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    出口汪氏が「AI・グローバル時代にこそ必要な国語の論理教育」を語る

NPO塾全協第44回 全国研修大会
出口汪氏が「AI・グローバル時代にこそ必要な国語の論理教育」を語る

2018-11-30
[左から] NPO塾全協 山下典男 西日本ブロック理事長、NPO 塾全協 内藤潤司 東日本ブロック理事長、NPO塾全協・沼田広慶 全国会長

[左から] NPO塾全協 山下典男 西日本ブロック理事長、NPO 塾全協 内藤潤司 東日本ブロック理事長、NPO塾全協・沼田広慶 全国会長

NPO法人 学習塾全国連合協議会(以下、NPO塾全協)の第44回全国研修大会が11月4日(日)、東京都豊島区にあるアットビジネスセンター池袋駅前別館で開催された。
今回講師に招かれたのは、広島女学院大学客員教授の出口汪氏。全国250校以上の学校や1000教室以上の学習塾が採用する教材「論理エンジン」の開発者だ。講演のテーマは「AI・グローバル時代にこそ必要な国語の論理教育」である。

STEM教育においても
論理的な読解力が必要

講演を行った出口汪 氏

講演を行った出口汪 氏

NPO塾全協東日本ブロック副理事長の稲葉秀雄氏の司会により、研修大会がスタート。理事長の内藤潤司氏が開会の辞の中で「今日は私たちが日頃思っていることを勉強したいと思います」と述べた。続いて全国会長の沼田広慶氏が大会委員長として挨拶。
「STEMのような新しい視点からの教育においても、論理的な思考力や読解力が必要です。そういう意味で出口先生は現代社会の救世主だと思っております」と述べた。
続いて後援団体の代表による挨拶。公益社団法人全国学習塾協会会長の安藤大作氏が次のように語った。
「出口先生の講演から、変わりゆく時代の波の中で、何を大切にしなければならないのかを拝聴させていただけるものと期待しております」
次に協賛団体の代表3名が紹介された。全国学習塾協同組合理事長の森貞孝氏、全日本私塾教育ネットワーク理事長の仲野十和田氏、埼玉県私塾協同組合理事長の坂田義勝氏である。
その後、司会が東ブロック事業局長の星野重治氏にバトンタッチされ、出口汪氏の講演が始まった。
「第四次産業革命の時代に本格的に入ろうとしています。これはAIやロボット中心による大きな産業変化です。今の子どもたちが社会に出て活躍する頃にはどんな社会になっているのか、その時に必要な学力は何であって、どの順番で教えていけばよいのか? こういった視野がないと教育現場に携わることはできないでしょう」

知識を使いこなす力の
土台になるのが論理力

「私たちが受けてきたのは古い教育です。江戸から明治にかけて、正解はすべて欧米にありました。翻訳された答えを疑うことなく吸収すればよかったのです。これが日本の大学の出発点です。だから、子どもの時から暗記や計算を繰り返してきました。まさに江戸時代の蘭学と私たちが受けてきた教育は根本において変わっていないのです。子どもたちは何も考えなくても先生や教科書の答えを吸収すれば点がもらえます。そして翻訳能力を鍛えて、いい大学に行ったら安定した将来が保障されると信じていました。ところが記憶も計算もコンピュータの仕事になって、人間は要らなくなったのです。どんなに頭脳明晰でも記憶力と計算力はコンピュータに勝てません。しかし、子どもたちに知識を使いこなせる力をつけたならば、将来、記憶や計算や肉体労働はロボットに任せて、真に自由で創造的な人生を生きられるのです。仕事を奪われてしまう人間になるのか、自由に生きる人間になるのか、これを決定するのはこれからの教育だと思います。
知識を使いこなす力の土台になるのが論理力です。私が40年近く前に『国語は論理の教科だ』と言ったとき、ほとんどの学校や塾の先生方から批判されました。でも、世の中の風潮が変わり、こうした議論にはピリオドが打たれたと思っています。

興味深いのは新井紀子先生の『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』という本がベストセラーになったことです。新井先生が数学者であり、AIが東大入試を突破できるかどうかのプロジェクトの主催者だったことは私にとって衝撃でした。AIに入試問題を解かせてみると明青立法中は合格できても、東大は無理だと書かれています。AIは計算するだけで読解力がないからだそうです。では、今の子どもたちの読解力はどれくらいか。新井先生が調べてみると、中高生のほとんどが教科書の文脈を理解できないことがわかったと言います」

国語に再現性をもたらした教材が
「論理エンジン」

会場の様子

会場の様子

「私はこれまでの国語の教育と、日本の芸事は似ていると思うのです。琴や三味線などの芸事は師匠に弟子入りして、厳しい修行のもとに体得します。一方、西洋の音楽は楽譜という論理を獲得しています。
アフリカや南米の音楽が近代に入って西洋の音楽と出会った時、あっという間に世界中に広がりました。楽譜に記して、その通りに演奏すれば、再現できるからです。
国語を教える先生方のほとんどは、文学部日本文学科の出身です。子どもの頃から本が好きで何冊も読んでいるため、なんとなく文章や問題文がわかるのです。だから、どうすれば国語の力がつくのですかと聞くと『たくさん本を読みなさい』という言葉が返ってきます。ところが今の子どもたちの多くはマンガやライトノベルは読みますが、難しい本は苦手です。国語の先生方のような文章経験の積み重ねがないため、読解力がつきにくいのです。

そこで私は『論理エンジン』という教材をつくりました。国語に再現性をもたらす、音楽の楽譜のようなものです。テキストを読んでしっかり教えれば、子どもたちに一貫した論理的な読解力が身につきます。
言語運用能力、つまり論理力が鍛えられるのです。
論理は、言葉の規則です。多くの民族が暮らすヨーロッパでは、他者意識があるため、言葉の共通の規則を使ってコミュニケーションするしかありません。これが論理なのです。私が北欧に視察に呼ばれた時、スェーデンやフィンランドの小学校では、母国語という言語を技術として習得させてから、理科や社会を教えていました。ヨーロッパの先進国の多くはそうなっています。
私は小学生向けの教材開発にも取り組み、ようやく『論理エンジンキッズ』が完成しました。多くの塾で使っていただき、子どもたちが喜んで取り組んでいると聞いています。みなさんと力を合わせて、日本の教育を変えていきたいと思います」

約90分間の講演が終了して閉会式へ。大会実行委員長の星野勝弘氏が「出口先生のご講演を一つの契機として教育に携わる皆様とともに力を合わせ、私たち自身が子どもたちの明るい未来の礎になる決意を新たにし…」と大会宣言を読み上げた。

続いて協賛団体を代表して、全国学習塾協同組合理事長の森貞孝氏が次のように挨拶した。
「シンギュラリティの到来が当初は2045年といわれていましたが、今は2030年頃だといわれています。こうした時代に基本となるのは国語であり、ロジカルシンキングの力を身につけなければならないと、出口先生のお話をうかがって改めて心に刻み直した次第であります」

閉会の辞を述べたのは、西日本ブロック理事長の山下典男氏。
「今日は平成最後の全国研修大会になりました。国語はコンピュータでいう基本ソフトのようなものであることがわかりました。2019年からも塾全協をよろしくお願いいたします」


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