株式会社インサイト・ジャパン　塾エイド　代表取締役　鴨志田 順 氏

塾エイドは、「塾の成功と学生の成長を両立させ、より広く価値を提供したい」という目的・志のもとに主体的に集まり、相互に協力して地域教育に貢献するための塾・スクール経営の組織。会員同士の横のつながり、塾エイドと会員の関わりを通して、最大限の効果的な塾経営に貢献していきたいという。　具体的な話を、鴨志田順代表に伺った。

お互い情報交換をし合いながらの協業を

塾エイドの鴨志田代表は、個別指導塾2店舗を経営。その傍ら塾エイドを立ち上げ、現在約40塾が加盟しているという。「昨年の10月から無料でオンラインセミナーをやらせていただき、参加者の方々と少しずつ交流していきました。その中で会員になってくださる方が徐々に増えてきました」
要するに会員制のビジネスを立ち上げたわけだが、当初からフランチャイズ（FC）ではなくエリア制のボランタリーチェーン（VC）を展開するつもりだったとのこと。「私たちもFC塾を運営していますが、正直言ってなかなか有益な情報が入って来ないのが現状です。お互い情報交換をし合いながら、会員の方々と協業していけたらいいなと思っています。ですから本部から何かを押し付けることはいっさいありません。それぞれ強みを持つ塾さんを、集客や運営などのお手伝いをすることによって、さらに強みを活かしていただきたいと思っています」と、鴨志田代表は熱く語る。

老若男女の塾経営者がオンラインセミナーに大勢参加

塾エイドは、学習塾の経営課題を包括的に解決すべく、「情報提供」「課題解決サポート」「契約法人特価」の3種類のサポートを用意している。　
「情報提供」は、セミナーや契約法人限定のオンラインコミュニティを設置し、より早い情報収集・チャットでの塾スタッフの悩み解決を促す。
オンラインセミナーは、約月1回のペースで、教室運営や集客に関するノウハウを提供するセミナーを無料で開催。
「早期にご契約いただいた法人様からは逐次フィードバックをいただき、〝今、このお客様が知りたいこと〟をベースにセミナーを追加で企画していく予定です。セミナーを開催していて思うのは、新学習指導要領など教務関連のセミナーの方が集客のセミナーの倍くらい参加者が集まるということです。ですから今後は月に各々1回ずつ、計2回くらいずつやっていけたらと思っています」
オンラインコミュニティは、Lineのオープンチャットというコミュニケーションツールを使い、契約法人に属するスタッフが参加できる。教育系ニュースの共有やセミナーの情報告知はもちろんのこと、コミュニティ参加者からの質問にも他の参加者やオーナーが回答してくれる。「20代～70代まで様々な年齢層の経営者が参加してくれます。私は43歳ですが、私たちも刺激になりますし、新たな気づきが生まれて新たなビジネスにつなげていきたいと思いますね」

塾独自の魅力が伝わらなければ、集客は難しい

「課題解決サポート」は、学習塾の運営における集客・運営・事務の課題を特定し、業務支援ツールの導入から定着までサポートすることで解決していく。
集客サポートでは、WEBマーケティングのツールの導入支援から始まり、PDCAサイクルを自社で回す部分までを定期的な面談を通してサポート。使用するツールは契約法人特価でリーズナブルに提供するという。
地域特化Line広告（AIが検索履歴を調べてターゲットに広告配信。AIが選択したエリア内でアプリを使用すると、アプリ内に広告が表示される）、MEO（地図検索の画面上で学習塾のPRができる）などを駆使する。
「集客できない要因はいろいろ考えられますが、どんなツールやアプリを使っても、あるいはチラシを配布しても、その塾独自の魅力が全く伝わっていなければ、なかなか集客は難しいと思います」
その独自の魅力や強みに自ら気づき、自覚することは意外に難しいものだが、オンラインセミナーやオンラインコミュニティに参加することによって、あるいは定期的な面談を通して自らの魅力や強みに気づき、自社を客観的に見つめることができるという。

スタンダード会員とプレミアム会員への手厚い支援サービス

PDCAサイクルを回すことは、塾だけではなくあらゆる業種のいわば常識とも言えるので、すでに日常的に行っている塾も多いことだろう。しかし、その集客のPDCAサイクルが回せなくなってきたと悩んでいる塾も多いのではないだろうか。「施策ごとの比較検討ができない」「媒体の継続的な変化をモニタリングしきれない」「過去のデータを掘り起こしたり、データを探したりするのが面倒」など、その手の悩みを抱えている塾は多い。
「コロナ禍もあって、塾をめぐる環境も大きく激変しています。つまり、PDCAサイクルを回す前提が変化しているので、それを回すことができなくなるのはある意味当然なのです」と語る鴨志田代表。
そこで、塾エイドはスタンダード会員・プレミアム会員限定で、MRFをリリース。各媒体ごとの月次成果をモニタリングし、問い合わせ後の入塾管理も行うことで、1顧客獲得のための必要コストも明らかになるという。
「問い合わせのうち何件契約につながったかのモニタリングも実施し、最も契約につながりやすい媒体も明らかにします」
学年別・チャネル別の実績を、月ごとに比較しながらモニタリングすることもできるという。同じくスタンダード会員・プレミアム会員限定の事務サポートも充実。領収書管理・給与計算・請求書発行など、塾運営における手間のかかる業務の代行やシステム開発を行い、業務効率を支援し、ツール整備のサポートも行ってくれるという。
そして、助成金・補助金診断。
「お客様が助成金の対象になるかどうか、対象になるために何が必要かを診断します。書類の取りまとめや実際の申請の助けになる行政書士や業者とおつなぎし、やり取りをサポートいたします」
さらにプレミアムプランとして、学習塾運営や経営における課題が明確になっておらず、どこから手を付けていいのかわからないという法人向けに、課題特定・特定したあらゆる課題に対しての打ち手を週次で議論し、解決までコミットしてくれるという。
「まず、塾の経営課題についてざっくばらんにご相談し、課題を言語化するお手伝いをいたします。アセスメントの結果、弊社が課題解決をお手伝いするための時間とコンサル費を見積もり、週次ミーティングでのコンサル兼打ち合わせにおいて、定めたアジェンダを議論し、タスクを明確にしていきます」
塾エイドはまだまだ活動を始めて日が浅い。
「セミナーやコミュニティで皆様とお会いし、様々な成功事例を共有することにより、地域密着塾の強みを活かした新たなビジネスを展開したり、各々の地域教育に貢献していきたいと考えています」と、鴨志田代表は力強く述べた。