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    2歳から社会人まで長期支援

発達障害教育のパイオニア「さくらんぼ教室」
2歳から社会人まで長期支援

2025-05-01
(株)Grow-S 代表取締役 伊庭葉子 氏

(株)Grow-S 代表取締役 伊庭葉子 氏

さくらんぼ教室は35年にわたって発達障害教育と向き合い、1人ひとりの生徒を長期支援してきた。発達障害というテーマに対する世の中の認知が進むにつれて教室運営を拡大し、現在は東京・千葉・神奈川で14教室を展開する。
教材の出版や教育プログラムの開発も手がけ、昨今は大手企業とのコラボレーションも注目を集めている。さくらんぼ教室を運営する株式会社Grow-S(千葉県市川市)代表取締役 伊庭葉子氏を取材した。

地域ボランティア活動から生徒数3400名に拡大

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さくらんぼ教室は勉強や友だちづきあい・コミュニケーションが苦手な子ども、発達障害(「神経発達症」。自閉スペクトラム症/ASD、注意欠如・多動症/ADHD、限局性学習症/SLD、知的発達症など)をもつ生徒のための教室だ。
伊庭氏は学生時代に養護学校教諭免許を取得し、当時の公文教育研究会に新卒入社して障害児教育に携わった経歴を持つ。「全国の教室で子どもたちに寄り添う民間の指導者との出会いを通して、子ども1人ひとりに合わせたカリキュラムで学べる場所を作りたいと考えるようになりました」
1990年、地域のボランティア的な活動をスタートした。わが子に教育を受けさせたいという保護者の気持ちに応え、学ぶ楽しさやできる嬉しさを子どもたちに実感してほしいとの一心だったと振り返る。「折しも特殊教育から特別支援教育への過渡期で、いわゆるLD(学習障害)が認知され、通級指導教室がスタートするなど特別支援教育の夜明け前の時代です。障害があるからできないのではなく、その子に合う教育を受ける場所・機会が少ない状況の中、通常学級で学びにくい子どもに寄り添った教育の必要性を痛切に感じました」
1995年に千葉県市川市でさくらんぼ教室第1号店を開校。当初は特別支援学校や学級に通う子どもたちの割合が多く、特別支援学校を受験するための塾として知られるようになった。通常学級に通う子どもたちが少しずつ増え、算数だけができない・読み書きが苦手などLDや発達障害の概念が認知されていくうちに、さくらんぼ教室の役割は拡大していく。「手作りの教材をブラッシュアップして出版した『特別支援の国語教材・算数教材』(Gakken)によって、私たちのノウハウやメソッドを教材という形で学校にも貢献できると確信しました」

福祉サービスと一線を画す
教育サービスに信念を貫く

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児童福祉法の改正をはじめとする法整備によって、放課後等デイサービスなど福祉サービスも広がりを見せた。
「当時は〝発達障害バブル〟という言葉も聞かれるほど、発達障害の子どもたちを対象とするビジネスが市場に広がりました。私たちは、教育は福祉サービスとは別であるべきだと捉え、教育サービスにこだわり続けてきました」
生徒層の広がりに伴い、指導の幅も拡張していったという。
「2歳から社会人まで能力面にも幅があり、クラスや教材も多様化しました。その多様性があったからこそ、多岐にわたるノウハウを蓄積することができたと思います。いつでもどんな子どもでも受け入れてきたスタンスが、結果的に私たちの専門性につながりました」
学習に重点を置いて基礎学力を身に付ける教科の教育とともに、心の教育や社会性の教育を複合的に行うのが、さくらんぼ教室の特徴だ。SST(ソーシャルスキルトレーニング)やLST(ライフスキルトレーニング)のカリキュラムを通して自立した生活を目指す。

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「多数派の子どもたちが生活の中で当たり前に学んでいくことを〝あえて学ぶ必要がある〟子どもたちが多いため、教科の力と生きていく力の両輪が求められます。あらゆる年齢層や能力、子どもの特性に応じて教材やアプローチを提案するメソッドを構築してきました」
学校や地域、医療・支援機関とも連携を深め、発達障害への理解・啓発に努めている。
「東京都教育委員会から高校生のための『コミュニケーションアシスト講座』を受託しています。都立高校における通級指導の連携事業者、千葉県特別支援教育専門家チームとして公立高校を支援するほか、小中・特別支援学校の研修等も行っています」

発達障害特性は生きていく力になり得る

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今春、過去最高となる10名の新入社員が仲間入りし、伊庭氏は次のフェーズを見据えている。
「私たちが発達障害教育をどのような形で発信できるのかが問われている中で、発達障害が持つエネルギーやポジティブな面を発信していきたいと思っています。
その一環として、TBS金曜ドラマ『ライオンの隠れ家』ではASD(自閉スペクトラム症)監修を担当しました。私たちのノウハウを新たな形で発信することができた印象的な経験でした。
また、『JAL子どもの夢応援マイル×さくらんぼ教室協働プロジェクト』では発達障害がある人の飛行機の搭乗体験を行っています。
さまざまな地域や分野からお声がけをいただき、ノウハウの共有や提供によって民間教育としてさまざまな展開を夢見ているところです」
特別支援教育の目的には「障害による困難の克服・改善」と定義されるが、伊庭氏はそれだけではないと強調する。
「発達障害特性は生きていく力にもなります。発達障害の特性があるからできることもありますし、実際に活躍している方もたくさんいます。特性があることが必ずしもマイナスではないことを伝えていく役割を果たしていきたいと思います」
生徒数3400名のうち社会人が約1割を占め、昨今その割合が徐々に増加している。
「小学生から通い始めて20年以上になる生徒もいます。20代から40代へと成長していく大人のための学びや、生きるために必要なことをより体系的に学べるように、民間教育機関として長期的な支援をしていきます。そうした学びの先にイキイキとした体験ができる場の創出を構想しています」


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