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    継続は力なり 親の変化・子どもの変化

2025年SRJ秋期大会 協動で創る教育の新時代
継続は力なり 親の変化・子どもの変化

2025-12-01

東京・大阪の2会場で同時開催

(株)SRJ 代表取締役社長 柏木 理 氏

(株)SRJ 代表取締役社長 柏木 理 氏

2025年SRJ秋期大会が、10月19日(日)、東京・大阪の2会場で同時開催された。基調講演は春期大会に引き続いての登場となった、株式会社カルペ・ディエム代表の西岡壱誠氏の他、株式会社Yondemy 代表の笹沼颯太氏。大阪会場を繋いで、西大和学園中学・高等学校の国語教諭の辻孝宗氏、競技かるた第65〜67期名人位の粂原圭太郎氏の4名がディスカッションする豪華版。セッション企画でも、東京・大阪・沖縄を繋いで同時中継をする新しい取り組みも行われた。

開会の挨拶は、(株)SRJ 代表取締役社長 柏木理氏。「家庭内における蔵書数と学力は相関していることが、文部科学省から発表されています。また、子どもの思考力を育むコミュニケーションとして『親との対話』も注目されています。家庭や塾でも、問いかけが主体的な学びを支えることが非常に重要になってきている中、親子の対話、塾での対話の仕方も時代によって大きく変わってきていると思います。この30年で、学びの形自体が大きく変化しました。そういった時代の変化を念頭に置きながら、ご参加いただけたら嬉しく思います」と話した。

■基調講演
「東大・京大の次世代リーダーが語る『読解力』」

「SRJの2025年の春期大会では、「認知能力の見える力と、非認知能力の見えない力の間に、見えにくい力があるのではないか?」というテーマで、西岡壱誠さんに講演をしていただきました。まずは、春期大会の復習からディスカッションを進めていきたいと思います」(一社)日本速読解力協会 代表理事 秋山和沙氏の進行で始まった。

西岡壱誠氏(以下:西岡) これまでは「見える力」としての認知能力と、「見えない力」としての非認知能力の二元論で語られてきましたが、私はこの間に「見えにくい力」というものがあるのかもしれないと考えています。
「読解力」は認知能力ですが、「空気が読める力」「コミュニケーション能力」は、非認知能力に属する部分でもあります。「コミュニケーション能力が高い子は伸びる」と感じている塾の先生もいらっしゃるんじゃないでしょうか。「見える力」「見えない力」この両方を高めていくことによって、真ん中にある読解力や「見えにくい力」を高めることができるのではないかと思っています。

■議題1
読解力を育てるために必要な「読書」の力

(株)カルペ・ディエム  代表 西岡 壱誠 氏

(株)カルペ・ディエム 
代表 西岡 壱誠 氏

――読書をすることによって、読解力が身に付いていくと言われていますが、現場ではどうでしょうか。
笹沼颯太氏(以下:笹沼) 
私たちが運営している「ヨンデミー」は、子どもが読書にハマるオンライン習い事です。読書習慣を付けるというところにとどまらず、読書を通した子どもの成長の最大化、成長を引き出す読書教育を実践しています。
ヨンデミーでは、子どもの読書の成長ステップは「楽しく・たくさん・幅広く」と伝えています。楽しいからたくさん読め、様々なジャンルの難しい本にも挑戦し、その結果として、読解力が上がっていくというステップを踏むようにしています。
まずは学年に関係なく、その子に合った読みやすいレベルの本からスタート。ステップアップも押しつけるのではなく、子どもたちが「チャレンジしたい」「もっと読みたい」と思えるような動機付けをセットしています。
例えば、ヨンデミーの中には「こうちょう道場」という校長先生のキャラクターが出てくるチャレンジ機能があるのですが、少し難しめの本に挑戦し、その読了をサポートする〝ミッション型〟の機能になっています。そうしたワクワク感を感じ、子ども達がチャレンジしたくなるように工夫しています。

(株)Yondemy  代表 笹沼 颯太 氏

(株)Yondemy
代表 笹沼 颯太 氏

――西岡さんは東大生の読書の研究をされています。
西岡 
東大生は、小さい頃から本を読んでるケースがかなり多いです。しかも、ただ読むだけではなく、子どもの興味関心に合わせた本を保護者が適切に選んでいます。例えば、数十冊の本を用意しておき「好きな本を読んでいいよ」という「待ち伏せ型の本棚」を作っている保護者が多いです。
もう1つは、本の感想や本に関するコミュニケーションを、保護者または学校の先生としている場合が多いというのがあります。私の友人の事例ですが、友人は保護者と最近読んで面白かった本を交換し合い、お互いにコメントし合っていたそうです。本を媒介にして、親とのコミュニケーションが発展し、議論が進んでいる場合に子どもの学力は伸びていくと思います。
――辻先生は生徒さんにおすすめの読解法や読書法を紹介していますか?
辻孝宗氏(以下:辻) 
特におすすめはしていませんが、ライトノベルみたいなものであったとしても、大量に本を読んでいる子の方が本当に賢いと思います。大人は賢そうな本を読ませたがりますが、その必要は全くないと思っています。
中には読書の苦手な子もいますが、なぜそんなに読書が苦手になるのかというと、その子は「目の前のこと」しか読めないんです。数十ページ前に書かれていた情報と今読んでいる情報が結びつかない。推測できないのです。
読書の楽しみは、「絶対にそうなるんじゃないかな」と思って読み進め、その通りであっても、たとえ違っても、そこには胸が震える思いがあります。でも、読書が苦手な子は推測ができないので、この思いを体験することができない。推測できるようにするのが、私たちの仕事だと思っています。

■議題2
なんとなく国語が苦手…という生徒にどういう風に対応する?

西大和学園中学・高等学校 国語教諭 辻 孝宗 氏

西大和学園中学・高等学校
国語教諭 辻 孝宗 氏

――最近の子どもたちの傾向や「国語力が落ちている」と感じられるような場面がありましたら教えてください。
辻 
映画「となりのトトロ」のトトロのことを「死神だ」という中学生がいます。メイとサツキの影がなくなっていて、途中でメイは死んでいるのだそうです。YouTube の影響もあると思いますが、私達はそれを真っ向から「違う」と説明できるでしょうか。
「となりのトトロ」は、病気のお母さんのところへとうもろこしを持って行き、喜ばせる物語です。トトロを死神だと言う中学生は、この大前提がわかっていないのです。その前提では、女の子が死ぬなんていうことが起こるはずがありません。
他にも、「ごんぎつね」で、鍋の中で何を煮ているかを問う問題がありました。それに対して「おばあさんを煮ている」という答えがあったと話題になりました。私はこれを聞いて「終わっているな」と思いました。子どもではなく、国語の教育が終わっていると感じたのです。
国語の教員として、問うて良い問題と、問うてはいけない問題があります。文章の中で価値があるから、その部分について問うのであり、鍋の中身を問う必要はないはずです。私は、子どもだけでなく、学校での国語教育の質にも課題があると考えています。

競技かるた第65〜67期 名人位 粂原 圭太郎 氏

競技かるた第65〜67期
名人位 粂原 圭太郎 氏

――子ども達に必要な国語教育とは、どういうものだと考えていますか?
粂原圭太郎氏(以下:粂原) 
私は競技かるたを中心に活動しながら、オンライン個別指導塾「となりにコーチ」を運営しています。
私自身は「伝える力」、「相手のことを理解する力」を鍛えていくのが、国語教育の価値だと思っています。
今の子どもたちは、最初にネタバレを見てから、物語を読む子が本当に多いです。物語の中に張られた伏線や、辻先生がおっしゃっていた前提の部分を理解しないまま、物語を読んでいるな、と現場で教えていて思います。
まず、日常生活でも相手のことを理解しようと努力する。そして、自分が思っていることを伝える。なかなか伝わらなくても一生懸命考える。それこそが国語力ですし、本当に大事な力だと思います。

東京会場 基調講演の様子

東京会場 基調講演の様子

――笹沼さんがヨンデミーを始めたのは、家庭教師として教えていた生徒が、国語が苦手で教科書を読めなかったのがきっかけだとお聞
きしました。読書が国語以外にもいい影響を与えられていると思いますか?
笹沼 
読む力がないがゆえに国語以外の教科でも苦戦し、勉強ができる・できないというよりも、学校生活を楽しめないという点に気づいたのが、創業のきっかけです。
ヨンデミーの生徒を見ていると、国語ができるようになるのはもちろん、「頭と心と言葉が育まれる」と感じます。加えて、親子のコミュニケーションが円滑になり、話し合いができるようになったという声を聞きます。これはまさにすべての学習の基礎・土台に読書がなっていて、子供達の成長を支えていることを実感しています。
――この議題の最後に、国語教育について提言をいただけますか?
辻 
古文漢文を理解するのに、単語や文法を丸暗記する必要はありません。思考力や推理力があれば、大学入試の古文漢文の問題をある程度は解くことができます。ではなぜ、文法や単語を覚えさせるのでしょうか。それは、それしか教えられない教員が多いからです。
古文漢文は、思考力や物語について学ぶことができる学問です。そうした力は英語や現代文を読み解く力にも繋がります。古文漢文は、抽象的な話を考えるきっかけとなるはずなのに、文法や単語を覚えさせる教育は間違っているのではないかと思っています。
言葉は思考そのものであり、思考は「私そのもの」です。「私はどうあるべきか」を考えるのが言葉であったはずです。「自分の在り方を学ぶ」というのが国語であるべきなのに、その教育がなされていないということを非常に残念に思っています。

■議題3
集中力の鍛え方

――どうすれば集中力が高められるのでしょうか。
粂原 
世界中に集中力を関する研究がありますが、「運動」に勝るものはありません。簡単なテクニックを2つご紹介します。
まず1つが後ろ歩きをすることです。後ろ歩きは普段使われない筋肉を使うので、集中力が高まります。特に勉強や競技かるたの時に使っています。
もう1つは、目をつぶって片足立ちになり、10秒数えることです。やってみるとなかなか難しくて、集中力がものすごく上がると、私自身感じています。

■議題4
記憶術について「どうやれば記憶できますか?」と言われた時に

――「どうしたら記憶できますか?」と生徒に聞かれた時、どんなアドバイスをしますか?
粂原 
意識するべきポイントは「関連付け」と「繰り返し」。そして、それを「アウトプットすること」。この3つが特に重要だと思っています。
関連付けは国語力と切っても切れない関係だと思います。マインドマップは以前から好きで、私自身、ものを覚えたり理解したりする時によく使っています。
繰り返しやアウトプットについては、人にはそれぞれ自分の得意とする記憶の方法があります。私は高校生の時に首を骨折し、入院中は、音声が録音されている参考書をひたすら聞いて勉強していました。その結果、ものすごく成績が上がったので。それについて本を書き、塾生も入ってきてくれたのですが、耳で聞いても覚えられない生徒もいました。その後色々調べ「認知特性」という言葉に出会いました。現在「認知特性研究所」を立ち上げ、認知特性の研究をしています。学校の先生や友達が勧める方法が自分に合っているとは限りません。それで「自分は頭が悪い」と諦めないでほしいと思います。
――最後にここまでのまとめをお願いいたします。
西岡 
国語の教育は、語彙力と文法と読解の3つに支えられていると思っています。SRJさんがやられているように、語彙から入って文法にいき、そこから読解ができるようになることは、お勧めの学習方法だと強く感じています。
あとはやはり楽しむことはとても強いと思いました。「考えることは楽しいんだよ、人間的な行為なんだよ」ということを伝えていただきたいと思います。

バブルからゆとり、Z世代へ
親や子どもの変化にどう対応するか

(株)SRJ 営業本部長 藤原宏氏

(株)SRJ
営業本部長 藤原宏氏

大阪会場

大阪会場

続いて、株式会社SRJ執行役員の藤原宏氏から、SRJからのご案内と、今日のテーマ「親の変化・子どもの変化」についての考察があった。
教育産業全体の市場規模は、2025年度予測で2兆8720万円。学習塾・予備校のカテゴリーは9520億円で2024年度の9530億円と比較して、ほぼ横ばい。市場が縮小したのは通信教育(幼児・学生・社会人向け)で、反対に資格・検定試験や企業向け研修サービスは伸びている。「教育産業業界は、トータルの規模は変わらないけれども、キャッシュフローは確実に変化しているのが現状とは言えると思います」と藤原氏は話す。
「令和7年度全国学力・学習状況調査(国立教育政策研究所)のデータから、小6生と中3生の通塾率を都道府県別に見ると小6生の通塾率が高い地域は、いわゆる中学受験が非常に熱心な地域と重なる。中3生の60%以上が通塾しているのは関東、東海、近畿など。東北は39・9%以下だ。
藤原氏は「それぞれの地域の特性を活かして、皆が戦略をどう練っていくのか、それには個別最適化と専門性の追求が大きなテーマになると思っています」と語る。

(株)グローバルスクエア  アデック知力育成教室  氏井 香美 氏

(株)グローバルスクエア 
アデック知力育成教室 
氏井 香美 氏

今日のテーマである「親の変化・子どもの変化」はなぜ起きているのか。保護者はどういう価値観や環境で育ってきたのかも振り返った。
2000〜2010年の保護者は「バブル世代」。競争と学歴偏重。人生を謳歌する時代で、早期からの教育投資を推進していた。バブル世代の保護者に育てられた子どもが「ゆとり世代」だ。協調性と個性を重視。競争意識が薄く、親の価値観に縛られないマイペースな傾向があると全国的に言われていた。塾としては、進学塾の最盛期であり、この頃から個別指導が台頭してきた。

(株)バリューイノベーション ジャパン NOUIKU 沖縄校   西銘 春乃 氏

(株)バリューイノベーションジャパン NOUIKU 沖縄校
西銘 春乃 氏

2010〜2020年の保護者は「氷河期世代」。就職難を経験したことから、安定のために学力に確実な投資をする「失敗させたくない」意識の強い保護者が増えた。そんな保護者に育てられたのはZ世代である。
Z世代は完全デジタルネイティブで、SNSで世界と繋がり、多様性・社会意識が高い。活字離れとタイパ志向が見られる。この頃から塾では個別指導が急成長し、ICT化・デジタル化や非認知能力指導が台頭してくる。
2020年以降の保護者には「ゆとり世代」も含まれる。この世代は非認知能力と個性を尊重。子どもの自己肯定感を重視する。オンライン学習に抵抗がなく、教育に効率を求める保護者は学歴ではなく、うちの子どもの人生を幸せにすることを考える。
こうした変化を踏まえて、保護者や子ども達と向かい合うポイントは3つ。1つ目は「顧客価値への適応」。今後は「個別最適化・自己肯定感・多様なニーズ対応」が塾に求められる。

A&A ENGLISH HOUSE 代表 諸木 宏子氏

A&A ENGLISH HOUSE
代表 諸木 宏子氏

2つ目は「教育手法の改革」だ。「今の子ども達はタブレットやスマホと共に育った年代です。デジタルとアナログのハイブリッド指導を確立し、講師の負担を減らすことで採用難へも対応しなければなりません。AI教材やオンライン指導においては、指導の効率化が求められます」と話す。
3つ目は「競争戦路の強化」。藤原氏は高専受験専門の塾があることを紹介し、「特定層に特化した塾がこれからは、選ばれるのでは」と考える。地域密着や堅実な経営基盤確保などもキーワードになってくると思われる。
SRJでは来年度、管理者サイトを大リニューアルする。業務の負担を軽減するとともに、AIを搭載してマニュアル問答や教務管理を行う予定だ。また、1教室につき1ID、インストラクターIDも無料提供する。この他、毎月第1木曜・金曜13時〜13時15分に「SRJ月次連絡会」の実施(木金とも同内容)、教室運営のノウハウを提供する。
さらに2026年5月24日に、SRJ30周年記念パーティーを開催することも発表した。この後には、株式会社V―Growthの水谷尚貴氏からは「端末レンタルサービス」開始のお知らせがあった。

東京・大阪・沖縄を結んでオンラインセッション

『速読解力講座』 コンテンツ担当者による 特別レクチャー

『速読解力講座』
コンテンツ担当者による
特別レクチャー

基調講演の他に今回は、「選べるセッション 3つのセッションから2つ選ぶ学びの体験」が実施された。
東京会場では「教室活性」をテーマに、株式会社グローバルスクエアのアデック知力育成教室の氏井香美氏による「速読受講生100名超え!選ばれる教室の秘訣~子どもと保護者を惹きつける丁寧な対応とは~」を、大阪会場ではA&AENGLISH HOUSEの諸木宏子氏が「『言葉を育てる教室』でありたい~生徒がより良い人生をおくるためにできること~」のセッションを行った。「集客」のテーマでは、沖縄からオンラインで東京と大阪を結び、「開業1年で受講生40名超え!その秘密に迫る」と題し、株式会社バリューイノベーションジャパンのNOUIKU沖縄校の西銘春乃氏が登壇した。「指導法」のテーマでは、『速読解力講座』コンテンツ担当者による特別レクチャー「指導の不安を自信に変える!速解力講座 はじめの一歩」が東京・大阪会場で行われた。


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