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第47回 青木経営フォーラム in 奈良 人間大事の教育と新しい経営戦略を学ぶ

2017-06-30

5月14日(日)、15日(月)の両日、「第47回 青木経営フォーラム in 奈良」(エース教育総合研究所(青木清理事長)主催、(株)メリック後援、(株)ケーイーシー協力)が、KECゼミナールなどを運営する株式会社ケーイーシー(小椋義則社長、奈良県生駒市)にて開催され、多くの塾関係者が集まった。

14日は、本社にて小椋社長が「会社の理念・ビジョン、従業員満足度調査全国4位の取り組み」と題する講演を行い、同社スタッフによる「企業統合と半年間で驚異のV字回復」「管理本部と人事について」をテーマとする講演も行われた。15日は西大寺教室にて、同じくケーイーシースタッフが「KECゼミ・志学館ゼミの取り組み」「KEC個別・東進の取り組み」について講演し、質疑応答も行われた。

 

苦しいときこそ、メンバーを前向きにさせるのがリーダーの仕事

冒頭、主催のエース教育総合研究所・青木清理事長は「皆様に支えられまして、おかげさまで第47回を迎えることができました。心から感謝申し上げます」と挨拶し、(株)ケーイーシー・小椋社長が登壇。動画を見せながらの臨場感あふれる講演を行った。

(株)ケーイーシー 小椋義則 社長

(株)ケーイーシー
小椋義則 社長

大手人材企業に2年半勤務したあと2007年にケーイーシーに入社した小椋氏は、2012年に先代社長の小椋俊男氏が亡くなったあとに代表取締役に就任。名実ともにケーイーシーという組織のリーダー役を担っている。

先代から学んだことを義則社長はこう語る。

「私がケーイーシーに入社した頃は、生徒数も減り続け、業績も悪化していました。幹部の一人が入試直前に独立、騒動を起こした際は、毎日クレーム対応に明け暮れました。しかしそのような状況の中でも父である先代社長は社員にはいつも笑顔で話しかけているのです。あの笑顔がどれほど社員を安心させ、心の拠り所になっていたことでしょう。みんながしんどいときこそ、メンバーを前向きにさせるのがリーダーの仕事だと私は思いました。リーダーや幹部は、調子のいいときは何でもできるような気になってしまうものです。しかし、調子がいいときは誰でも業績を上げられるときなのです。逆に業績が悪いとき、どのように上げるかを考えるのが、本物のリーダーだと私は思います」

12年3月に先代社長が亡くなったあと、関西の大手塾が奈良県に進出してくるなど同社を取り巻く環境はさらに悪化し、現場のスタッフも焦っていたという。しかし、「このピンチをチャンスに変えようと思い、これを機にやれることをいっきにやろうと決意しました」と小椋社長は語る。

会場の様子

会場の様子

そのやれることとは、大きく2つ。自分たちが勝てることは何だろうと考え、トップ校の合格者数で競い合う塾ではなく、やはり理念や人間教育で勝てる塾をつくるということ。もう一つは実行力のある組織です。どれだけいい戦略があっても、それを実行できる組織でなければ結果は絶対出てきません。会社の方針や決定事項が社員の自主的な行動により徹底される強い組織、強い企業文化をつくろうと決意し、すぐに取り組み始めました」。

1977年の創業以来、ケーイーシーは一貫して「人間大事の教育」が企業理念。そして、受験を乗り越え、実社会に出てからも力強く前に踏み出し続けるために必要な力は学力だけではないとの考えから、教育コンセプトは「10年・20年先にも続く自信を育む」とした。

「世界で一番通いたい教育機関」を目指しているので、今後は教室数を増やすよりも、教室周辺の地域にとって圧倒的な存在となり、圧倒的なシェアを占めていきたいとのこと。また、日本で一番モチベーションの高い会社を目指しているので、女性スタッフが輝き続けるためにも、近いうちに保育所をつくる予定だ。

さらに海外展開も視野に入れ、ゆくゆくはアジア中に塾をつくりたいと小椋社長は語った。

 

統合する企業の社員と信頼関係を築き、モチベーションをアップ

ケーイーシーの山本氏と上野氏は「企業統合と半年で驚異のV字回復」と題する講演を行った。

昨年ケーイーシーは(株)アンドリューと企業統合し、KEC志学館ゼミナール(4教室)、KEC志学館個別(3教室)、KEC志学館manavi (1教室)、志学館予備校(2教室)の4ブランドが増加。10月14日には盛大に企業結婚式を行い、マスメディアにも取り上げられた(本誌16年11月号にも掲載)

懇親会で挨拶する(株)メリック・森本一 社長

懇親会で挨拶する(株)メリック・森本一 社長

統合前はアンドリューの経営管理部長だった上野氏は、統合直前には3年間で3割生徒が減少し、会社全体も閉塞感でいっぱいだったと言う。「オール奈良県で戦え、業績も社風もすばらしいケーイーシーとの統合を考えるようになりました。競合する教室は1カ所だけで、教育コンセプトなど非常に親和性が高かったからです。小椋社長からは、夏期講習を成功させることを前提にM&Aをしようと言われました」。

現在KEC志学館ゼミナールの本部長で、以前はKECゼミナールのブロック長だった山本氏はこう語る。

小椋社長に表彰状を授与するエース教育総合研究所・青木清 理事長(左)

小椋社長に表彰状を授与するエース教育総合研究所・青木清 理事長(左)

「統合にあたってまずしなければならないことは、アンドリューの社員との信頼関係を構築し、モチベーションをアップさせること。二つ目は、両社のノウハウ、企業文化を一本化することです。自信を失っている旧アンドリューの社員にどのようにアプローチするかが大きな課題だったので、なんとしても夏期講習を成功させて自信と覚悟を持ってもらうように仕掛けていきました」。

 

子どもたち自ら「通いたい、勉強したい」と思わせるような塾づくり

榊原氏、永持氏、小谷氏は、ケーイーシーの「管理本部と人事について」説明。

評価制度のポイントは、その時々の組織状態に合わせて業績が上がらざるを得ないような、人間心理にもとづいた評価制度の構築だという。評価項目は、生徒数、売上げ、利益、合格実績、環境整備、方針共有、多面評価。「これらの軸をわかりやすく社員が納得できるように評価制度に盛り込んでいます」と小谷氏は語る。

採用については、理念、企業風土で学生を惹きつけること、採用担当者の人物的魅力で惹きつけるのも大きなポイントだ。説明会や選考会を通して、「ケーイーシーで働けば、毎日ワクワクが止まらなくて楽しそう」という印象を与えることで、他社との差別化を図っているという。

竹本氏と山本氏は、「KECゼミ・志学館ゼミの取り組み」について説明した。「エデュテイメントで世界で一番通いたい教育機関に」を掲げる同社のライバルは、USJ、吉本興業、池上彰氏、松岡修造氏など。「通いたい、勉強したい」と思い、子どもの方から塾に行きたがってくれるような授業や指導を展開しているという。

生徒には、G-PDCAサイクルを回して学習させることも大きな特長。目標設定を行い、計画を立て、それにもとづき実行し、結果が出れば検証する。さらに行動を改善して次の目標や計画を練るというものだ。

森本氏と阪本氏は、「KEC個別・東進の取り組み」について語った。

ケーイーシーのスタッフを紹介する小椋社長

ケーイーシーのスタッフを紹介する小椋社長

ケーイーシーは東進衛星予備校に加盟してまだ3年だが、その「第一志望合格勝利の方程式」はまさに理想だと阪本氏は言う。東進ハイスクールと東進衛星予備校を合わせて全国に約1000校舎ある中で同社はすでに50位以内に入っているが、さらに上を目指して順位を上げていきたいと、その意気込みを語った。

※なお、ケーイーシーの先代社長、故小椋俊男氏は、日本民間教育大賞の民間教育特別功労賞を授与されている(本誌5月号参照)。

 

 

 

 

 

KEC ゼミナールの校舎内にある掲示物


ベネッセコーポレーション


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