
第12回 全国模擬授業大会
去る5月28日(日)、開倫塾(林明夫代表、栃木県足利市)主催による「第12回全国模擬授業大会」が、白鷗大学足利高等学校で開催された。前日には「脳を活性化するシナプソロジー」(株式会社ルネサンス・望月美佐緒先生)や「授業力アップ」(野田塾・小川英範塾長)と題するプレイベントが開かれた。
めざせ、教え方日本一
「教育の成果を決定する要因は、本人の自覚と先生の力量です。本大会では、主体的に学ぶとは何か、何のために学ぶのかなど、本人の自覚を促すような模擬授業を自由自在に展開していただくことを期待しています」
主催者を代表して開倫塾の林明夫塾長が挨拶した。そして、年間の授業計画に基づいて授業の設計を行うこと、「レッスンプラン」や「本日の目標」、「Can Do」などを授業の冒頭に示すこと、また生徒のモチベーションをいかに向上させるかが評価ポイントであると述べた。
参加団体は40余り、日頃の研鑽の成果を競い合う先生たち50名余りがエントリーした。審査員は小中学校の校長や全国の塾代表をはじめとして、学生ボランティア審査員も多数参加した。
生徒に伝わるのは、〝キレ〟のある授業
午前中に行われた予選は、英語・数学(算数)・理科・社会・国語・AE(オール・イングリッシュ)の6部門で、教科ごとに2~3教室に分かれ、熱戦が繰り広げられた。
各教室の1位通過者による予選決勝を経て、いよいよ各教科1位通過者(部門チャンピオン)5名で本選が行われた。
見事、グランドチャンピオンに輝いたのは、島崎藤村の「初恋」をテーマに、書き手の思いや詩の味わい方について情熱的な授業を行った野田塾・安藤寛史先生だ。また、今年度より過去のタイトルホルダーも参加可能なルールとなった中で、数学部門で優勝した石田朋彦先生は、第9回全国模擬授業大会の英語部門で優勝の実績を持ち、念願の2冠を獲得した。
審査委員長を務めた野田塾の小川英範塾長は、次のように講評を述べた。
「評価のポイントは、内容・話し方・動き・板書における『授業のキレ』です。キレのある授業は、すなわち生徒に伝わる授業にほかなりません。内容のキレ味を上げるには、テーマを述べて余分なものを削ぎ取り、結論のゴールまで突っ走ること。話し方はリズムよく余分な言葉や間を取らず、しかし適切な間も必要となります。優秀賞に輝いた先生方は、必ずホームポジションに戻って板書を見やすくしようと心がけていたことも印象に残りました。板書は生徒が復習しやすいように端的にまとめることも大切です。本日の模擬授業を通して得た多くの気づきを、ぜひ日々の教育現場に活かしていただきたいと願っています」
次回は、野田塾が主催する全国模擬授業大会が、10月29日(日)に愛知県の名古屋中学・高等学校で開催される予定だ。「わかりやすい」「ためになる」「おもしろい」そして「やる気が出る」といった観点で、志の高い優れた講師陣が熱戦を繰り広げることが期待される。
第12回 全国模擬授業大会(主催・開倫塾)
各賞受賞者(敬称略)
■ 個人賞
【最優秀賞】
野田塾 安藤寛史(国語)
【優秀賞】
野田塾 安藤寛史(国語)
トーゼミ 石田朋彦(数学)
開倫塾 河村研人(理科)
野田塾 杉本幸延(社会)
青森練成会 安部光(英語)
【私の教わりたい先生特別賞】
洛西進学教室 戸田有香(国語)
野田塾 安藤寛史(国語)
トーゼミ 荒井悠太(数学)
トーゼミ 石田朋彦(数学)
開倫塾 河村研人(理科)
練成会グループ 高井紀明(理科)
野田塾 杉本幸延(社会)
開倫塾 小笠原孝(社会)
開倫塾 津久井幸(英語)
練成会グループ 安部光(英語)
ナカジュク 七野弘幸(英語)
■ 団体賞
1位 開倫塾 (栃木県)
2位 野田塾(愛知県)
3位 トーゼミ(埼玉県)
■ チャレンジ賞
「オール・イングリッシュ部門」
開倫塾 広瀬岳亮(社会)
開倫塾 高橋保博(英語)
ナカジュク 七野弘幸(英語)
