
2050年を生き抜く子を育てる
「もうひとつの学校」
小針一浩 著 まる出版 刊 2,200円(税込)
湘南ホクレア学園理事長の小鉢一浩氏の著作。湘南ホクレア学園は、いわゆる「一条校」ではなく、オルタナティブスクールに位置付けられている。本書のタイトルで「もうひとつの学校」という表現を用いているのはとのためで、文科省に認可された「学校」と区別するために本文中では「〝学校〟」と表現している。
2050年は、今の小学生が30代半ばという働き盛りを迎えるタイミング。もしかしたら、家庭を持ち、子育てを始めているかもしれない。地球規模で進む「温暖化と環境破壊」。世界規模で進む「AIやロボットへの労働移行」。日本国内で進む「超少子高齢化と人口減少」。そして「頻繁に起きる大地震」。人生のど真ん中になるであろう2050年を、世界規模の問題を抱えながら迎える彼らの人生を考えたとき、「はたして国・数・英・理・社を今まで通りに学んでいくべきなのか?」という問いから、「そもそもAIネイティブな世代の子どもたちに、私たち大人が知識を教える必要はあるのだろうか?」という疑問が著者に生まれ、その疑問への答えを出すために設立したのが、湘南ホクレア学園だ。
本書では、未来を見据えた新たな教育を提案する湘南ホクレア学園の考えていること、やっていることに焦点を当て、子どもたちが真に必要とする「生き抜く力」や「学ぶ力」を育むための実践を綴っている。子どもたちが「自分はこんな人生を生きたい。だからこういう場所で学びたい」と、自分の行きたい学校を当たり前に自由に選び、決められる未来が早くやってきてほしい。著者のそんな思いが本書の出版に至ったとのことだ。