
リソー教育が売上を水増し計上
個別指導塾「TOMAS」や家庭教師派遣の「名門会」を運営する(株)リソー教育(東京都豊島区/東証1部上場)は2月10日、過去6年間の累計で83億円にのぼる売上の過大計上があったと発表した。
同社は昨年11月に証券取引等監視委員会の任意調査を受けたが、その際不適切な会計処理が行われているとの疑義が生じたため同年12月16日、同社と利害関係のない弁護士ら4名からなる第三者委員会を設置、調査を行っていた。
第三者委員会の調査報告書によると、同社では売上の計上を授業の実施時と定めているが、未消化の授業が多いとその分を売上から差し引かなければならず、結果として売上が下がるのを嫌った現場サイドがこれを「生徒の当日欠席(消費者への返還義務なし)」等として処理するなどして売上の水増しを図っていた。
証券取引等監視委員会は粉飾決算に当たるとして、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで同社に課徴金納付を命じるよう金融庁に勧告する方針を固めたという。
同社の2013年2月期の売上は218億円。学習塾業界では栄光ホールディングス、ナガセ、ベネッセホールディングス、学研塾ホールディングスに続く超大規模塾。
報告を受けて同社グループの岩佐実次会長は同日、「第三者委員会の報告を受けて」という文書を発表し、以下のように述べている。
「日頃からの弊社並びに弊社グループへのご支援ありがとうございます。このほど、第三者委員会から調査報告が公表されたのを受け、改めて、皆さまにお詫び申し上げます。
このような事態が今後絶対に起こらないように
(1)再発防止対策委員会を設置します。また、
(2)今般の調査報告に基づいて、再発防止のための厳格なる人事処分を実行する決意です。
上場企業としてのコンプライアンスを第一優先にした経営をめざします。」
なお、この件の責任を取る形で伊東誠代表取締役社長は辞任、創業者の岩佐実次会長が社長を兼務することになった。