
AJC(全国学習塾協同組合)森貞孝理事長の最新教育情報第10回
「学童保育」はいかがでしょうか
去る4月24日、当団体の関西支部がセミナーを開催した。当日会場となった兵庫県私学会館には会場の定員130名を超える申し込みがあり、残念ながら直前の申し込みについてはお断りせざるを得ない盛況であった。
当組合は関西にはしっかりした拠点を持たず、兼ねてより繰り返し組合員からの要望があったが、今回高嶋、川東両理事のもと、関西地区組合員の活性化、各種情報の発信を含めて企画したもの。灘中学校・高等学校の和田校長を招いて、「未来で活躍する人財と教育の役割」と題して講演をいただいた。
また翌日には大阪のドーンセンターを会場に、IT導入補助金についての説明会を実施し、積極的に取り組む姿勢をアピールした。
関西では引き続き6月19日に同じ兵庫県私学会館で定期勉強会を実施し、「学校外教育バウチャーの実例を通じた、塾・学校・企業が連携するビジネスの可能性」と「塾的・学校的アクティブラーニング実践が、主体的・対話的で深い学びを作る」の二つのテーマで2時間にわたって行う予定。
なお、今後も組合員の要望を踏まえて、定期的にセミナーを行うほか、首都圏同様「塾・教育総合展」の関西版の開催を模索していく。
当組合では、全国の組合員、賛助会員(企業)、特別賛助会員(学校)の新規会員募集を行っている。関西地区に限らず学習塾経営に役立つ情報の周知や勉強会などでお役に立ちたいと考えている。
さて、学習塾の先生方に、学童保育はどうだろうか。以前は、学童保育は小学校3年生までだったが、現在は6年生までに延長されている。多くの子どもたちが放課後の居場所がなく、友だち同士で繁華街をぶらついたりして非行の温床になりやすいことが指摘されている。先般の衆議院選挙の際の自民党の公約に、消費税2%アップの財源を学童保育の待機児童解消にもあてるということが入っていた。そのうちの20%が民間の事業者を対象にしているということのようだ。小学生対象の学童保育は、まさに学習塾の多角経営にもぴったりで、そこに学校の指導外のプログラミング(ロボット)やそろばん、習字、パズル、将棋や囲碁など知能開発に関するものを組み合わせていくこともできるのではないか。
当組合では、今後いろいろな角度から学習塾経営に役立つ様々なノウハウを集めて、研究していきたい。そして規模が小さい塾でも可能なツールや指導方法を取り上げていきたい。例えば日智コーポレーションの「高校数学偏差値UP5」は、高1コース3000円で、高校1年生の数学が順番に問題をさせていくだけでぐんぐん力がついていくと評判だ。中3から卒塾していった生徒にも利用すれば、高校生の数学の指導が無理なくできる。最小限の人手と経費で、高校生の面倒もみられる優れものだとお勧めしたい製品だ。学習塾の諸先生の本年度のさらなるご活躍を期待している。