世紀以降の日本と世界の動向を関連づけて学ぶ。通史としての日本史、世界史は選択科目である「日本史探究」「世界史探究」で学ぶことになる。
「公民」は、現行の「現代社会」「倫理」「政治・経済」から「公共」「倫理」「政治・経済」に変更。必修となる「公共」は、社会に参画する際に必要となる知識や現状を理解した上で、社会の課題と向き合い解決する力を育むことを目指している。科目新設の目的は、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、高校生への主権者教育の重要度が増していることなどが挙げられる。

[数学]

現行の「数Ⅰ」「数Ⅱ」「数Ⅲ」「数A」「数B」「数学活用」から、「数Ⅰ」「数Ⅱ」「数Ⅲ」「数A」「数B」「数C」に変更。前回の改訂で「数C」がなくなり「数学活用」に変更したが、来年の改訂では「数C」が復活。数Ⅰから数Cまでの内容がそれぞれ少しずつ移行しており、数Bでは現行の「数列」「ベクトル」「統計的推測」の3つの柱から「数列」「統計的推測」「数学と社会生活」に変更している。現行は数Ⅲが5単位だが、新しい数Ⅲは3単位。現行の数Ⅲに含まれていた「複素数平面」が数Cに移動するからである。数Ⅲでは現行の4項目のうち「複素数平面」のみが移動するのに対して、単位時間数は40%減少。また、「新設」の数Cには数Ⅲから移動した「複素数平面」だけでなく「ベクトル」が学習内容に含まれることになるため、生徒の実質的な負担は大きくなることが予想される。

[英語]

英語による発信力を重視。4技能を総合的に評価する「英語コミュニケーション」と、スピーチ、プレゼンテーションなどのアウトプットを重視した言語活動を目的とした「論理・表現」の2本柱で構成される。
現行の「コミュニケーション英語Ⅰ」「コミュニケーション英語Ⅱ」「コミュニケーション英語Ⅲ」から「英語コミュニケーションⅠ」「英語コミュニケーションⅡ」「英語コミュニケーションⅢ」に変更。また、現行の「英語表現Ⅰ」「英語表現Ⅱ」「英語会話」は、「論理・表現Ⅰ」「論理・表現Ⅱ」「論理・表現Ⅲ」に変更。来年の英語コミュニケーションにおけるⅠ、Ⅱ、Ⅲの素材は圧倒的にSDGs。世界の課題に対して英語を学習する、そんなイメージになっている。現行の中学校の英語教科書もSDGsを意識している。それが徹底されているのが英語コミュニケーションⅠ、Ⅱ、Ⅲだ。
「英語コミュニケーションⅠ」と「論理・表現Ⅰ」が高1、「英語コミュニケーションⅡ」と「論理・表現Ⅱ」が高2、「英語コミュニケーションⅢ」と「論理・表現Ⅲ」が高3となる。英語会話がなくなっているが、英会話から入って文法や論理を学んでいく。それが論理表現である。文法的な要素の解説はかなり高まっている。
文部科学省では高校卒業時までに学ぶべき語彙数の目標を現行の3 0 0 0 語程度から4000~5000語程度としている。国際的にみて日本の英語力は低いとされていることから、高校卒業時までにCEFRのB1~B2の力をつけることを目標としている。

[理数]

教科横断型の新しい科目として注目される新設の「理数探究」。生徒が自分たちで協働的に研究を進め、論文の形にまとめ発表するというSSH ( スーパーサイエンスハイスクール)での教育的効果が大きかったことから、一般の高校でも取り組めるようにしたものである。
これは「スーパーサイエンススクール」や「理数科」などがある学校で使用する教科書という理解でいいだろう。

[理科]

前回の改訂で大幅に科目編成を行った理科は、理科課題研究(1単位)が削除された以外に大きな変更はない。
 
2025年新課程入試 共通テスト出題教科・科目(案)は、現行6教科30科目から7教科21科目へ変更予定。ただし「情報」の扱いや試験時間など、不確定要素があるため、引き続き情報収集が欠かせない。


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