どんどん問題を解いていくうちに、自然に学力が大幅アップ
flowlearning　埼玉県ふじみ野市　土岐 幸司　代表

土岐幸司 代表

大学生の頃から、そして卒業してからも、20年以上個別指導塾に関わってきた土岐幸司代表。生徒たちと関わる中から、こんな教材があったらいいなと思うものを自ら作ったのが「flow」だ。
スモールステップ方式で、問題をどんどん解いていくうちに、いつのまにか学力がアップしているという不思議な教材。

生徒一人ひとりに合った、自然で自由な学びを実践したいと思っていた土岐代表は、2014年4月、その第一歩として、まずは「ゆっくり学びたい」生徒のために、学び舎しつもん塾を埼玉県ふじみ野市に立ち上げた。
「flow」を作成した動機について、土岐代表はICT教材の有望性と中学生の宿題対応を挙げる。
「ディスレクシア（※参照）傾向のある生徒が、紙を使うよりパソコンやタブレットの教材の方を好んで取り組んでいる様子を見て、ICT教材の方がいいのではないかと思いました。また、その子が言った『パソコンであれば間違っていても怒られる心配がない』という言葉がとても印象的でした。
さらに、中学生の提出物（宿題）が非常に多いので、それを何とかしてあげたいという想いも『flow』を作った動機になっています。宿題がなかなか進まなくて、夜遅くまで頑張っている生徒の努力を何かにつながるようにしてあげたいと思ったんです」

こうして誕生したのが「flow」。作成にあたって心がけたことは、極力リーズナブルでシンプルであること。特別なアプリは必要なく、登録した生徒であれば、パソコンやタブレットから簡単に利用することができるという。
「flow」の大きな特色は、膨大な問題だけで構成され、それをどんどん解いていくうちに、自然に学力が身に付いていくことだ。反復学習に適したスモールステップ方式になっている。
「例えば、今作成中の社会の歴史で、『国会期成同盟』というのが明治時代に出てきますが、それに関して〝『期成』とはどんな意味ですか？〟という問題が入っています。『期成』とは、ある物事を成し遂げようと決意することですが、この問題に答えることによって、国会をつくろうとしている同盟だから、こういう名前になっているのだということがわかり、さらに生徒の記憶に刺さるように工夫されています。
数学では、例えば、関数の所で〝x＝2→x＝5の増加量は？〟という問題だけで10問以上の単元を用意しています。現場で教えていると『増加量』という日本語を、数学の記号のように捉えて意味を考えてもいない生徒がいます。よくあるICT教材のように、解説動画を視聴して『増加量』の説明を受けたとしても右から左へ流れてしまいます。そういう生徒が問題に答えることによって、何なのかを理解できるように、そして『国会期成同盟』と同じように、意味から記憶に刺さるように工夫されています」

教科は、数学・理科だが、社会は現在作成中とのこと。対象学年は中学生だが、数学は高校数学Iも揃えている。現在、数学、理科の問題数は合わせて約8000にものぼるという。
もちろん学習履歴などは生徒にも先生にもわかるようになっていて、問題を間違えたからといって怒られる心配はない。むしろ、安心して間違えることのできる環境をつくることが今後の教育では特に重要だと土岐代表は考えている。

※【ディスレクシア（英語: dyslexia、ディスレキシアとも）】学習障害の一種で、知的能力および一般的な理解能力などに特に異常がないにもかかわらず、文字の読み書き学習に著しい困難を抱える障害。失読症、難読症、識字障害、（特異的）読字障害、読み書き障害、とも訳される。