
教育資源としての民間教育 第23回
公益社団法人 全国学習塾協会 安藤 大作 会長
塾業界の「当たり前」を塾業界全体で守っていこう
例えば1人の社員が自身の評価ばかりに集中して業績を上げても、もし会社がダメになってしまっては元も子もありません。つまり業界や日本社会が存在価値や存在感を緩やかにでも失ってしまったら、個社の業績の足元も揺らぎます。そしてさらには存在価値や存在感などは社会情勢によっていとも簡単に崩れていく可能性すらあります。そのときそのマイナスの影響は業界すべてに及びます。全国学習塾協会はそのようなことがないよう未然に防止するためにも存在しています。
業界の当たり前をこれからも業界全体で守っていこうとしなければなりません。よく入会のメリットは何か? と聞かれますが、当たり前に慣れすぎるとありがたさも感じずにメリットも感じないのかもしれませんが、業界の当たり前が担保されていること自体メリットと言うしかありません。命と同じだと思います。
親があって自分があるのに、最初から自分がいたかのような気持ちになることが誰にでもあります。学習塾協会が親だということではありません。民間教育が自由に展開できる社会そのものが親です。それがあって民間教育が自由に教育表現できるわけですから。
そしてその社会はいつまでも続くかどうかはわかりません。社会はいつも民間教育を守ってくれて当たり前というどこか甘えた姿勢は手放すべきだと考えます。社会に感謝するからこそ社会に責任を果たし、その上での自由だと考えます。この国の民間教育という空気を吸っている以上、自分には関係ないということはありません。
業界のこれまでを守っていただいてきた諸先輩方をはじめとして、これまでもどこかで誰かが業界を守ってくれてきていました。それは時代そのものが守ってきてくれたのかもしれません。しかしそもそも業界として、いつまでも守ってもらえて当たり前というのではなく、自分たちで守っていく立場になっていかなくてはなりません。
そして業界を守っていくということは、日本全国の様々な塾に通うたくさんの子どもたちを間接的に守ることにつながります。彼ら彼女たちは民間教育を、塾を心から必要としているはずです。彼ら彼女たちを守ることは、その未来をも守ることでもあり、この国の未来を守ることにもつながります。
それら社会の未来が守られてこその塾であり民間教育です。
そのような視点の高さも持って、時代を生きていく子どもたちに接していくことの倫理観もあるかと思われます。
そのような観点で、塾事業者のみなさまには全国学習塾協会にはご加入していてください。
よろしくお願い申し上げます。