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元文部科学大臣 下村博文氏が『日本の未来を創る「啓育立国」』を上梓 出版記念講演会を開催

2019-10-01

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元門科学大臣の下村博文氏 昭和29年5月23日生まれ。65歳
都議会議員2期を経て平成8年、衆議院議員選挙初当選以降、連続当選し現在は8期目
自由民主党選挙対策委員長 清和政策研究会事務総長

塾の経営を経て政界入りし、第二次、第三次の安倍内閣で文部科学大臣を務めた下村博文氏がこのたび、新著『日本の未来を創る「啓育立国」』を上梓。その出版を記念し、記念講演会が東京プリンスホテルにて8月29日に開催された。
講演に先立ち、同氏が事務総長を務める清和政策研究会の会長・細田博之氏をはじめ、自民党政調会長の岸田文雄氏、防衛大臣の岩屋毅氏が壇上で挨拶し、お祝いの言葉とともに下村氏が掲げる教育改革への期待とエールを贈った。

このほか、衛藤征士郎氏、山谷えり子氏、加藤寛治氏、鈴木淳司氏、古田圭一氏、松本文明氏、石井正弘氏、加田裕之氏など、志を同じくする議員仲間らもお祝いに駆けつけた。

「教育」から「啓育」(けいいく)の時代へ

先の参議院選挙においては、各候補者の応援を行うため連日全国を駆け回っていましたが、世に蔓延する閉塞感の中、「この現状を何とかしてほしい!」という政治に対する期待を多くの方が持っていらっしゃいます。国民全員に、日本に生まれてよかった、生きていてよかった、そしてこれからも日本の未来、自分の未来に対して希望を持って、夢を持って生きていける! そんなふうに思ってもらえる、そんな政治をしていくことが私の願いですが、現在のままでは日本の未来はないのではないかと感じています。

日本には多くの課題がありますが、真の危機は少子高齢化に伴う人口減少です。人口の減少はすなわち、国全体の活力がなくなっていくということです。
また、世界では情報技術の進化によりAIが台頭し、近い将来、現在ある職業のうち約半数が消えていくとも言われています。そんな中、最も大切なものは人材です。これからの時代に求められる人材、そしてそのための人材教育には本書で訴える「啓育」という考え方が必要だと考えます。
教育という言葉はeducation の訳語ですが、導く、引き出すという意味のラテン語が語源です。それを「教育」と訳したのは初代文部大臣の森有礼でした。森有礼は当時の国策であった富国強兵のため、まずは西洋から学問や科学技術を学び、それを子どもたちに教え育てていくことが国の成長には欠かせないと説きました。
私はeducationを教育と日本語訳したのは適切であったと思います。西洋に学び、追いつけ追い越せ。司馬遼太郎が『坂の上の雲』と表現したそれに、より早く到達するための人材育成が当時の日本にとっては重要であったのでしょう。

しかし、東京工業大学の学長だった川上正光氏の『独創の精神』という本にeducation の適語として「啓育」という言葉を見つけました。才能を引き出すという本来の意味から「啓発教育」、さらにそれを縮めて「啓育(けいいく)」としてはどうかとの提案です。(心を)啓(ひら)き育てるという意味もあります。暗記を中心とした学校教育や大学受験勉強、入学試験そのものについても、時代遅れであるとありました。この本は今から40年ほど前に出版されています。40年も前から学校教育を変えるべきだと提案していたのです。
アメリカの教育学者が教育的観点から人間の能力を約200項目に細かく分類しましたが、それによると日本の大学入学試験で問われているのはせいぜい5項目か6項目だそうです。

複数の学者が予測する近未来

下村博文 著 アチーブメント 刊 1,728 円(税込)

下村博文 著 アチーブメント 刊 1,728 円(税込)

未来学者のレイ・カーツワイルは2045年にシンギュラリティー(技術的特異点)が訪れると言っています。その頃には1000ドルで買えるコンピュータの能力が全人類の知能をはるかに上回り、今後は指数関数的に進歩、発展し、そのスピードに多くの人がついていけなくなるというのです。
また、歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリは『ホモ・デウス』という著書で、不死と至福の追究により少数の者がホモ・デウス(神)となり、様々な情報の蓄積によって構築されるアルゴリズムが全てを決定する未来が来ると書いています。その世界では一般大衆が無用者階級、つまり経済的価値や政治的価値、さらには芸術的価値さえも持たない人々、社会の繁栄や力、華々しさに何の貢献もしない雇用不能な人々になるというのです。

新たな産業を興したり、AIやコンピューターとは違う能力かコンピューター以上の能力を身に付けなければ失業してしまうかもしれません。そういう時代に人類は突入しているのです。カーツワイルやハラリが言うような社会が実現したとき、今の仕事の半分がなくなるという時代に私たちはどう仕事を見つけていけばいいのか? その世界に生きる子どもたちに何を教えていけばいいのか、それが問われる時代になってきています。

では、コンピュータより優れている能力とは何か? 1つはクリエイティビティーです。無から何かを生むような企画力、想像力です。2つ目はマネジメントスキル。企業や組織だけでなく、人間関係の中でうまく意見をまとめながら一つの方向に持っていく、組織をつくり、運営していく能力。そしてホスピタリティについても当面は、人間の方が優れているでしょう。
テクノロジーがもたらす豊かさで、無用者階級が働かなくとも飢えずに済む世界が来るのかもしれません。しかし、何もしなくていい世界は人間の幸福度を著しく下げ、精神を正常に保てなくなるとも言われており、ユートピアではありません。人間が取り残されないためには一生を通じて学び続け、繰り返し自分を変え続けることしかないようです。

多様性を受容し、共生していく社会へ

前著では志をもつことの大切さを述べました。夢と志の大きな違いはそれが利己的か利他的かに尽きます。「医者になりたい」は個人の夢に過ぎませんが「医者になって多くの人を救いたい」というのは立派な志です。日本語の「働く」は端の人を楽にさせるという意味もあるそうですが、自らの行いが誰かの役に立ち、喜んでもらえることは大いなる幸福感をもたらしてくれます。そして幸福度の高い人ほど、生産性や創造性が高いという研究結果も出ているのです。
ただ、国連の幸福度調査で日本は156カ国中、58番目。先進国の中では圧倒的下位にいます。項目別にみると選択の自由度や社会の寛容さが問題とされています。経済的事情が将来の進路選択を狭める件については給付型奨学金や幼児教育の無償化等の施策が進んでいますし、自ら考え行動することへと個人の意識を変えていくことで「人生選択の自由度」も高まっていくはずです。
また、日本で暮らす外国人が急増する昨今、異なった価値観を受容し共生していくことが求められます。外国人にかかわらず、LGBTの方や障がい者もそうです。特に障がい者は一律に保護するものとして扱われていますが、突出した能力を持つにもかかわらず活躍の場がなく埋もれている人が多くいます。

保護から自立へ。日本は異なる文化であっても良いものは取り入れ、他者を認める精神性を養ってきました。これは狭い島国で限られた資源と限られた空間の中で多くの人が共生していくための叡智を育んできたからです。私が提案する啓育とはそれぞれの多様な能力を活かし合うことです。多様性を受容し、共生していくことで世界は新たな時代に進むことができるのではないでしょうか。


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