
変化する時代で学習塾が生き残るための戦略とは? 「受験コンパス」と塾経営の今昔
株式会社Lacicu(ラシク)が主催している受験コンパス加盟校研究会は、今回で第6回を迎える。加盟校が増えたこともあって、1月27日(日)と2月3日(日)の2回、東京と大阪で行われた。
ゲスト講師には、(株)Freewillトータルエデュケーション代表取締役の柴山健太郎氏と(株)ワイズコンサルティング代表取締役の山口博士氏が招かれた。「現在の塾経営者が直面している社会問題」「ルールが変わった塾経営」「幸せになる塾経営」といった題目で熱い講師が語り、参加者が熱心に聞き入った。
少子化にどう対応するか?
「少子化の影響を受けないためには、高校部への参入がマストです」。はじめに、(株)ラシクの服部代表は次のように話した。
「今このまま少子化が進むと、約10年間で中学生の合計人数は12%減ることがわかっています。なので、このままのやり方だと生徒の人数も12%減ることになります。この少子化に対応するためには顧客単価の高い高校部への参入が一番簡単なのですが、大学受験のノウハウがない塾経営者にとって、高校部への参入はハードルが高いと感じるでしょう。しかし、ラシクが提供する受験コンパスを使用することで、未経験の方でも生徒の信頼を勝ち得て経営を成功させています。受験コンパスは年度ごとに内容をバージョンアップさせていて、今回も新しくGTEC、英検、TEAPなどの外部検定試験に対応しました。塾経営のルールが変わっていくなかで、受験コンパスは強力な武器になると感じています」。
塾経営のルールが変わったことに気づいてますか?
(株)ワイズコンサルティング 代表取締役 山口博士氏
「昔はよい授業をしていれば経営がうまくいき、講師集めも苦労せず、生徒が来た。このような思い込みはもう捨てなければなりません」。大学院で経営学修士を取得している山口氏は、開校4カ月で80名超の在籍生を集めるなど多くのノウハウを持っている。地域を幸せにする塾経営について真剣に考え、本気で生徒と向き合う経営者の一人だ。
「これからの時代に必要なのは、〝なぜ価値があるのか〟〝どのような価値があるのか〟〝誰に比べて価値があるのか〟〝誰が価値を感じているのか〟を問い直す姿勢です。塾の経営者は、地域の皆様と向き合うことが多いのですが、塾と社員、そして地域の子どもたちや保護者と真剣に向き合うことが成功への第一歩です」。
人が幸せになる塾経営
(株)Freewill トータルエデュケーション 代表 柴山健太郎氏
柴山氏は、加盟校研究会で毎回評判が良い優れた講師であり、塾経営者だ。今回は「塾の経営者が幸せでなければ塾経営はできない」と力強いメッセージを参加者に送った。
「私にとって塾経営は、自分の夢を実現するのと同時に、生徒に夢を実現させる仕事です。経営を成功させるために受験コンパスを導入しました。高校部指導の経験がなかった私のやり方は、まず成功した事例を真似てみることでした。受験コンパスを導入してから大学受験の指導がうまくいき、単価も上がりました。もともと自塾で力を入れていたセルフマネジメントも取り入れ、生徒も社員も育てることに成功していると実感しています」
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今回の加盟校研究会参加者の中には、暗中模索しつつ経営してきたが、どうすればよいかわからなかったという方が多かった。しかし研究会の後には「目の前が明るくなった」という意見が多く出た。