
コードアドベンチャー
プログラミング教育EXPO 2025 全国7都市で開催
プログラミング教育に今後も続く大きな波を作りたい
2020年に小学校でプログラミング教育が取り入れられ、今年は大学入試共通テストで情報Ⅰが試験科目に加わった。一時は小学生向けプログラミング教室が開校ラッシュに湧いたが、現在は落ち着いた感がある。これを受け、合同会社ドリーマーズギルド(愛知県豊田市・宮城島崇之代表)は今年、史上最大のプログラミングイベント「プログラミング教育EXPO2025」を全国7都市で開催すると発表した。「未来を担うお子様に『プログラミング教育=論理思考』の大切さ、楽しさを分かっていただき、プログラミング教育全体をもっと盛り上げていきたい」とし、プログラミング教育に関わる企業に広く参加を呼びかけている。
プログラミング教育EXPOについて宮城島代表に詳しいお話を伺った。
プログラミングコンテストには規模が大事
――プログラミング教育EXPOを開催しようと思った経緯を教えてください
ここ数年、プログラミング教育の小学校への導入や大学入試への採用でプログラミング教育が大きく盛り上がりました。しかし、今後は業界内にとって大きなニュースがありません。プログラミング教育はプログラミング自体を学ぶというよりは論理思考を身につけるための手段です。このまま一過性のブームとして終わらせるのではなく、業界全体をもっと盛り上げたいとの思いからイベントを開催する運びとなりました。
プログラミング教室を展開している事業者は弊社以外にもたくさんあります。子ども達が学んだことを活かせる場、発表の場として、プログラミングコンテストなどのイベントを各社、工夫され開催されています。プログラミングコンテストには時折、センスが光る子、大人が思いつかない発想をする子、すごいゲームを作ってくる子がおり、子ども達だけでなく大人も大きな刺激を受けています。しかし、そういった子は500人に1人、1000人に1人ほどの割合です。参加者は多ければ多いほど良いのですが、一事業者だけのイベントではそこまで集めることができません。プログラミング教育を支える様々な企業様とともに、業界全体を盛り上げ、今後10年は続く大きな波を作っていきたいと考えています。
――プログラミング教育EXPOの詳細を教えてください
会場は札幌、仙台、千葉、静岡、大阪、熊本、那覇/宮古島の7都市を予定しています。弊社はMinecraftを利用したプログラミング教室「コードアドベンチャー」を全国で展開しており、受講生向けに「コードアドベンチャージャパンツアー」というイベントを毎年実施しています。2024年度は1630家庭、3400人の参加実績がありますので、プログラミング教育EXPOには3000家庭、6500名の動員を想定しています。
より多くの子ども達に楽しんでもらえるよう低学年や未経験者にはMinecraftを使った「マインクラフト・ひらめきコンテスト」を、プログラミング経験者には「プログラミングゲーム開発コンテスト」を実施予定です。また、親子参加型イベントとしてYoutuber「ぺんと」を起用した「謎解き講演」を予定しています。謎解きはジャパンツアーでも好評だったコンピュータを使わずに完結できるもの。与えられたヒントを元に試行錯誤を重ねることで論理的思考が育まれますし、プログラミング教室で育まれた論理的思考を活かすチャンスでもあります。プログラミング教室に通ってない方も、付き添いで来た保護者や弟妹にも楽しんでもらえる企画を考えています。
プログラミング教室「コードアドベンチャー」もアップデート
ゲーム開発コースが登場
――「コードアドベンチャー」に新設されるクラスについて教えてください
コードアドベンチャーはマインクラフト実況Youtuberのいぬたぬき氏とともに開発し、2021年4月から提携校に向けて事業展開を開始しました。カリキュラムは全部で15あり、最短だと1年半ほどで終えることができます。弊社では受講生の多くが低学年なので2年から2年半かけるのが一般的で、高学年で始めると1年半で終えるというイメージです。
プログラミングはコンピュータに対する命令を積み重ねていく作業で、様々な命令を組み合わせてコンピュータを動かします。命令に矛盾があると動かないので、矛盾はないか、どんな順番で命令したら良いのか、命令に条件を付けるとどうなるのか、また、最小限の命令で動かすにはどうすれば良いか等を繰り返し考えることで思考力を育む仕組みです。コードアドベンチャーではこれまで、パソコンの基本操作からプログラミングの初歩をマスターする初級クラス、命令の繰り返しや条件分岐を組み合わせ様々な課題に挑戦する中級クラス、変数や配列、関数など中学~高校レベルの思考力を養成する上級クラス、プログラミング言語を用いてテキストプログラミングに挑戦するJavaScriptクラスの4つのクラスを用意していました。ここに「ゲーム開発クラス」を新設することにしました。
アクションやパズルゲームなど0からゲームを作り出すことで、これまで学習してきた内容の応用やゲーム開発手法の学習、デバッグ(誤りや不具合を見つけて修正する作業)やチーム開発などプログラマーの仕事を疑似体験できる最短で1年ほどのカリキュラムです。
――ゲーム開発クラスを新設した狙いはなんでしょうか?
マインクラフトを操作しているだけでは遊びの延長だと感じるかも知れませんが、初級からJavaScriptクラスではゲーム制作に必要な要素を全て学習しています。4つのコースが要素学習だとするとゲーム開発は総合学習という位置づけ。プログラミング教室の上位クラスとしても最適だと思っています。
これまでのクラスで学んだことに何の意味があるのか、どう使うのか、どう使っていけば良いのか、それは実際にゲームを開発する過程で実感し、より理解が深まります。ゲーム開発はひたすら文字と向き合う地味な作業の繰り返しです。最近はゲーム開発の過程を知らないまま「将来はゲームを作る仕事がしたい」と考えるお子さんが増えていることから、キャリア教育の一環としても、ゲームを作る経験をしてほしいと考えています。
AIを活用したプログラミングコースを開発中
――AIを活用したプログラミングコースについて教えてください
実はゲーム開発の後にAIプログラミングコースを設置する予定です。教育ではAIの活用について否定的な人もいますが、今、社会で活躍しているプログラマー達の多くは積極的にAIを活用しています。要件を定義してザックリとプログラムを書かせたり、自分が書いたプログラムのコードをAIに投げて「間違っているところを教えて」とデバッグ作業に使ったりして作業効率を3倍も4倍も上げているのです。今の子ども達はAIに触れているかどうかで将来、確実に差が出てきます。仕事や生活のあらゆるシーンでAIによる効率化がなされ、AIを使えない子は3~4倍も作業効率が違う人を相手に社会で競争していかなければなりません。教育業界がAIを否定する気持ちも分かりますし、AIを使わなくても成立する教育システムは誇るべきですが、要は「経営者が欲しがる人材はどちらか?」という話です。
子ども達にはAIに、最新技術にもっと触れてほしいのです。AIの上手な活用方法を学ぶにはプログラミングに組み込むのが良いと考え、AIプログラミングコースの開発を行っています。AIの制御を先生側で行うため、先生にもスキルが必要となってきますが、間もなく完成予定です。こちらもプログラミング教育業界を盛り上げる一助となれば幸いに思います。
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合同会社ドリーマーズギルド
info@dreamersg.com