
AJC(全国学習塾協同組合)森貞孝理事長の最新教育情報 第103回
学習塾から知恵を出し、引きこもりと不登校の解決策を
民間教育は今後どのような方向を目指していけばよいのだろうか。改めて考えてみたい。
文部科学省が昨年10月に発表した2024年度の調査によると、小中学校における不登校児童生徒数は過去最多の35万3000人余り、前年より7000人以上増えたという。
別の統計で40歳から64歳までの半年以上自宅に引きこもりの数は推計61万人との推計を内閣府が出している。この二つの数字は将来の日本に大きな課題を投げかけていると思われるがいかがなものか。
家庭教育の崩壊は夫婦共稼ぎで子どもの面倒までとても見ることが出来ないのが原因だといわれたこともある。
しかし最近の社会の風潮を見ると、一部にそういうことがあるものの、今の若い世代は勤め以外の余った時間を自分たちの生活の楽しみに使っている、厳しくて子どもの面倒を見る暇がないという状況には見えない感じがするように思われる。
少子化の時代にこれほど多くの引きこもりがあり、その可能性を持った子どもたちがいる事態を社会はもっと真剣に考えなければならないのではないか。
教育の世界は、いわゆる家庭教育と学校教育、それに加えて今は大学を出てからも激しいIT関連の進歩によってついていけない、仕事が出来ない人が増え続けている時代だ。社会の構造の大きな変化に民間の教育機関はどのように対応していけばいいのだろうか。
先日、全国学習塾協同組合が主催する塾・教育総合展の会場には学習塾や学校の来場者よりもIT関連のスタートアップ企業がはるかに多く、出展社と来場者の熱心な会話も多く見られた。
塾の指導の在り方も大きな変化がみられる。探求型の塾が増えてきた。子どもたちの興味を引き出し、やる気を起こさせて学習指導につなげるやり方だ。
理科の実験を売りのメインにしているところもある。英語の指導は小学校まで教科に含まれるようになって、スピーキング中心や英検3級対策中心など本当に種類が増えた。そして一方では武田塾のように教えないことから自学自習の力をつけようとするものまで数え上げればきりがない。
塾にIT関連の内容を外すのは不可能だ。長文をあっという間に要約してくれる、問題作りはお手の物だ。生徒の過去のデータを入力すれば簡単に欠点を見つけたり志望校を探したりしてくれる。それ以上に子どもたちがタブレットを使いこなしている。上手に導いてやれば目を輝かしてついてくる。勉強だと思えば嫌がるが遊びの感覚をいれるともっとやりたいという。
話を元に戻そう。この勢いで引きこもりを増やしていっていいはずはない。ほかの国ではほとんど起きていない問題を、日本のような教育立国でひどくなりつつある現状を看過できないと考える。
家庭教育と口にするとすぐ旧統一教会と関連付けて考えられるから口にしたくないと言われる方もいた。しかしそんなことを言っている場合ではないのだ。不登校児が40万人を超えることは絶対に阻止したい。学習塾からぜひいい知恵を出してほしい。塾が元気になってほしい。生徒一人ひとりの立場に立って、未来の希望を持たせる指導を続ける方法を考えていきたいのだ。

































