「森塾勉強会 2017春」が全国17都市で開催!

2017-06-30

首都圏を中心に個別指導塾「森塾」を展開する株式会社スプリックスが公益社団法人全国学習塾協会と共催する「森塾勉強会 2017春」が、5月から7月にかけて全国17都市20カ所で開催されている。

重要テーマ「いま学習塾に求められている労務管理について」、基調セミナー「森塾の教務の現状と今後について」の2本立てで行われ、5月24日にTKPガーデンシティ横浜にて行われた勉強会には、学習塾関係者をはじめ約60名が参加した。

学習塾業界の継続と発展には、人材を獲得できる基盤が不可欠

(公社)全国学習塾協会・安部譲一 氏

(公社)全国学習塾協会・安部譲一 氏

最初に、公益社団法人全国学習塾協会の安部譲一氏が、「いま学習塾に求められている労務管理について」と題して講演を行った。安部氏はまず、バブル期よりも高まっている有効求人倍率を挙げ、社会問題になりつつある人材不足の状況を提示。学習塾業界が直面している厳しい現状について、参加者と問題意識を共有した。さらに、厚生労働省・文部科学省から学生アルバイトの労働環境の改善要請を受け、特に「授業以外の労働時間を正確に把握し、その時間に対しても適切な賃金を支払うことが求められた」と報告。両省からの要請を受け、スタートさせた制度において、今年3月に安心塾バイト認証事業者が誕生したことを改めて告知した。

続いて、「安心塾バイト認証制度」について、21の点検項目により審査されることや、申請から認証までの流れを説明。現在までに(株)スプリックスが運営する森塾をはじめ数百教室が認証を受け、問い合わせ件数も増えていることを報告した。その上で、「業界全体の意識を変え、労働環境を向上させることが制度設置の目的。認証基準を満たしていない部分があるからこそ、認証取得に向けて労働環境を改善していこう、と行動に移すことが重要です」と述べた。

最後に安部氏は、「学習塾業界の継続と発展を考えると、今こそ、人材を獲得できる基盤を築くことが求められている」と述べ、「労働環境改善への投資は人材の獲得・定着に必須であり、重要な経営判断。ぜひ、自社の労働環境について見直し、業界のためにご協力いただきたい」と締めくくった。

労働環境を改善することは、優れた人材確保にもつながる

(株)スプリックス・常石博之 副社長

(株)スプリックス・常石博之 副社長

続いて、基調セミナーとして、(株)スプリックスの常石博之副社長が「森塾の教務の現状と今後について」と題した講演を行った。

前半のテーマは、学生講師養成の取り組みについて。「森塾は学校の補習塾であるが、成績を上げるために一番重要なことは、「授業の進度」であると断言。すなわち、学校の進度より先に進み、予習型の授業が展開できている状態を維持することこそが極めて重要で、どの講師でも授業を効率よく進行できる「仕組み」の重要性を強調した。続いて、実際の教室の様子を映像で見せ、手際よく授業を進めて日報も授業内に書き終わり、10分休憩には生徒と談笑する講師の姿を紹介。「労務を管理し、講師にも休憩時間を確保することが大事。休憩時間まで業務に追われるのではなく生徒とコミュニケーションをとることで、塾が生徒にとっても講師にとっても楽しい場になる」と述べた。

さらに常石氏は、塾講師募集サイトのアクセス数や応募数、採用率などを挙げながら、学習塾業界の人材不足や人材の質の低下の現状を示し、特に個別指導塾の厳しい状況を危惧した。その上で、「安心塾バイト認証制度」を利用し認証を取得した複数の塾における募集サイト経由の応募率が前年比167.3%と大きく伸びたことを報告。「学生の間でも学習塾業界にブラックなイメージが先行してしまっている中、認証を受けている塾に対する安心感が大きいことがわかった。業界全体で認証取得を目指して労働環境改善に取り組めば、業界のイメージ改善につながる」と呼びかけた。また、人材の獲得と共にカギになる人材の定着についても言及。「森塾では講師の満足度も在籍期間も伸びており、今後も講師の職場満足度にアジャストしていきたい」と述べた。

指導の効率化、仕組み化を進め、組織にノウハウを蓄積する

後半のテーマは、森塾が実践する教務や授業、そして今後の方針について。常石氏は、「楽しく通えて成績が上がる塾を目指している」と述べた上で、「生徒にとって楽しい場であるだけでなく、講師にとっても楽しい場であることが重要」と再度強調した。その理由の一つとして、「学生講師が塾に求めることのトップは、楽しく働けること」という自社のアンケート結果を挙げ、生徒とのコミュニケーションや生徒の成績が上がることによる「やりがい」よりも、「楽しさ」や「労働環境の良さ」を重視する学生が増えてきていることを示唆した。その上で、森塾の講師の高い満足度の背景には、ここ1年半の間に取り組んできた労働環境の改善(労務管理、タブレット導入、日報のシンプル化、準備給の支払いなど)があると分析した。

続いて、生徒の成績を上げるための取り組みについて言及。「講師一人ひとりの自主性に任せるのではなく、成績を上げるための仕組みを構築し、それをすべての講師が実践することが重要」と述べ、組織としてノウハウを蓄積し、共有すべきだと強調した。さらに、「教材や授業にはすべてを盛り込むのではなく、必要なことだけを厳選する必要がある」とし、「指導を効率化することで、生徒の成績も上がりやすくなり、講師の負担も少なくなる。指導の効率化、仕組み化ができていない塾は、今度どんどん厳しい状況に追い込まれるだろう」と述べた。

その後は、塾向け教材『フォレスタ』シリーズの特長や、教材を活用した具体的な指導法を紹介し、「生徒の成績を上げるのにもっとも効率的なやり方は何か、ということに徹底的にこだわってきた森塾の方針や指導法を、ぜひ参考にしてみてほしい」と訴えた。

最後に常石氏は、2020年に向けた森塾の方針についても言及。「大学入試改革、英語の4技能化、アクティブ・ラーニング…と世間では騒がれているが、冷静に分析すると、学校現場は大きく変わってはいない。それゆえ、学校の補習塾である森塾も、今すぐに大きく変わる必要はないと考えている」と述べた。その上で、「焦る必要はないが、中長期的には変わっていく必要があり、現在は社内で様々な実証実験を行っているところです」と締めくくった。

熱心に講演を聞く塾関係者たち

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