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NEA主催 教えて越智先生 コロナ禍から塾と子どもを守る

2021-06-01

コロナに負けない!学習塾運営 攻めと守り

「NEA(教育アライアンスネットワーク)」は、少子化社会の進展という背景はもとより、コロナ禍によりさらに厳しい運営を強いられている学習塾が、子どもたちに学びを提供し続けられるよう、シリーズで学習会を開催している。
5月10日(月)に、医学博士の越智小枝氏をお招きし、いろいろな課題と向き合わなければならないコロナ禍において、改めてコロナを学び、情報のアップデートと学習塾での対策を考える。VUCA(変動性、不確実、複雑性、曖昧性)の時代だからこそ求められる最適解、最善解への道を探るきっかけづくりとなる学習会の様子をお届けする。

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【講師】
東京慈恵会医科大学 医学博士
越智小枝(おちさえ)氏
東京慈恵会医科大学 医学博士
臨床検査医学講座 講師
日本環境衛生安全機構 専門家委員会 委員
エビデンス安全基準検証 担当特任医師

エンデミック期を迎えた新型コロナ

2つの軸でマッピングし、塾の形態はどうなっているのかを考える

2つの軸でマッピングし、塾の形態はどうなっているのかを考える

新型コロナウイルスは今までは水際が大事、ゼロにすることが大事だという話があったが、現在、新型コロナはエンデミック期へ突入。
エンデミックの特徴は、一定の地域に恒常的にウイルスが存在し、どこに逃げてもリスクがゼロにならない状況である。日々の感染者数を抑えても断続的に感染爆発(クラスター)が起き、一喜一憂しながら長い時期を過ごさなければならないため、自粛に飽き、感染者数・志望者数の話に飽き、煽るばかりの記事に飽きる〝コロナ倦怠期〟となっている。

改めて新型コロナウイルスとは

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コロナウイルスとは、いわゆる風邪のウイルスであり、一般の風邪の30%くらいにあるウイルスだ。ほかの動物のコロナウイルスが人にうつるようになったため〝新型〟と言い、症状が重くなりやすい特徴がある。
例えば、ジャコウネコ由来のSARSは致死率9%、ヒトコブラクダ由来のMERSは致死率34%。新型コロナはコウモリ由来の可能性が高く、致死率1~2%。致死率が低いから、ただの風邪ではすまされない怖さがある。PCR検査を使っても感染者を100%見つけ出すことは難しく、人にうつしやすい時期は症状が出る前や無症状のときからだ。発症した直後にはPCR検査では陰性になりやすいため、自分でも気づかずにうつしてしまう期間や症状もあるのだ。
重症化・死亡リスクには格差があるが、重症化しやすい人は、糖尿病、高血圧、呼吸器疾患、がんなどの既往症があるのをはじめ、高齢者や認知症、生活習慣が悪いなど、様々な要因があるが、重要なのは暴露量である。
同じように感染したとしても、そのときに吸い込んでいるウイルスの量が多いと重症化しやすい。同じような環境でも暴露量をできる限り減らすことが、一番コントロールしやすいリスクである。

コントロール可能なリスクへの取り組み

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感染リスクの考え方は、これさえあれば大丈夫というのはない。重要なのは、個人のリスクと暴露量という2つの軸で自分がどの辺にいるのかをとらえ、対策を考えることである。塾の生徒は若年層であり、人と接する機会も多くない。一方塾の先生は、高齢者もいるため個人のリスクは生徒よりも高い。生徒が先生と1対1なのに対して先生はたくさんの生徒と接するため暴露量のリスクは高くなる。
予防の原則としては、暴露量を減らす、健康を管理する、全員でリスクを管理してたくさんの防護を行うことである。
大きな飛沫が飛ぶ飛沫感染、小さな飛沫が漂うエアロゾル感染、落ちた飛沫を触り、目・鼻・口をさわることで起きる接触感染がある。感染の水際対策は目・鼻・口をガードするためにマスクをすることだ。ウイルスは触ったから感染するのではなく、手について目・鼻・口をさわることによって感染が起きる。顔をさわらないのを原則にする。

〝3Mダラリ〟をなくそう!

様々な対策をすべてやっていたら燃え尽きてしまうため、〝3Mダラリ〟をなくすことが推奨されている。3つのMとは、【ムダ】何かを触るたびに消毒して手がボロボロになる。効果が高いという装置を買う、換気がいい場所に空気清浄機を置く、パーテーションを置きすぎて換気が不良になるなど【ムラ】手袋をして鼻を触る。マスクからずっと鼻が出ている。常勤の職員には対策を指導するが、非常勤のスタッフや生徒には教えていない。外食禁止と言いながら職員の休憩室は消毒されていないなど【ムリ】多すぎる、忙しすぎる、厳しすぎることなどである。環境に応じてチェックリストを作り、すべての項目が8割ほど守れる程度の対策を取るほうが、一つの対策だけを完璧にやるよりも効果がある。『日本環境衛生安全機構ガイドライン』を参照されたい。

学習塾で必要な対策

学習塾では、先生と生徒が近い距離で会話をせざるを得ない。密を避けられない構造の教室や換気しにくい造りの教室も多い。不特定多数の人が出入りするため、この中でゼロにするのではなく、〝なるべく減らす、可能なかぎり減らす、いろいろな方法で減らす、みんなで減らす〟ことが大事である。感染経路としては、外部、職員のバックヤード、そして教室に分けられる。現場や外からのウイルスの持ち込みを予防するのが健康チェックや体調管理であり、その際には学校での感染状況も報告してもらうといい。バックヤードから教室への感染予防としては、マスクや換気、教室のデザインがある。休憩室における対面での食事禁止および対面でも距離をとり、食後は必ず消毒や換気をする。教室内の生徒同士の感染予防としては、なるべく教室内では喋らないこととパーテーションを置くことだ。

弱い防護を何重にも重ねることで、一番強い方法になりうる

多重防護という考え方がある。弱い防護を何重にも重ねることで一番強い方法になり得るのである。不安なときだからこそ、こういう対策が必要ではないだろうか。先生だけが頑張っても、生徒がウイルスを持ち込んでしまったら仕方がない。人に害を与えるリスクは我々が生きている間、一生ゼロにはならないのである。リスクをわかった上で先生方が知っている感染対策を生徒や保護者に話し、他害のリスクを共に理解し合い、協力し合うことが大切である。


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