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Okinawa 家庭教育フォーラム
激変する時代を生きる子供たち 今こそ見直すべき家庭教育

2020-01-06
サイタコーディネーション・江藤真規 代表

サイタコーディネーション・江藤真規 代表

大学入試改革を始めとする大幅な教育改革が2020年度からスタートする。正解のない問いに対して、子ども同士が対話を通して答えを導き出していく教育へと変わるのだ。こうした時代に親がすべきことは何か? 2019年10月31日(木)、琉球新報ホール(沖縄県那覇市)で開催された「Okinawa家庭教育フォーラム」では、東京大学大学院 教育学研究員で、(株)サイタコーディネーション代表取締役の江藤真規氏を講師に、学習受験社ガゼット代表取締役社長の國吉勝氏と(株)SRJ代表取締役社長の堀川直人氏をパネリストに招いて県民の人たちと考えた。

子供のやりぬく力に着目して家庭教育を

「日本の教育が自ら考え、判断し、表現することを重視する時代に入っていきます。また、テクノロジーが進化して、今後はAIが私たちの生活や仕事に深く関わることになるでしょう。そんな未来に生きる子どもたちのために家庭教育はどうあるべきでしょうか。本日は会場のみなさまとご一緒に考えたいとと思います」と学習受験社ガゼット代表取締役の國吉勝氏が挨拶。続いて江崎真規氏の基調講演「激変する時代を生きる子供たち~今こそ見直すべき家庭教育~」がスタートした。
「家庭教育に関する仕事をしておりますと、最近、家庭教育の価値観が変わってきたなあと思うのです。褒める子育てが重要視されているために、親が子供を叱ったり、無理をさせたりしなくなりました。

ここで、あるデータを紹介します。
首都圏の高校生3300名を対象にしたアンケートによると、合格できそうでも進学後に勉強についていけなさそうな大学であれば、進学先として選ばないという生徒が中堅進学校では40%を超えているのです。私はこの結果は無理をしないという現代の子どもたちの感覚の現れなのではないかと思うのです。周囲の大人たちの言葉や生き方にも原因があるのかもしれません。しかし、私はもったいないと感じるのです。人口が減っている日本の社会で子どもたち一人ひとりの力を1ミリだけ伸ばせば、とても大きな力になると思うからです。
そこで、子どものやりぬく力に着目して、家庭教育を行っていったらいいのではないかというのが本日の提案です。やりぬく力には『私はこうなりたいんだ』という強い願いが必要です。その願いをさらに強くするのが、親子の日常的・継続的なコミュニケーションです。『いいわね、いいわね。お母さんは大賛成よ』と子どもの願いに共感を示すことがとても重要なのです」

子供の良いところを見つけ文章を読ませ、対話をする

江藤氏はやり抜く力を育てるために、価値ある親子時間を過ごす3つのポイントを提案した。
「1つはお子さんの良いところを見つけることです。私はこれを『いいとこメガネ』と呼んでいます。ぜひそれをかけていただき、良い面を見つけてお子さんに伝えていただきたいと思います。
『おとなしくて自分の意見を言えない子だな』と感じていても『いいとこメガネ』をかけると『人の気持ちがわかる優しい子なんだ』という面が見えてくるのです。これは子どもを伸ばし、やりぬく力につながる原点です。
もう1つは家庭の中で文章を読ませることです。子どもの文字離れは危機的状況にあります。私は周囲の大人がこの状況をつくり出していると思っています。まず、お子さんと一緒に本や新聞を読んでみてください。親が読めば、子どもも必ず読むようなります。読むことは間違いなく大きな財産になっていくはずです。
3つ目は対話です。対話のための技術についてお話しします。最も重要なのは子どもの話を聞くことです。アイコンタクトをとりながら相槌を打って聞きましょう。次に曖昧な表現を具体化させることです。お子さんが伝えようとしていることがよくわからない場合には「具体的にどういうことなの?」と聞いてください。子どもの理解の進化を促します。最後に思考の整理です。話をしながら『そうなの。そうなんだ』と頷きながら『それはひとことで言うと、どういうこと?』と聞いてみてください。この質問があれば、お子さんは深く考えて、的確な言葉を見つけ出してくるはずです」
そして江藤氏は講演をこう結んだ。
「私は子育てイコール親育ちだと思っています。子育てをしながら親も学び、そして、より一層豊かな人生、キャリアが構築されていくと思っています」

気候は温暖で人々はおおらか
沖縄は勉強に理想的な環境

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

続いてパネルディスカッションへ。テーマは「沖縄の家庭に必要な教育とは?」だ。江藤氏の司会のもと、國吉勝氏と沖縄のファンを自認する(株)SRJ代表取締役の堀川直人氏が語り合った。まず、那覇市生まれの國吉氏は、沖縄が教育的に恵まれている点を挙げる。
「弊社は福岡県と沖縄県で進学教室を運営しており、沖縄県内には石垣島も含めまして11教室があります。沖縄では中学受験を希望する生徒さんを主体に教えています。今日はこれまで多くの生徒や保護者の方々と関わってきた中で感じたことを述べさせていただきます。沖縄本島は日本で唯一の亜熱帯地域です。1年間を通して温暖でリラックスできるため、勉強には理想的な環境だと思います。
恩納村には沖縄科学技術大学院大学もあり、世界各国から学生や研究者の方々が集まっています。世界最高峰の研究機関があることも子どもたちに刺激を与え、誇りを持てると思っています」
また、沖縄が中国やインドなどアジア諸国の玄関口であること、沖縄を愛する人たちが県外に数多くおり、教育的な支援もしてくれることなどを挙げた。続いて堀川氏が次のように語った。
「私は25歳のときに起業いたしました。当時は仕事でストレスが溜まるたびに沖縄を訪れたものです、美しい海を見ると心が和み、沖縄に来るペースが増えていきました。人々のおおらかさや助け合う習慣など、沖縄の魅力を挙げていたらきりがありません。子どもたちは地域のコミュニティーの中で育っています。内地にはない素晴らしい文化だと思います」
この意見に対して國吉氏が「確かにおじいちゃん、おばあちゃんも含め、家族が子どもの教育に関わることが他府県に比べると沖縄は多いと思います」と語った。

沖縄の強みが活かされる時代
子供の学ぶ意欲を家庭で喚起

左から、SRJ・堀川直人 社長、江藤真規 氏、学習受験社ガゼット・國吉勝 社長

左から、SRJ・堀川直人 社長、江藤真規 氏、学習受験社ガゼット・國吉勝 社長

勉強には最適な環境がある反面「沖縄の子どもたちには主体性や粘り強さが足りない面があるのかもしれません」と堀川氏は指摘する。
「中学生になると教科書の内容が急に難しくなり、読み解く力や考える力が要求されます。こうした力を身につけるにも粘り強さが必要だと思うのです」という堀川氏の言葉を受けて國吉氏はこう述べた。
「そのためには、低学年のうちに保護者の方々がお子さんに様々な体験をさせたり、江藤先生のおっしゃるようにコミュニケーションの機会を多く持ったりすることが必要だと思います。また、小学校のときに夢や目標を持たせると、粘り強い子に育ちます。たとえば中学の受験でも、保護者の方々に「受けなさい」と言われて受験する子よりも、将来医者になりたい、だったら医学部に行こうと思っていると、最後の最後まで勉強をやり抜きます。
また、読む力や考える力を伸ばすためにはこの語彙力を伸ばす必要があります。そこで、私はまず新聞を読んでほしいと思います。新聞には子ども向けの記事もあります。親子で一緒に読めば『この記事についてどう考える?』というように対話のきっかけもつくれるはずです」 
國吉氏と堀川氏の話をまとめて、江藤氏は次のように語った。
「沖縄には魅力が多く、特にこれからの時代を考えた場合、より沖縄の強みが活かされる時代になってくるのでないかと感じました。そのためにも子どもたちの学ぶ意欲を家庭で喚起していくことが重要だと思われます。現に沖縄の小学6年生の成績は伸びているのです。目標を持ったり、読む力をつけたりすることで中学生になっても成績を伸ばしていけるはずです」
続いて堀川氏はこんな提案をした。
「私は息子と2人でよく沖縄に旅行に来ています。沖縄の自然や音楽や人々の温かさに触れると、家ではできなかった本音の対話ができます。沖縄の空や海のように広い視野で子どもの成長を見守ることもできるようになるのです。
仕事であまり家にいないお父さんも、お子さんと旅に出るなどの関わり方もあると思います」
その後、質疑応答や来場者との意見交換が行われ、有意義なひと時が幕を閉じた。


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