
学習塾のブランドイメージをプロデュースする『moov』
ツールをつなぐ。デザインを調和させる。ネットワークをひろげる
月が満ち欠けしながら寄り添うように、学習塾のブランドイメージをプロデュースする『moov』
株式会社 フレックス 佐々木 芳久 代表取締役
(株)フレックスは、個別教育フレックス(個別指導塾)、立志館進学教室(グループ指導塾)を展開する一方で、本社事業においてデザイン部を包括。今年3月からそのデザイン部を教育事業から分割し、京都市内に新オフィスを構え、デジタルコンテンツ事業として独立ブランド「moov」を発足させた。
その「moov」の活動やコンセプト、今後の展開などについて佐々木芳久代表に話を伺った。
なぜ『moov』というブランド名なのか?
moovは、販売促進を強力に支援する各種広告の企画・デザイン製作の「デザイン・ブランディング部門」を主軸とし、チラシやパンフレットなどの紙媒体のデザイン制作、web サイト構築やSNS サポート、プロモーション動画の企画・撮影・編集などを手がける。デザインのみならず、関連会社と連携し、フィニッシュワークまでのほとんどを自社で対応。「デザインコンサルタント」を標榜し、塾のブランドイメージをトータルにプロデュースしている。
『moov』という名称は、「moon」とVサインの「v」を融合させ、さらに「move」の意味も込められたものだと佐々木代表は説明する。
「月は地球のまわりを回っていますが、その月のように満ち欠けしながらお客様に寄り添い、関わる皆様がその先にハッピーになろうという意味で、語尾をピースサインの『v』としました。我々(moon)が動く(move)先にお客様が「vサイン」できる。その意味を込めて『moov』という名称にしました」
ベースが学習塾だからこそ、共感しながらサポートできる
「あくまで主役は各々の塾です。また、私たちの本体も学習塾です。ゆえに、私たちは塾の仕事の中身を十分に理解した上で、その塾の特長や魅力を存分に引き出すようデザインしていきます。正直、他の業界には弱いかもしれませんが、塾業界においては絶対の自信をもっています。そこらへんの“ なんちゃってデザインコンサル” とは違います(笑)。また、うちの塾部門の成功事例や失敗事例もオープンにお示しし、顧客の皆様と一緒にいいものを作っていきたいですね」
事実、最初に手がけた個別指導塾のweb サイトのリニューアル構築では、問い合わせが前年比の3倍になったと、塾長から直々に喜びの声をもらったそうである。
↑[左](株)フレックス 公式HP [右] moov 公式HP
ツールをつなぎ、デザインを調和させる。
単に販促ツールを作るのではなく、それらの融合を強く意識している佐々木代表。
「名詞、チラシ、パンフレット、ポスター、web、各種ノベルティ。様々なツールがありますが、それらに連動性を持たせなければなりません。単発で終わったり、何かのツールに固執したり。気合いが空回りすることなく、様々なツールをうまくつなげていくご提案をしています」
加えて、繰り返すこと、やり続けることを大切にすべきと力説する。コスト感覚も大切にしながらも、各ツールの連動性と発信し続ける連続性が重要だと。
「グランドデザインとかブランディングなどという言葉があるように、それぞれのツールのデザインを調和させることも大切です。むしろ、我々はそこにチカラを入れています。名刺からweb サイト、看板などのデザインに至るまで、その塾のアイデンティティをしっかり調和させて顧客に示す。ゆえに、我々は、塾長さん方とできるだけお話をして、想いやイメージを共有することを心がけています」
ネットワークをひろげる。WEB+SNS +動画の強烈な拡散力
時代はweb、SNSの時代になった。様々な情報が飛び交い、手軽に情報を得る時代になった。YouTube 等で様々な動画が流れ、ネットを通じて多くの情報がインタラクティブに伝わる。1億総スマートフォン時代も大げさな話ではない。
「もうね、僕もそうでしたけど、塾長ってウンチクを長々と書きたがるんですよ(苦笑)。でもね、イマドキのママにはそれは通用しない。シンプルなコピー、洗練されたビジュアル、そして表現手法として最もわかりやすい動画。これらを一撃で何万の認知を得られるSNSとどうつなげるか。なんとなくwebを作った、とりあえずインスタグラムを始めた。それじゃ、ダメなんですよね」
moovが今最もチカラを入れているのが動画制作。専門のプロダクションにCMや動画制作を頼めば、膨大な費用がかかる。コスト、スピード、洗練度、他のツールとの連携性。そこにmoovは挑みたいと佐々木代表は言う。
「動画は一番わかりやすいツール。教室の雰囲気やスタッフの思いを明快に表現できる。保護者様にとっては、中が見える安心感も大切なのじゃないでしょうか。塾長の思いを語るも良し、教室の雰囲気を伝えるも良し、各種イベントや特別講座を紹介するも良しです」
確かに、これを低価格でスピーディに、かつ洗練された動画に仕上がれば、これほど強い販促ツールはない。佐々木代表の言う、他のツールとの連動性やデザインの調和を図ることで、塾のブランドイメージやアイデンティティが効果的に表現できるのも頷ける。
「世の中、紙からwebに移行しています。現状、様々な媒体でのメディアミックスが必須かもしれませんが、考え方として、チラシに100万円かけるなら、自社のPR動画を数本作ってwebやSNSで拡散するほうが効果ありませんか?」
何百社という顧客はいらない。強い信頼関係が築ければ1社でもいい
とりあえず急いでチラシを作ってほしい。佐々木代表は、この手のオーダーが一番苦手だという。ひな形やネット上に流れているサンプルパターンを流用すれば簡単に作れるが、それでは絶対に効果は生まれないと。
「私たちも塾を運営する一方で、様々な塾経営者にお会いして多くを学ばせていただいています。経営者様には熱い想いが存在します。その想いを共有しながら形にしたい。一緒に課題を解決しながらデザイン・ブランディングを構築できるならば、顧客が1社でもかまいません」と、佐々木代表は笑顔で語ってくれた。