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教育セミナー いまもっとも生徒・親が求める先生像とは「課題解決型思考」から「理想実現型思考」へのいざない

2019-11-01

教育コーディネートプロジェクト委員会が運営する勉強会「教育セミナー」第1回が9月24日(火)、東京都内の新宿喜楓ビル5FのCルームにおいて開催され、私立中高の先生方など教育関係者が集まった。
(株)サイタコーディネーション・江藤真規代表による「いまもっとも生徒・親が求める先生像とは 『課題解決型思考』から『理想実現型思考』へのいざない」をテーマとしたセミナーのほか、公益社団法人全国学習塾協会・安藤大作会長が同協会の取り組みと学校への提案などを行った。

学校教育は「能動的な学び手」と「個別最適化された学び」へ

私学の先生など教育関係者が集まった

私学の先生など教育関係者が集まった

親は我が子が通う学校に何を望むのかというと、大学の合格実績も欲しいし、人間教育もしてもらいたいのが本音だと(株)サイタコーディネーション・江藤真規代表は語る。
「両方欲しいのが今という過渡期の時代なのではないでしょうか。そしてその両者に共通するキーワードは〝成長〟だと思います」
大学入試改革のみならず、保育・幼児教育の世界でも大きく制度が変わっているのは、産業が変わり、働き方が変わり、働くこと自体の意味合いが、かつての「生きるため」から「自己実現や生き甲斐」へと向かっていることが背景にあるという。この流れを受けて、学校教育では「能動的な学び手」を育成し、「個別最適化された学び」を提供する方向に向かっている。
「例えばアクティブ・ラーニングをやらなければと焦っていること自体、そもそもアクティブ・ラーニングにはなっていません。そしてソサエティー5.0を目指しているにもかかわらず、評価の軸はソサエティー3.0(工業化社会)のままであるのが今の学校の実態だと思います」
さらに学校という組織について、江藤代表はこう述べる。
「学校という組織の中には旧式の人間と新式の人間が混在しています。すなわち新しい考え方の先生もおられれば、今までの考え方を大切にしている先生方もおられます。それが今の学校の中で起きていることです」
その学校という組織を、先生方が育ち、成長する場にしていくことはできないか? というのが江藤代表が一番言いたいことだという。

インプットの学びからアウトプットの学びへ

司会進行を務めた(株)好学出版・桝本吉郎 氏

司会進行を務めた(株)好学出版・桝本吉郎 氏

「人はなぜ働くのでしょうか? それは幸せになるためです。でも、この幸せの定義というものは物的幸せと心的幸せがあります。おそらく先生方は心的幸せを願っています。と考えますと、先生方の心的幸せを高めていくことであればできそうではありませんか」と江藤代表は語る。自分はこの学校で、教師という職業を通して成長していることを先生方が感じることができれば、それが心的幸せにつながっていくという。
当然、時代とともに学び方も変わっていく。今までは1人で学んでいたけれども、これからは誰かと一緒に学ぶ。今まではいつか使うときのために知識を得たが、これからは知識を得たらすぐに使う。
「今までの学びはインプットの量が重要視されましたが、今からはいかにアウトプットするかです。教師の学びというのは、明らかにこれからの学びであろうと思いますし、そこに意識を向けていくことで、先生方の成長欲求が満たされ、心的幸せが高まるのではないかと思います」

学校に提案したい、先生方が成長できる組織づくり

江藤 真規 氏 株式会社サイタコーディネーション 代表取締役 母親のための学びの場 マザーカレッジ主宰 東京大学大学院教育学研究科 博士課程修了 博士(教育学) 東京大学大学院教育学研究科 教育学研究員 文部科学省 男女共同参画推進のための学び・キャリア形成に関する有識者会議委員

江藤 真規 氏 株式会社サイタコーディネーション 代表取締役/母親のための学びの場 マザーカレッジ主宰/東京大学大学院教育学研究科 博士課程修了 博士(教育学)/東京大学大学院教育学研究科 教育学研究員/文部科学省 男女共同参画推進のための学び・キャリア形成に関する有識者会議委員

具体的に、江藤代表が学校が取り組めばいいと思われる5つのポイントを提案。

(1) 先生方の「意欲」や「自発性」に火を付ける
先生方の意欲や自発性を育むためには異業種交流会などに参加してもらうと効果的。学校が一般企業からはどう見えるのか、子どもたちの教育はどう捉えられているのか、どんな課題やニーズがあるのかが見えてくる。視野が広がるきっかけになる。

(2) 勉強会や研修に参加したあとは、参加者が講師となって他の先生方に伝える
アウトプットがとても重要なので、研修を受けてきた先生が校内研修等で講師になることを仕組み化してみてはどうだろう。

(3)校内の共通言語を作り全員が日常的に使うよう浸透させる
「プレゼンが長いよ。もっと短くしろ」と言うのではなく「プレゼンは1分間」など、具体的な言葉で。これは意外に重要で、同じ言葉を喋るようになると、先生方の合意形成がかなりとれる。小さな共通言語を使うことは組織の大きな1歩になる。

(4)当たり前のことを一生懸命やる
机の上を拭いていないなど、当たり前のことを言っていくことが大切。激動の時代だからこそ、ついつい見逃してしまいそうな当たり前のことが重要だ。

(5)成功体験を自覚してもらうために、「よくやってくれたね」と言うのも忘れずに
これも当たり前のことだが、お礼を言うことも非常に大切だ。

さらに、上司と部下のコミュニケーションを見直すことも重要。
「今の社会はとにかく複雑で重層的ですので、先生方がいかに未来を見ているかが重要です。学校を経営しているお立場にある管理職の先生方はきっとこの社会の変化、時代の変化に敏感だと思いますが、授業と部活のみに専念していると管理職の先生方と現場の先生方とでは意識のズレが生じてしまいます。ですから、シンプルに使う言葉を変え、コミュニケーションを見直すことをご提案いたします」
関係の質を変え、行動を変えるためには関わり合う組織になる必要がある。声を掛け合い、認め合い、話し合うこと。
「〝理想実現型〟というのは、何があったらできるかな、どうしたらできるかな、そうなったらどうなるのかな、と未来を向いている思考のことで、課題が重層化、複雑化している社会においては非常に有用だと私は考えます。リーダーの先生が前向きになれば、先生方は付いてきます。繰り返しになりますが、最も重要なことは、現場の先生方が成長していくことを喜びと感じるような場づくりをしていくことだと思います」

学校は、塾を含めた民間教育機関とのコラボを

(公社)全国学習塾協会・安藤大作 会長

(公社)全国学習塾協会・安藤大作 会長

(公社)全国学習塾協会の安藤大作会長は、「これからは子どもたちのために誰がひと肌脱げるかということに尽きると思います」と述べた上で、安藤会長の私見では、今後をリードする学校は、私塾や他の民間教育とコラボしている学校だという。
スポーツでいえば、プロ選手が引退するとセカンドキャリアを持て余す。部活や体育の授業など、様々なところに民間のスポーツの専門家が入ることによって質のいい指導ができるという。音楽の授業ではピアノ教室の先生に協力してもらうことだってできる。
学習塾についてはこう語る。
「学校だけで教育のすべてを行うのではなく、何が起きるかわからない世の中だからこそ、一緒に課題解決型の人間を育てていきましょう。放課後だけではなく授業そのものをお手伝いできることもたくさんあります」と語り、学習塾や他の民間教育とのコラボによって功を奏している自治体の例を具体的に挙げていった。


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