算数と国語の力がつく
天才!! ヒマつぶしドリル
田邉 亨 著 伊豆見香苗 絵 学研プラス 刊
各1,210円(税込)
著者の田邉亨氏は2009年9月、小学校低学年向けの「算数オリンピック」「そろばん検定」「思考力」を重視した学習教室「りんご塾」を滋賀県彦根市に設立し、現在は全国に約35教室を展開している。算数オリンピックのメダリストを毎年輩出して注目を浴びているが、そのために用いているのが独自の「りんご算数パズル教材」で、そのパズル教材を書籍化したのが本書である。
本書に掲載した問題は、すべて田邉氏が塾で子どもたちとやってきたもので、面白いものだけを厳選。田邉氏が指導しているのは、いたって普通の公立小学校に通う子どもたちだが、この問題に夢中で取り組み、頭を悩ませた子たちが算数オリンピックのメダリストになっている。
「ちょっとやさしめ」と「ふつう」があり、前者は小学2・3年生ぐらいから大人までが対象で、後者は小学3・4年生ぐらいから大人までが対象だ。「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」を教育信条にしているだけあって、ヒマつぶしに遊んでいるうちに、いつのまにか算数と国語の力が付くように工夫されている。
「そのヒマな時間に良質な問題に触れてほしいのです。床に寝そべりながら考え続けられるような、没頭できるような問題。そんな問題に触れているとき、子どもの頭の中では思考の扉が開かれ、思う存分に悩み考えることができます。悩み考えない人間に思考力など身に付きません。思考力は試行錯誤する力です。答えは与えられるものではない、自分の力で考え、探し、得るものだと知っている子どもは強いです。それが生きる力をもった子どもといえるのではないでしょうか」と、本書の中で田邉氏は述べる。
伊豆見香苗氏の楽しいイラストが本書の魅力をさらに引き上げてくれている。