森上展安先生が考える 「思考力」が身につく学習
国際社会で生き抜くことができる人には、思考力があると言われます。
では、思考力のある人になるためには、どのような学習をすればよいのでしょうか。教育コンサルタントとして有名な森上教育研究所の森上展安先生に伺いました。
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トライ&エラーが重要
今までの中学入試対策では、よく出る問題を習熟すればよかったのですが、それでは本当はいけませんよね。思考力のある人というのは、「よく出る問題をいかに早く正確に解くか」ではなく、「見たことのない問題にいかに取り組むか」という力を身につけています。見たことのない問題を解くためには応用力が必要ですが、応用力というのも、思考力が育成されることで身につくのです。
その思考力を育てるには、仲間と一緒に「なぜ?」を考えることが有効です。間違っていてもいいから、仲間と一緒に悩んで答えを導くことが重要なのです。間違っていてもいいんです。トライ&エラーといいますが、これを繰り返して欲しいのです。つまり、間違っていることを否定せず、むしろ、そこを面白がって欲しいのです。
仲間との教え合いが有効
仲間と一緒に学ぶことは、学習者にとって大変有効です。答えに辿り着くには様々な導き方があるので、それを互いに教え合い、他者の解法を知り、自分の考えを話すことで、より理解できるようになります。iML国際算数・数学能力検定協会が提供している問題集には、答えが複数あったり、導き方が複数あったりする問題が多いので、そこが大変よいですね。また、思考力の授業は、先生が「指導しづらい」と敬遠するきらいもあるようですが、先生も一緒に解いて楽しんだらよいと思います。それが授業の活気にもつながるのではないでしょうか。
小学校の低学年〜中学年では、解答が一つの問題で解けた喜びを与え、高学年になったら、解答が複数ある問題で難易度の高い内容をやらせるというのも有効ですね。この流れだと、先生が子供を褒めやすいと思います。褒められた子供は伸びますから、子供にとっても褒められた実感が湧きやすいでしょう。
夢中になるほど能力もアップ
また、時間の制約なく考えさせることが必要です。「五分以内に解きなさい」では駄目です。工夫する楽しみというのは、時間の制約がなくなるほどよいのです。
子供は、夢中になるという感覚になると、能力もアップします。私立学校でとったアンケート結果を見ると、成績が伸びている子は集中力が違うということがわかります。集中体験をしたことがあるということが、能力アップには最も重要です。だからこそ、最後まで考えさせることが重要なのです。
また、子供はまわりの影響を受けやすいですよね。数学が好きな子は、親も数学好きなことが多いと思います。建築家の子供は、立体を好きになるということもよく聞きます。現在は、難しい文章を読めない子供が増えています。小説の読み取りができません。これも、集中して読めないからです。
量の評価から質の評価へ
今後三〜五年かけて、大学入試が変わっていきます。国際バカロレア資格の導入とも歩調を合わせて、欧米風に組み直されていくことでしょう。
人というのは、テストの点数が一点違うからといって、質が違うわけではありません。しかし、定員という枠により、その一点で合否が分かれるということになりました。このような相対的な評価で量をはかる(定員枠に収める)入試は終わり、今後は学力の質を問う、到達度評価の時代になっていくことでしょう。ある基準に到達している人は合格できる。そういう質の選抜の時代となります。しかし、その時代を迎えるためには、到達度を測るほうも、到達度を測られるほうも、それに慣れていく必要があります。
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