子育てには正しい知識が必要

山本チヨヱ 理事長

世界的新型コロナウイルスのパンデミックに振り回された昨今、人間の脆さがもろに露呈した1年だった気がします。私も犬山での「教育アドバイザー」講座の真っ只中で、途中で止めるわけにもいかず、急遽オンラインに切り替えざるを得なくなりました。序に「オンライン講演会」も実施してみました。
リアルな講演会しか実施して来なかった私がコロナ故に、やらざるを得ない状況になってしまったのです。遠隔地の方にも配信できるオンラインは、願ってもない好機であることを教えてくれました。
まさに「ピンチはチャンス」です。
私も塾教育一筋に五十数年関わってまいりましたが、「この親にして、この子あり」、まさに親教育をしなければならないと一大発起、塾を閉めて「NPO法人 全国家庭教育支援センター」を設立いたしました。
コミュニケーションが苦手な若者、ゲームに熱中する子どもたち、家族間の殺戮、悲しい社会現実が其処此処に存在します。もちろん自分の限界に挑戦し、日夜鍛錬を惜しまず感動を与えてくれる若者たちもいます。しかし昨今、多くの子どもや若者、大人に至るまで危機的な状況にあります。私たち、子どもの教育に関わってきた者として、今の状況を黙殺することは出来ません。全てが大人の責任だからです。子どもたちは大人を模倣し、その背中を見て成長します。特に幼少期の子どもたちは近くにいる大人、両親などを模倣して育っていきます。核家族の中で、母親が孤独な子育てを強いられ、ノイローゼ状態での子育てが子どもにとっていいはずはありません。幼児期の子どもにとって、一生涯の人格形成がこの時期に培われるということを、親は知らなければなりません。正しい知識が必要なわけです。

保護者の資質向上を図るために

女性が輝いて仕事をし、社会参加をすることは大切なことです。しかし、子育てを全て他人任せにすることはどうでしょう。女性として生まれ、子どもを産み育てるということは、女性だけに与えられた特権でもあるわけです。女性の特権を感受し、重要なポイントを押さえた楽しい子育てもあるのです。
ちなみに私も仕事をしながら3人の子育てをいたしました。このことは何にも代えがたい幸せを子どもたちからもらいました。「子育ては、自分育て」。仕事にも、良い結果を出すことが出来たと自負しています。　
少子高齢化は、国を破滅させます。女性が安心して子どもを産み育てる環境を、というのはもちろん、当たり前で同感です。しかし、制度だけの問題ではないと思います。母親の無知の部分もたくさんあるのです。もっと客観的に幼児期の子どもたちの成長を理解することが出来れば、気楽な子育ても出来るのです。
ほとんどの親は、健康で良い子に育ち社会に貢献し、幸せに生きて欲しいと願い、育てるわけです。しかしながら、思うようには育ちません。良かれと思って実施したその方法が間違っていたのです。悲しい残忍な事件が起こってからでは遅いのです。モグラ叩きのような後手後手の方法では、子どもたちが可哀想です。子育ての基本を学びながら、精神的にゆったりとして愛着関係を築くことが大切です。子育ては、思うようにはなかなかいかないものですが、それが当たり前なのです。子育ては永遠に続くものではないのですから。楽しみながらゆったりとしたいものですね。
子どもたち、いや人間に関わる仕事をされている方は、ぜひご一緒に学んでいただきたいものです。「発達の臨界期」ってご存知ですか？　子どもの脳には、学習に適切な時期があるということです。
どのような時期にどのような対応をしていけばいいのか。心の成長の時期でもありますから基本的な学びが必要です。保護者の資質向上を図らなければ心の強い子、利他心の強い優しい子は育ちません。人は、幸せになりたいといつも思っています。幸せな人生を歩むための基礎は、家庭教育の中で育まれるものです。　
この講座は、基本の部分を学び、その後に続く研究会を通して直面している問題解決などしながら地域で、啓蒙活動をしていただきたいと切に願っております。
皆様のご参加をお待ち申し上げます。

オンライン開始時期：2021年4月14日より開始予定