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私学の挑戦

東京都市大学塩尻高等学校

57年の歴史と伝統を継承しつつ21世紀型の全く新しい高校を創造

少子化が叫ばれる中、学習塾は保護者や生徒のニーズに合った改革を行なっている。私立学校も同様だ。現状に甘んじているわけではない。「私学の挑戦」では、そんな私立学校をシリーズで取り上げていく。今回スポットを当てるのは、東京都市大学塩尻高校。長野県で半世紀以上の歴史を積み重ねてきた同校が、来春「21世紀型の全く新しい高校」へと生まれ変わる。新たな教育理念のもとに大胆な学校改革を行うのだ。同校の赤羽利文校長に話を聞いた。

赤羽利文校長

母体は1956年創設の「信州電波専門学校」

「本校が新しい時代のニーズに応え、未来に向けて発展を遂げていくにはどうすればよいか。それは、自分も含め、教員一人ひとりが挑戦し続けることだと私は考えています」

東京都市大学塩尻高等学校の赤羽利文校長はこう述べた。

ここで、同校の歩みを振り返ってみたい。その母体である「信州電波専門学校」が現校地に創設されたのは、1956(昭和31)年のことだ。

1958(同33)年に学校法人が五島育英会に移り、「武蔵工業大学付属目黒高等無線学校信州分校」となる。五島育英会は、東急グループ創設者である五島慶太を初代理事長として設立された学校法人だ。

1961(同36)年には「武蔵工業大学付属信州工業高等学校」となり、精密機械科と電子科の2課程が設置された。1967(同42)年に自動車科と電気科が増設される。

「昭和40年代に入ると、日本は高度成長期を迎えます。当時はたくさんの人がいて、たくさんの仕事がありました。高校時代に確かな専門技術を身に付けていれば、この時代の波に乗ることができ、安定した生活が待っていたのです」

この時期、同校は「工業高校として優れた技術者を育成し、社会に送り出せていた」と赤羽校長は自負する。ところが、社会は変化を遂げてきた。そのひとつが、大学進学希望者者の増加だ。このニーズに応えるため、1976(同51)年に機械精密科内に「大学進学コース」を、その2年後に普通科を設置。1994(平成6)年には普通科に「武蔵工大進学コース」を新設し、「理系進学コース」「文系進学コース」の3コースが発足した。

信州大学にこの春2名が現役合格

2001(平成13)年、21世紀のスタートとともに「武蔵工業大学第二高等学校」へと校名変更。精密機械科を「メカテック科」に、電子科を「情報通信科」に、「電気科」を「情報電気科」に、それぞれ科名変更した。情報技術の急速な発達とグローバル化に対応するためだ。しかし「これらは模索に過ぎず、抜本的な改革には至らなかった」と赤羽校長は述懐する。

その一方で、模索の成果が普通科で芽を出し始めた。2003(同15)年、普通科に「特別進学コース」を設けて「総合進学コース」との2コース制を導入するなど大学進学に力を注いだ結果、生徒が国立の富山大学に合格したのだ。

同校は2009(同21)年、「武蔵工業大学」が「東京都市大学」に改称されたことに伴い、現校名となった。翌年には「特別進学Zコース」を設置。センター試験5教科7科目に対応したカリキュラムを展開するコースだ。

この動きの中で、昨年には東京農工大学、高崎経済大学にそれぞれ1名が合格。今春には長野県の名門国立大学である信州大学に2名が合格した。東京理科大学やGMARCHクラスの大学に進学する生徒も少しずつ増え始めている。

文化を創造し、社会に貢献できる人材を育成

こうした長い歴史の中で積み重ねてきた伝統を継承しつつ、同校は来年4月から新しい高校として生まれ変わろうとしている。新たな教育理念・教育目標・教育システムのもと、現在の普通科と総合工学科の2学科体制から「普通科2類型4コース制」への再編を軸とした学校改革を行うのだ。

新しい教育理念は「Creation & Dignity ‐創造と品格‐グローバルリーダーの育成」である。めざすのは21世紀の文化を創造し、イノベーションを担うなど、社会に貢献できる人材の育成だ。時代を切り拓く責務を果たすことを通じて、人間としての品格や誇りを養うことも目標としている。

「学校は文化の発信地だと思います。放課後、どこかに絶えず生徒たちが集い、何かを創造したり、奏でていたりするような輝きのある学校にしたいと考えています。この願いを教育理念の『Creation (創造)』の一語に込めています。

『夢を持ち、そこに向かって一生懸命に取り組んできた』『常に他者を思いやる気持ちを大切にしてきた』…。育てたいのは、そんな活力と誇りを持った若者です。この思いを『Dignity(品格)』という一語に託しました」

「特別進学Zコース」は「国公立難関私大コース」へ

教育システムとしては、信州大学を始めする国公立大学、また、難関私立大学に進学可能な新カリキュラムを導入。普通科の「特別進学Zコース」を「特別選抜類型」の「国公立難関私大コース」に進化させる。

国公立大や難関私大への進学指導で定評のある近隣の塾と提携して講座を開講したり、映像教材やe ラーニングを取り入れたりするなどサポート体制も特色のひとつだ。

普通科の「総合進学コース」は「文理進学類型」に組み込まれ、幅広い進路希望に対応できるコースとなる。「文理進学類型」にはこの他、2つのコースを用意。そのひとつが「サイエンス・テクノロジーコース」だ。

「本校の伝統ある工業教育を活かし、さらに高度な科学や技術を身につけて理工系学部の大学進学に対応するコースです。『ものづくり』の基礎を学びながら大学進学もめざせるコース制の導入は、長野県下では初めてとなります。

もうひとつ継承すべき伝統に部活動の強化があります。全国大会出場のサッカー部や空手道部を始め、野球部や女子バレーボール部などが数々の実績を残しています。

そこで『文理進学類型』に『スポーツコース』を設けます。全国大会で活躍しつつ学力向上をめざすコースです。同じ学校生活を送っている仲間たちが全国大会で活躍していることは、他の生徒たちにとって大きな誇りとなります。生徒たちが勉強面でもスポーツ面でも刺激し合い、高め合える環境を創造したいと考えています」

新たな「2類型4コース制」の導入とともに、特色ある設備を備えた新校舎の建設と既存校舎の改修にも着手する。外構工事などすべての工事が完成するのは2015(平成27年)年3月を予定。快適な学習環境とスポーツ施設によって、文化の発信拠点をめざす。

ソフトとハードの大きな変革により、次世代のニーズに応えるべく新たな挑戦が始まっている。
(次号に続く)


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