
塾と教育 オンラインセミナー 日本型教育の課題とオンライン教育における未来の展望
家庭で育むべき自己効力感 低学年専門教室パンセ
株式会社塾と教育社主催で1月20日、株式会社タマイインベストメントエデュケーションズの玉井満代代表による「日本型教育の課題とオンライン教育における未来の展望」と題するセミナーを開催した。
また、4月より開講する低学年専門のオンライン教室「ウイングキッズパンセ~フロンティエル(以下、パンセ)」のリリースが株式会社市進・小笠原宏司会長より行われた。
海外に出て見えた日本の欠点
私が初めて教材を海外へ売り込みに行ったのはインドでした。なぜインドか?今やインドや中国は世界の大国です。子どもたちが大人になる頃にはビジネスだけでなく様々な面で関わりが増えていくでしょう。大国がどの方向を見て子どもたちにどんな教育をしているのか? 教材を作る上でとても重要だと考えたのです。
伝手もありませんでしたが何度も渡航しプレゼンを重ねた結果、インドでトップクラスの国立学校の初等教育で採用されるに至りました。現在はシンガポールやベトナム、タイ、ミャンマーなどでも採用され、インドでは会社を設立し、現地スタッフも雇用しています。海外でのプレゼンは相手がひと通り話し終えてから質問する日本とは違い、話の途中でも質問が飛んできます。興味を持ったり疑問に思ったりしたことはその場で尋ねるのです。教材や教育以外への質問もあります。天皇制について尋ねられたこともありました。様々な場で様々な角度で「あなたの意見は?」と自分の意見を求められます。教育においても同様で、重視しているのは「自分の頭で考えて意見を言えること」。これに尽きるのです。
「目的」と「目標」、正しく使い分けていますか?
「目的」と「目標」、いずれも目指すべきものという意味では同じですが、それぞれに違いがあり間違って使っているケースが見られます。自分の価値観などをもとに実現を目指す最終的なゴールが「目的」。「目的」を成し遂げるための具体的な達成手段が「目標」です。
例えば英語教育の目的は「(英語を習得し)地球上の大勢の人とコミュニケーションを取ること」や「(英語を習得し)英語圏のニュースや本を原語で理解すること」です。そのために英検の勉強をすることは目標の一つであるはずですが、日本の教育ではここが曖昧で「英語の習得」や「英検取得」自体が「目的」とされてしまいがちです。だからこそ日本の教育は暗記や演習に偏ってしまうのでしょう。なぜそのようにしたいのか? 目的の理由や意義も重要です。世界でビジネスがしたい、自分の世界を広げたい、世界で起こっていることを知りたいなど、理由は様々ですが「目的」を決める際、確固たる理由や意義がなければなかなか身に付かないからです。
学校では教科書通りに進めていくだけで「なぜこの学習をするのか?」「目的は何なのか?」を知らされることはまずありません。今から学ぶ単元が社会とどうつながっているのか、どう役に立つのかも知らされず、知識を詰め込まれるだけではすぐに忘れてしまうは当然の流れです。
「思考力、判断力、表現力」の目的は?
新しい学力観である「思考力、判断力、表現力」を身につける目的とは何でしょうか? ディベートやプレゼンテーション、記述式問題、小論文、英語などを通して判断されるわけですが、これらはいずれも「自分の考えを(言葉で、文章で、英語で、聞いて)他者に伝えること」を求めているのです。ここを間違うと言い回しや表現の仕方など重箱の隅をつつくような指導になってしまいます。本来の目的を忘れ、子どものやる気をつぶしてはいけません! どんなに汚い文字でも、文がつたなくても、書いたこと、言ったこと、発表できたことを褒めてあげてください。
学校教育は目的や目標が曖昧なまま、言語や知識、理論、教養などがバラバラにインプットされていく状態です。自分の力で考え、表現するためには、インプットされたものをつなげていかなければなりません。そのために必要なのが「イメージング力」だと玉井式ではずっと訴えてきました。イメージさせ、思考させ、創造や行動に移させる。受験などで時間的な制約が増える前の低学年のこの時期にこそ身につけてほしいと思っています。
オンライン教室だからこそできること
日本の初等教育が短期間にドラスティックに変わることはないでしょう。しかし、思考力、判断力、表現力を育むことは学校の成績とは結びつきづらいため成果が見えにくく、民間教育が担うには難しいという欠点がありました。玉井式にはそれらの力を身につけつつも学校の成績を向上させてきた実績があります。
4月より開講するパンセは双方向型オンライン学習です。オンライン授業は送迎不要で人との接触を減らし、時間的・経済的にもメリットがあると言われますが、それらはおまけのようなもの。真の目的ではありません。目的は「世界に出ても負けない子に育てる」こと。そのため「小学生の間に生涯知性のつながりを作ること」「知識が志へとつながること」が目標です。
自主的に知識を獲得するため、予習をしてから授業を受ける反転学習スタイルにしています。予習のためのアニメーションやオンライン授業には子どもたちをワクワクさせながら自ら取り組みたくなる仕組みをふんだんに取り入れています。アバターの先生、海外と接続した授業、ARを活用した図形の解説や理科実験などオンラインでしかできないことばかりです。
ただし、どんなに良質なアプリやAIを用いても、先生や保護者の声かけやフォローがないと頑張ろうと思えないのが人間です。褒めること、認めてあげることは子どもたちの自己肯定感を育み、様々なことに挑戦する力、生きる力へとつながります。だからこそ、皆様のお力が必要です。低学年指導の難しい部分は私どもに任せていただき、皆様には保護者と子どもたちのフォローや見守りをお願いしたいのです。子どもの人生が幸せなものになることこそが教育の最終目的です。子どもたちの幸せのため、世界に出ても負けない子に育てるためご協力をお願いいたします。
株式会社市進 小笠原会長よりメッセージ
お茶の水女子大学名誉教授の外山滋比古さんは自著「思考の整理学」で「グライダー人間」を養成してしまうことを懸念しています。従順に引っ張られるだけで、自分の考えや自分で切り拓いていく力が育っていないことをグライダー(エンジンを持たない滑空機)に例えています。このままでは未来に立ち向かっていけません。
自分の思考エンジン、行動エンジンを持てるような自立したエンジンを持った子どもたちを育成することは大人の責任です。
「学校の成績も上げながら子どもたちにエンジンを持たせるための教育」を模索していたところに出会ったのが玉井式でした。採算ベースに乗せるのが厳しいと言われる低学年専門教室ですが、一昨年と昨年に開校した2校では300名の生徒を確保しています。本物の教育、良質な教育を提供すれば低学年だけでも教室は成り立ちます。
このたび誕生した「パンセ フロンティエル」では、玉井式オリジナルの「パンセ算数」を中核に、表現力講座や図形の極、パンセ国語、パンセ英語、ARを活用した活用した理科実験、産学連携によるSDGS講座や大学教授の授業等々を在宅教育として提供し、子どもたち一人ひとりのエンジンを作り出していきます。オンラインだからこそ魅力のある教材で、最高峰の教育を提供いたします。まずは日本全国へ、そして世界へ。世界と渡り合える人間を育てるための低学年専門教育に、共に取り組んでいただける方々を求めています。ぜひ、皆様のお力をお貸しください。
子どもたちの未来のために。
お問い合せ先
パンセ ラボ
パンセフロンティエル事務局
専用サイトURL https://pensees-frontiere.jp/
メールアドレス info@pensees-frontiere.jp
TEL.070-1524-9459
(祝日除く月~金曜 12:00 ~ 18:00)