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これからの教育と変わる中学入試 駒込中学校・高等学校「STEM入試」

2019-04-26
駒込中学校・高等学校の河合孝充 校長(中央)とヴィリング・中村一彰 代表(左)、学習塾「クレオキャンパス」と学童クラブ併設型学習塾「クレオスクエア」を運営する株)エデュリンク・嶋村一男 教育事業本部長

駒込中学校・高等学校の河合孝充 校長(中央)とヴィリング・中村一彰 代表(左)、学習塾「クレオキャンパス」と学童クラブ併設型学習塾「クレオスクエア」を運営する(株)エデュリンク・嶋村一男 教育事業本部長

2019年度入試で「STEM入試」を導入し、注目を浴びた駒込中学校・高等学校。
3年前からはSTEM教育に基礎を置く「理系先進コース」を開設し、プログラミングによるものづくりをはじめとする最先端の理系教育を行っている。
今回は、STEM教育を取り入れたスクール「STEMON」を運営する(株)ヴィリングの中村一彰代表と自塾に「STEMON」を導入している(株)エデュリンクの嶋村一男教育事業本部長が聞き手となり、同校の河合孝充校長に話を伺った。

ポテンシャルの高い生徒、多様な生徒を集める特色入試

──貴学では「STEM入試」をはじめ特色ある入試を導入されていますが、まずはその概要についてお聞かせください。
本校の中学入試では、従来型の2〜4科目入試に加え、「STEM入試」、「自己表現入試」、「PISA型・適性検査型入試」を行っています。
2019年度新設のSTEM入試では、「アルゴリズム/四則計算」と「プログラミング」の2つについてテストを課します。同じく新設の自己表現入試は、クリエイティブ型とディベート型の選択制で、個性ある表現力を見ています。また、PISA型・適性検査型入試は、思考表現や数的処理などについて「知識を使う力」が身についているかどうかを測るテストで、公立の中高一貫校との併願がしやすくなっています。

──こうした特色入試を導入された背景には、どのようなお考えがあるのでしょうか?
AIが人間の能力を超えるシンギュラリティーの時代に求められる教育とは何かを考えた結果、自ずと行き着いたのがSTEM入試をはじめとする特色入試だったということです。時代の流れに乗ったように思われがちですが、私たちは20年ほど前から教育のICT化、グローバル化などに積極的に取り組み、学校改革も進めてきました。
例えば高校では、STEM教育をベースにした「理系先進コース」やイマージョン教育とグローバル教育をベースにした「国際教養コース」を立ち上げ、これからのグローバル時代、AI時代を生き抜くための力を育成してきました。そうしたなかで、よりポテンシャルの高い生徒や、偏差値だけでは評価できない多様な生徒を集めるために、特色入試を導入したのです。

──まさに、時代が追いついてきたということなのですね。

「何を作るか」だけでなく「何のために作るか」が大事

──STEM教育を実践されている理系先進コースでは、どのような教育をされているのでしょうか?
理系先進コースは今年度で開設3年目を迎え、1期生が高校3年生になりました。大学の先生に講義に来ていただき最先端技術についての話を聞いたり、各自がパソコンでプログラミングをしたり、プログラミングキットを使ってものづくりに取り組んだりというのが特色的ですが、私たちが大事にしているのは、根底にある「心」です。
つまり、「何のために作るのか」ということです。ご存じのように、技術は良いことにも悪いことにも使えますから。授業では、身のまわりにある課題を解決するために何ができるか、ということを基本に、これからの時代に技術をいかに活用するかについて考える機会も折に触れて持っています。

──具体的には、どのようなことを伝えてらっしゃるのですか?
AIが自分より賢くなったときに、君たちはどうするか、ということを問いかけています。AIに仕事が奪われるなどと言って恐れるような風潮もありますが、大事なのはAIが持ち得た力を我々人間がどう使うかです。これからの時代に求められるのは、知識を得ることではなく知識を編集する力です。知の編集能力があれば、AIを自在に使いこなすことができるのです。

──なるほど。塾を経営する者としても、大変興味深いお話です。理系先進コースの生徒さんたちは、どのような進路に進まれるのでしょうか?
具体的な進学先についてはまだこれからですが、試験の成績的には、本科コースの国公立大理系を目指すクラスより若干下、というところです。ただ、興味深いのが、ペーパーテストでは国公立大理系クラスの方が上でも、何かを作ってそれについてプレゼンテーションするというシーンでは、圧倒的に理系先進コースの生徒の方が秀でています。今後は大学入試も大きく変わりますので、こうした力を身につけた生徒が大学入試の場でもしっかりと評価されることになるでしょう。

──なかには突き抜けた能力をお持ちの生徒さんもいらっしゃいますか?
面白い生徒がたくさんいますよ。例えば3年生のある女子生徒は、今年、うちの高校で学びながら、東京農工大学でも研究課題に取り組んでいるんです。大学の単位も認定されます。農業支援用ロボットを製作して、都大会で優勝した子もいました。

──それは素晴らしいですね。将来が楽しみですね。

能力ある子どもたちが思う存分芽を伸ばせるよう支えたい

──今年度からはSTEM入試でプログラミングなどに秀でた能力を持ったお子さんが入学してきますが、今後は何か変化が予想されるでしょうか?
特色入試で多様な生徒を募集する背景には、学年進行型のカリキュラムへの危機感があります。2年生だからまだこれは早い、中学生だからダメ…なんて言っている場合ではありません。
世界を見わたせば、子どもの学びは上限なしで進んでいます。STEM入試で入ってきた子たちが思う存分その芽を伸ばせるよう、私たちもしっかりと環境を整え、サポートしていきたいと思います。

──では最後に、塾業界に向けてメッセージをお願いいたします。
今、首都圏を中心に中学入試は加熱し、入試方式も多様化し、塾の皆様としてもどう対策を立てればいいか、どの学校を生徒を進めればいいかというのがわかりにくくなっていることと思います。そんな時代だからこそ、偏差値というものさしだけでなく、学校の中身、教育の本質を見ていただきたいと思います。これからは日本の教育が大きく変わります。日本という国や社会の状況も大きく変わっていくでしょう。そうした時代を生きていく力を身につけさせるためには何が必要なのかという視点を、ぜひ持っていただきたいと願っております。

──本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。


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