
(株)SRJ「速読」が変えた、子どもたちの未来
英語教室経営者3名が語る、速読解力講座の可能性
近年、入試問題の長文化が進み、限られた時間の中で文章を速く正確に読み解く力への注目が高まっている。そうした中、教育業界における速読講座の草分け的存在である株式会社SRJ(松浦淳志代表取締役 東京都)は、「速読解力講座」や「速読聴英語講座」などを展開。多くの教育機関で導入が進んでいる。
中でも、長年英語教育に携わってきた3人の教室経営者が共通して導入しているのが「速読解力講座」だ。今回は、地域も教室スタイルも異なる3教室の先生方に集まっていただき、導入のきっかけや継続の理由、そして子どもたちに起きた変化について語っていただいた。
■今月の表紙

●ABCランド
代表 岩田 まゆみ 氏(岐阜県笠松町)2000年開校。地域密着型の英語教室として、紹介のみで26年にわたり教室を運営。子どもたちが将来羽ばたくための“未来への翼”を育むべく、英語・速読・タイピング教室を展開している。また、特定非営利活動法人ユートッレク理事として国際交流活動に長年従事。多くの若者に広い視野を育む体験を提供し、リーダー育成事業にも携わっている。
(以下、敬称略)
「英語教育」と「速読」が結びついた理由は国語力
―皆様がSRJの速読解力講座と出会ったきっかけを教えてください。
金谷 2013年頃、英語の授業でiPad活用を進めていた時期に、EDIXでSRJのブースを見つけたのが最初です。当時は「速ドッグ」のキャラクターがすごく目立っていて(笑)。英語教材の情報収集で行った展示会だったのですが、速読に興味を持ちました。
教室を置く静岡県富士市は、中小企業も多く、意外と英語が必要な地域です。しかし、「自分は英語を使う人生にはならない」と考えている人が少なくありませんでした。そこで、「中学英語を学ぶ段階で、実践的な英語もある程度使えるようにしたい」と、指導方針を転換しました。そんな中で、〝読む力〟や〝処理能力〟を高める速読の考え方に大きな可能性を感じたのです。
諸木 私は10年半ほど前です。長年の友人だった金谷先生が大阪で行われたSRJの事例発表会に登壇されたのがきっかけです。直接講演を聴いたわけではないのですが、大阪に来られると連絡をいただいたので、カフェで合流しました。最初は「英語の速読」だけの話だと思っていたんですが、話を聞くうちに、母語の力、つまり国語力の重要性をすごく感じたんです。私自身、年々子どもたちの「母語の力」の低下を感じていました。そもそも思考する際の言語は母語である日本語ですから「外国語能力は母語能力を超えない」のです。これは絶対に必要だと感じて導入を決めました。
導入後、中高生は必須、小学生は自由選択制にしましたが結果的に全員が受講しています。小学4年生以上を対象にしているので「4年生になったら速読ができる!」と憧れを抱いている子もいるほどです。速読のおかげで受験を突破できたという子も多いです。
岩田 私も、金谷先生が登壇されたセミナーがきっかけでした。英語教育に関するセミナーのはずが、気づけば速読の話に引き込まれていて(笑)。ちょうどICT教育に興味を持ち始め、iPad導入が進んでいた時期でもあり、「これは子どもたちに必要になる」と感じたのを覚えています。
速読の魅力は、国語力を土台にしながら、コツコツと努力を積み重ねる力が身につくことです。積み重ねることで、振り返った時に「こんなに成長したんだ」と実感できる。その経験を幼いうちから積めるのは、とても大きいと思います。
今では小学2年生になると、ほぼ全員が速読を始め、その多くが中学3年生まで継続しています。コツコツ努力することが、教室のカルチャーとして自然に根付いています。こちらは他社の教材ですが、タイピングを通して英単語を覚える教材も導入し、「中学入学までに英語単語を覚える」という道筋を作ることができました。事前に速読を導入していなければ、すんなりと定着することはなかったように思います。
―皆様は何がきっかけで英語教室を始められたのですか?
金谷 私は高校生の頃に通訳になる夢が芽生えて。どうしても英語が話せるようになりたくて、親に「4年制大学に行かせたと思って、その分のお金を貸して欲しい」と頼み、その資金で通訳の専門学校に通いました。さらに、1年間休学してアメリカ留学もしました。卒業後は様々なキャリアを積み、最後に勤めた会社が子ども向けの英語教育企業です。その後のキャリアを考えた時に迷いが出て、思い切って仕事を辞めました。そんな時に、隣の家の娘さんに「尚ちゃん、英語教えて」と頼まれたんです。「一人教えるのも、何人教えるのも一緒かな」と思って生徒募集のチラシを出したところ、集まったのが12名。まさかここまでになるとは思ってもいませんでした。
諸木 私も同じです。30年前、近所の人に「うちの子に英語を教えてほしい」と頼まれました。これまで通訳などを引き受けていたのみで、子どもに教えた経験はありません。アルクの児童英語講師養成講座を受講しながら、試行錯誤で3名の生徒からスタートしました。私も30年も続くとは思ってなかったです。
岩田 私も甥っ子に英語を教えてほしいと言われ、始めました。どうせならとことんやろう!と、今は海外でのホームステイや高校留学など、国際交流やグローバル教育にも力を入れています。
続けられる理由は「子どもの変化が見える」から
―長年継続されていますが、その秘訣はどこにあるのでしょうか。
岩田 やはりコンテンツの完成度ですね。SRJは、常に5年先、10年先を見ていると感じます。子どもたちの興味の〝少し先〟を走ってくれている。しかも、ただ新しいだけじゃなくて、ちゃんと学びにつながっているので、指導者としても、保護者に説明しやすいんです。
諸木 先進的なんですが、土台がすごくしっかりしているんですよね。読解力チェックなども含めて、「読む力」を多角的に育てる仕組みがある。私たちは英語指導が専門ですが、それ以外の〝学習の基礎〟を担ってくれている感覚があります。
金谷 子どもごとにカスタマイズしやすいのも魅力です。コンテンツが豊富なので、「この子には次にこれをやってみよう」が作りやすい。体験授業をすると、ほとんど即決してくださいます。周囲を気にせず、自分の画面に集中するので、自然と集中力も育っていきます。うちの中学生クラスは80分授業ですが、速読をやっている子は、振り返りやワーク、まとめまで含めても、他の子より圧倒的に処理が速い。感覚としては3倍くらい違います。同じ時間でも取り組める量が増えるので、結果的に成績向上にもつながっていると感じます。
「昨日の自分よりできるようになった」が可視化されるから自信に繋がる
岩田 印象的なのは、「どの子にも必ず刺さるポイントがある」ということです。うちに識字障害がある生徒がいますが、文字が苦手でも、図形や色、空間認識に強みを持っていて、全国ランキングでトップになったこともあります。学校教育だけでは見つけてもらえなかった才能が、速読トレーニングの中で見えてくるんです。お母様が「こういう強みを活かして将来の仕事を見つけていけば良いということなんですね」と涙ながらにおっしゃった時は本当に嬉しかったです。「どの子にも可能性がある」と、本気で言えるようになりました。
諸木 そうそう!速読はコンテンツのバリエーションが素晴らしいので、子どもの強みを見つけることができるんですよね。保護者の方って、どうしても他の子と比べてしまうんですよ。全国で高順位だと伝えても「いや、ズルしてませんか」なんて疑ってしまう。でも速読は、「昨日の自分よりできるようになった」が可視化される。それが自信につながっていくんです。
岩田 子どもの脳は柔軟ですから、繰り返しのトレーニングで「視読」ができるようになりますし、親を超えられる子になる、と思っています。
金谷 正直言って、それなりの受講料をいただいていますが、保護者の皆さんも長いスパンで見てくださっていると思います。うちは小学校低学年から中学卒業まで続ける子が多いです。一般的な学習塾だと入塾の時期がもっと遅いのでどうしても結果にフォーカスしてしまうんじゃないでしょうか。
岩田 全国約3400の導入教室が脳トレトレーニングを競う『スピードマスターズ教室対抗』というものがあるのですが、うちの生徒たちが非常に好きで、みんな盛んにやっているんです。ランキング形式なので、子どもたちは夢中になって取り組みます。すると、大人の予想を超える力を発揮してくれるんです。
SRJの速読解力講座や速読聴英語講座を含むICT教材は、全部ひっくるめて『TERRACE(テラス)』と名付けられており、そこには「日本各地でがんばっている様々な子どもたちを照らす」という願いが込められています。まさに、日本各地でがんばっている子どもたちを照らしてくれる、そんなトレーニングだと思っています。
共通テストや難関校入試でも実感する「読む力」の差
―実際に、学力面での成果は感じていますか。
諸木 速読を続けていた子たちからは、「共通テストで役立った」という声を本当によく聞きます。速解力チェックでは、「何を聞かれるか」を予測しながら読むトレーニングをしますよね。それが、実際の試験で生きています。京都大学や大阪大学に進学した卒業生も、「問題のポイントを考えながら読めた」と言っていました。
金谷 海外の大学って、日本とは比較にならない量の英文を読むので、留学した子たちからは「英語長文への抵抗感がなかったのは、速読のおかげ」と、とても感謝されます。導入当初はここまでの成果が望めるとは正直思っていませんでした。特に難関大学や海外大学院に進学した子たちにとっては、速読力があったからこそ切り拓けた今があるようです。
検定が「努力の見える化」になる
―速解力検定についてはいかがですか。
諸木 速読解力検定は年3回実施してくださっており、自分の実力を測る目安になっています。結果は必ず一人ひとりにフィードバックするようにしています。昇段したら賞状ももらえるのですが、紙の賞状って、やっぱり特別なんですよね。
金谷 うちは1級以上を取った子には、金色の額に入れて賞状を渡しています。教室の階段にずらっと掲示していて、昇段すると上に貼り替えています。
岩田 卒業生が就職の面接で「速読解力検定って何?」と話題になったと聞きました。その子は結果的に大手企業に就職しました。別の子は起業したそうですが、「何が必要で、何が必要じゃないか?あと何を求められてるかっていうことを速読のトレーニングの中でいつも考えていた。タイパよく物事を処理する力がついた」と話していましたね。
諸木 それは本当に大事です。あの速解力チェックって、短文を読んで、書いてあることを自分で理解して、「読めた」ボタンを押すと、その短文が消えてしまうんですね。で、質問が出て、その答えを5つある選択肢から選ぶんですが、私は「何を聞かれるかを予測しながら読まないとダメだよ」と、ずっと伝えてきました。「やっぱり予測しながら読めって先生に言われたのはすごくよかった」と言ってましたね。
速読が育てるのは「人生の土台」
岩田 今の子どもたちは、ショート動画やゲームに囲まれています。だからこそ、10代のうちに〝集中する経験〟を積むことが大事だと思うんです。集中力や持続力が身につく。それが速読の魅力ですね。
金谷 私は、「時間の価値が変わる」と思っています。子どもはお金は持っていないけれど、時間は持っている。若いうちに脳を鍛えておけば、大人になった時に「1時間の価値」が変わってくるんです。これからの時代は、学び続けることが前提になる。だからこそ、「脳を活性化させ続ける」という視点が大切だと思っています。
諸木 最終的には、「幸せな大人になってほしい」ということですね。30年やってきましたが、今年からまた年中・年長クラスを始めました。還暦を過ぎましたが、生涯現役です(笑)。教え子から「自分たちの子どもを教えてくれるまで英語教室を続けてください!」と熱望されています(笑)時代は変わっても、良いものは取り入れながら、子どもたちにしっかり向き合っていきたいです。
金谷 私にとって諸木先生は、昔から背中を追いかけてきた憧れの存在です。SNSもない時代、英語教育の情報源は雑誌しかなかった。その頃からずっと第一線で発信されていた先生なので、実際にお会いした時は感動しました。こうして長く続けてこられたのも、仲間の存在が大きいですね。みんな個人経営者なので、女性の経営者としての悩みや課題を話し合える信頼できる友人の先生がいてくださるのは大きいです。
岩田 SRJには全国に仲間がいるのが大きいですね。セミナー登壇者のお話も毎回刺激になりますし、指導者としてのモチベーションになります。同じ志を持つ仲間の存在って、本当に財産だと思っています。





































